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演劇企画ユニット 劇団山本屋

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舞台を通じてセーリング競技の魅力を発信!

葵い海の上で情熱に汗を光らせる青春マリンスポーツドラマ

山本タクが主宰を務める演劇企画ユニット、劇団山本屋が「貴方が知らない世界を繋げる舞台」を目的としたCUWTプロジェクト第1弾は、1900年 第2回オリンピック パリ大会より正式種目となっているセーリング競技が題材だ。ある過疎化が進んだ街を舞台にセーリングをメジャースポーツにするという大役を与えられ、「アイドルセーリングチーム」を通じて街興しに奔走する1人の女性と、マリンスポーツとは無縁の男たちの奮闘を描く青春マリンスポーツドラマだ。戦略、体力、自然、仲間との絆。山本が「演劇だからこそ様々な思いを人々の心に残すことができる」と語るように、セーリングの魅力を詰め込んだ舞台はコロナ禍を生きる私達に大切な物を伝えてくれる作品となりそうだ。主演の橘龍丸、船岡咲、そして元女子バレー全日本としてオリンピックに出場した大林素子とともに本作への意気込みを語ってもらった。

PROFILE

橘 龍丸(たちばな・たつまる)のプロフィール画像

● 橘 龍丸(たちばな・たつまる)
1991年4月21日生まれ、福井県出身。 2010年から5年間「橘小竜丸劇団」の座長を務め、2014年から大衆演劇、2015年から舞台やミュージカルを中心に活動。近年ではアニメやゲーム作品の声優としても活動する。 主な出演作に『舞台版 誰ガ為のアルケミスト』〜聖ガ剣、十ノ戒〜』(クダンシュタイン役/2020年)、ミュージカル『忍たま乱太郎』第8弾・がんばれ五年生!技あり、術あり、初忍務!!、ミュージカル『忍たま乱太郎』忍術学園 学園祭(舳丸役/2017年)などがある。

船岡 咲(ふなおか・さき)のプロフィール画像

● 船岡 咲(ふなおか・さき)
1993年3月2日生まれ、神奈川県出身。 ファッション誌のモデルを務めたのちに、女優として舞台やドラマに出演。2012年には日テレジェニック2012に選ばれた。近年の主な出演作に『K-Lost Small World-』大貝阿耶役、『ダンガンロンパ3 THE STAGE 〜The End of 希望ヶ峰学園〜』忌村静子役、『かくりよの宿飯』鈴蘭(女郎蜘蛛) 役などがある。

大林素子(おおばやし・もとこ)のプロフィール画像

● 大林素子(おおばやし・もとこ)
1967年6月15日生まれ、東京都出身。 高校在学中にバレー全日本に初選出。1985年ワールドカップで国際大会デビューを飾り、卒業後は実業団の日立に所属。1988年ソウル、1992年バルセロナ、1996年アトランタとオリンピックに大会に出場し、全日本のエースアタッカーとして活躍。引退後はスポーツキャスターとしてバレー中継の解説や日本バレー協会のテクニカル委員などを担うほか、女優やタレントとしても幅広く活躍。近年の主な出演作に『ミュージカル小公女セーラ』マリア・ミンチン役、2.5次元ダンスライブ S.Q.S(スケアステージ)Episode 5『篁志季消失事件』伊月花役などがある。

山本タク(やまもと・たく)のプロフィール画像

● 山本タク(やまもと・たく)
1980年11月1日生まれ、山口県出身。 映画や舞台や小説、イベントの脚本、構成、演出を手がける。 自身も役者として参加したエジンバラフェスティバル(2004)で最高峰の5星を獲得し、ドラゴンクエストシリーズ『テリーの大冒険』の脚本家佐々木智広の戯曲に、東海テレビ開局50周年記念作品『花衣夢衣』主演の尾崎姉妹を起用した『モルヒネと海』で演出家デビュー。大河ドラマ誘致推進協議会、京都フラワーツーリズムによる地域振興の企画、短編小説『ガラシャ物語』シリーズの中の一つ、『水面に映るおもかげの花』を執筆。電子書籍化され、Kindleから電子出版中である。作品作りにおいては、年代や国境を越えた人間の根本にある二律背反や愚かさをコミカル且つリアルに描き出すことを大切にしている。近年は立教大学異文化コミュニケーション学科一年基礎演習(必修)のコーチングリーダー(2010〜2013)や、ワタナベエンターテイメントカレッジ表現基礎、映像演技(必修)の講師(2010〜)など、演技コーチングから演劇によるコミュニケーション能力の向上の活動などなどにも力を入れている。劇団山本屋主宰。

インタビュー写真

セーリングの奥深い魅力を舞台を通して伝えたい

―――本公演は東京オリンピック・パラリンピックが予定されていた2020年に合わせて再演予定でしたが、コロナ禍により延期となっていました。そもそも舞台でセーリング競技を描こうと思われた理由について教えてください。

