柳家三三×読売日本交響楽団

僕をオトナにしたクラシック

柳家三三のプロフィール写真 (C)Renji Tachibana

●柳家三三(やなぎや・さんざ)/1993年柳家小三治に入門。2006年、真打昇進。落語界の次世代を担うエース。常に進化し続ける本格派の落語家。

更新日:2017年7月3日(月)

今月の名曲:
ベートーヴェン 交響曲 第6番『田園』 コンサートホールで森林浴?

 われわれ落語家が寄席で毎日演じる落語、事前に演目が決まっていることはほぼありません。出番の直前に楽屋で“根多帳〞と呼ばれる、誰がどんな噺を演じたか記入した帳面(今どき珍しい和綴じの大福帳状のもの)を見ながら
@前の演者が演じたものとかぶらない
A持ち時間内に収まる
Bその日のお客様に喜ばれる
といった条件を満たすネタを選び、高座では冒頭“マクラ〞と呼ばれるつかみのおしゃべりの後、演目に入ります。
 ところがマクラでBの条件を満たすには楽屋で考えた噺ではない方がいいと、そんな反応を感じれば、とっさに変更することも。『毎度おなじみのお笑いを』なんてヘラヘラおしゃべりしているようで“マーケティング・リサーチ〞してたりします。ただゲラゲラ大笑いするより、のんびりとかしっとりとか……人によって楽しさの基準というのも違いますからね。
 ベートーヴェンの交響曲 第6番『田園』は、自然の情景とそれにふれた人々の感情の移ろいをゆったり味わえる、“癒し系〞の代表的な名曲です。コンサートホールからの帰り道は、まさにベートーヴェンが第一楽章につけた標題、『田舎に到着したときの愉快な感情の目覚め』――そんな気分で誰もが家路につくことができるんじゃないでしょうか。

この曲を落語に例えると…
五代目 柳家小さん 『 三人旅』

そのココロは!

―われらが大師匠(自分の師匠のそのまた師匠のこと)・五代目小さんの穏やか
で肩ひじ張らない田舎の旅景色を味わえる『三人旅』でいかがでしょう。
気難しいベートーヴェンさんも納得してくれると思うなぁ。

ベートーヴェンの傑作 《田園》
第200回 土曜マチネーシリーズ
2017年9月16日(土)14:00
東京芸術劇場
S席7,500円 A席5,500円
B席4,500円 C席4,000円(税込)

出演:コルネリウス・マイスター(指揮)
   ダニール・トリフォノフ(ピアノ)
曲目:スッペ/喜歌劇『詩人と農夫』序曲
   プロコフィエフ/ピアノ協奏曲 第2番
   ベートーヴェン/交響曲 第6番『田園』