山本「お芝居には楽しませるものと、物事を深く考えさせるものと2つの主流があると思います。
元々舞台には歴史を伝えていく媒体としての意義が込められていて、そこに立ち返った時に、何かを知ってもらおうという目的があったらいいなと。そこで2017年に神戸新聞社さんと協力して『午前5時47分の時計台』という阪神淡路大震災を題材にした舞台を創りました。
 その後、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まった時に、あるお仕事で知人がセーリング競技のPRを担当する事になった方から話を聞いた時に『お芝居を通してセーリングを知ってもらうことはできないだろうか』と頭に浮かびました。すぐに話すと、知人もそれは面白いと思ってくれて話が始まりました。しかし、海街で育ったので船に乗る素晴らしさは知っていたのですが、セーリングに関してはほとんど無知でした。ですが、調べていくとすごく面白い競技でこれは是非、日本中の人に知ってもらいたいと思ったことが始まりでした。
 皆さん興味はあっても意外と知らない事は多い。マイナーなものにスポットを当てると意図から『Connecting Unknown World Theater project』の頭文字を取った“CUWTプロジェクト”は誕生しました。セーリング競技は1900年の第2回パリオリンピックで正式種目になって以降、日本での競技人口は約1万人と少ないものの、1996年のアトランタ大会で銀メダル、2004年のアテネ大会で銅メダルと強豪国に食い込む実力があります。加えて知識、技術、体力、チームワーク、天候、様々なことを網羅している人間でなければ勝つことができない奥深い魅力を知ってもらいたいという思いが一番の原動力になっています。
 本格的に執筆を始める前にまずは自分で体験してみる必要があると思ったので、実際に乗船してみたり、また国際大会で優勝した方に取材をしたりして、これは行ける!と確信が持てたので脚本に着手しました。東京オリンピックでの競技会場は神奈川県藤沢市の江の島ヨットハーバーなので、よし! 同じ神奈川県の劇場にしようと、ラゾーナ川崎の会場を抑えて、2018年の初演に結び付けることができました。震災からスポーツと振り幅は大きいですが、例えジャンルが違っても思いは一緒。掘り下げていけばそこで奮闘する人間の営みを描くわけで、特に大きな違いはないと思っています」

インタビュー写真

知識が無くても楽しめる内容

―――本作でセーリングをメジャースポーツする使命を与えられたアザミと、そのアザミからアイドルセーリングチームの柱として声をかけられた葵翔(あおい・しょう)。メインキャストの大役を与えられた印象はいかがでしょうか?

橘「僕にとってこの舞台がセーリングという競技を初めて知るきっかけになりました。YouTubeで大会の動画を観て面白そうだなと思ったのですが、でもこれを舞台でどの様に表現するのか全く想像がつかないですね。でも山本さんと組んだらきっと面白いお仕事が出来そうだと思ったので、どんな役でもやります!とお返事して台本が届いてみたら、自分が真ん中だったという……(笑)
 でも非常に光栄な事です! コロナ禍もあって、舞台で何か新しい試みをやるという経験を久しく味わえていなかったので、自分としてもチャレンジというか今はもうワクワクしかないですね。
 台本を見ても中々濃厚で青春の熱意に溢れたお話ですし、さらに舞台でセーリングを表現することは全員にとっても初めてのチャレンジだと思うので、一致団結して創り上げていこうと思います」

船岡「私もセーリングについての知識が全く無かったのですが、凄い読みやすい台本で、すっとストーリーの中に入っていくことができました。船を操舵する上でのポジションなども簡潔に説明がされているので、きっと私と同じようにセーリングについて何も知らない人でも楽しめる作品になると思います。私が演じるアザミも知識ゼロの状態から徐々にセーリングに魅せられていくので、そういう意味では一緒の目線で演じられるのではないかと楽しみにしています」

セーリングとの不思議な縁

―――大林さんはバレー女子全日本のエースアタッカーとして、1988年ソウル、1992バルセロナ、1996アトランタと3大会のオリンピックに出場されました。競技は違いますが、スポーツをテーマにした舞台に出演されるお気持ちはいかがでしょうか?

インタビュー写真

大林「私が1996年アトランタオリンピックに出場した時に、女子セーリングの木下アリーシア・重由美子組が女子470級で銀メダルを獲得しました。
 実はアトランタが終わってバレーを引退した時に重さんから『セーリングやってみない?』と誘われたことがあるんです。バレーボールなどの団体スポーツをやっていた人はセーリングに合っていると言われたのですが、バレー辞めたばかりでスポーツキャスターに挑戦していたので、他の人に声かけてみますとお返事しました。暫く時間が経って重さんはお亡くなりになったのですが、私の中でそういった接点があったので、何か不思議なご縁を感じています。山本さんからは2019年にお声がけ頂いて、2020年の公演に向けて準備をしていました。中止になってしまい肩を落としていましたが、今回満を持しての再演となったので、前回の分の思いも乗せて臨もうと思っています。本作ではセーリングを引退した先輩役を演じさせて頂くのですが、キャストの皆さんとの年齢差もあるので子供達を思うような気持ちで臨めたらなと思います」

山本「僕の中では東京オリンピック終わった後もセーリングに興味を持って欲しいという思いがあります。特に驚いたのが、国際大会で優勝した選手の方が競技を始めたのが大学生になってからという事。世界一になるには幼少期から競技を始めているという先入観があったので、もしかしたらこの公演を観てくれた方がセーリングを始めて日本代表になって世界一になんてことも可能なわけです。そうなってくれたらもう最高ですね!」

大林「山本さんのその思いはアスリートとしても有難いですよね。私もスポーツキャスターとして色んな競技を取材させてもらいましたが、中々スポットが当たらないマイナー競技団体の方々が苦心されている様子を見ると特にそう思います。今回は役者としての参加ですが、伝わる側としても発信したいという思いは強いです。私自身も船舶二級免許を持っているので、海の上で風を切る気持ちよさは分かっているつもりですし、セーリングの魅力も知ってもらえるきっかけになれば嬉しいです。コロナ禍でなければもっと色々と動けたのですが、そこは出来る範囲で若い方々と一緒になって盛り上げたいですね!」

船のセットに注目してほしい

―――水上の競技をどの様に舞台で表現するのか、凄く興味を惹かれます。

山本「それは自分でもビックリするぐらいにうまい演出が出来たと思います!(笑)
 船のセットが回転することによって一番先頭に誰が来たのかが分かるようになっていて、動いている船の上を移動するキャストの方は大変だと思いますが、決まればメチャクチャカッコいいです。前回ご覧になったお客さんから『風を感じた』とか『海が見えた』と感想頂けたことは嬉しかったですね。今後は予算面との相談となりますが、より臨場感が味わえるように出来たら良いですね」

インタビュー写真

橘「僕は運動音痴なので、うまくできるでしょうか……今になってキャスティングミスと思われるかもしれません(一同笑)でもそこはスポーツならではの気合と根性で頑張るしかありません!」

船岡「コロナ禍で舞台に出させて頂くのが久しぶりなのに、さらにスポーツを題材にしたお芝居で部活感に溢れているので、いつものお芝居とはまた違ったエネルギーが必要なのかなと思います。山本さんのお話を聞いているとセットもかなり凝っているようなので、早く稽古に入りたいです!」

―――最後に読者の方にメッセージをお願いします。

山本「選手の方々とお話をすると、よく風や空の話になります。あの風が吹けばこういう天気になるとか、セーリングをした人しか分からない話なのですが、そういう世界をお客さんにも少しでも感じてもらえるような舞台にしたいですね。忙しい日常を過ごしていると、目の前の事ばかりに目線が行ってしまいがちですが、この舞台を通じて風を感じて雲の動きを見てもらい、雄大な大海原に思いを馳せてもらえるきっかけになれば創り手としても嬉しい限りです」

橘「皆さんにお届けできるのも幸せな事ですし自分にとっても大きなチャレンジです。コロナ禍でスポーツというものに目が行きにくくなっていると思いますが、舞台というステージを通してですが、この魅力的なセーリングという競技に興味を持って頂けたら嬉しいです。是非劇場に足を運んで頂けたら嬉しいです!」

船岡「台本を読み終わって、セーリングという競技に情熱を注ぐ若者たちのエネルギーと、青春のキラキラした眩しさを感じることができました。それを観てくださるお客様にいかに伝えられるか私達にかかっていると思います。私が演じるアザミも男だらけのセーリングの世界でパワフルに奮闘するので、私も負けずに頑張りたいです!」

大林「今年初舞台なので、心配もありますが、とにかく最後まで公演が出来る事が一番の願いです。
 スポーツの世界は勝ち負けが伴いますが、舞台は観てくださった方1人1人の感じ方受け取り方があって、必ず伝わるものがあると思うので、私もアスリートの気持ちに立ち返って楽しみたいと思います!」

(取材・文&撮影:小笠原大介)

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公演情報

「風を切れ2020」のチラシ画像
演劇企画ユニット 劇団山本屋
風を切れ2020


2021年5月26日 (水) 〜2021年6月1日 (火)
ラゾーナ川崎プラザソル
HP:公演ホームページ

10名限定!A席5,500円(全席指定・税込) → 4,500円さらに3000Pゲット!(5/27 18時50分更新)

こちらのチケットは、[電話予約]もご利用いただけます。
カンフェティチケットセンター
0120-240-540
(平日 10:00〜18:00)
詳細はこちら
「風を切れ2020」のチラシ画像
演劇企画ユニット 劇団山本屋
風を切れ2020


2021年5月26日 (水) 〜2021年6月1日 (火)
ラゾーナ川崎プラザソル
HP:公演ホームページ

最前列席:7,000円(非売品クリアファイル付)
S席:6,000円
A席:5,500円
(全席指定・税込)

★WEB予約・お電話予約 どちらでも受付可★
お電話予約: 0120-240-540*通話料無料
(受付時間 平日10:00〜18:00※オペレーター対応)


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