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PICKUP
笠原織人・東出有貴・吉田健児

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記憶を消され無機質な空間に送り込まれた男女達。指令は“ゲームへの参加”

生還かけた戦いの中で露わになる己の姿とは? 壮絶な結末を迎えるSFバトルアクション!

 “どこまでも続く旅を、景色を、作品として届ける”をコンセプトに活動する演劇プロデュースユニット、Charm(シャルム)が放つ第3弾は異空間に送り込まれた男女達が生還をかけた“ゲーム”に臨むSFバトルアクションだ。刺激のない日々に飽きていた高校生・工藤春は、ある日、目を覚ますと無機質な空間に倒れていた。周りには同じように状況を読み込めない男女らが。自分を含め、家族や友人など全ての記憶を失っていた。そこにある一人の女性が現れ伝える。「皆様にはこれよりゲームに参加していただきます」。壮絶な結末を迎えるゲームが始まった……。
 主演の笠原織人、東出有貴、そして作・演出を手掛ける主宰・吉田健児に本作の見どころと意気込みを聞いた。

PROFILE

笠原織人(かさはら・おりと)のプロフィール画像

● 笠原織人(かさはら・おりと)
1992年生まれ、埼玉県出身。
2002年1月、蜷川幸雄演出の舞台『身毒丸 ファイナル』でデビュー。以後、2002年『マクベス』マクダフの息子役、2003年『リチャード三世』ヨーク公(幼少期)役、2005年、ドラマ『大奥〜第一章〜スペシャル』家綱役などに出演。2011年、ROCKミュージカル『ピンクスパイダー』の出演をきっかけに本格的な音楽にも目覚め、アーティストとしても活躍。近年の出演作に2018年『テイルス オブ ジ ステージ〜ローレライの力を継ぐ者〜』薔薇のディスト役、2019年『ヨルハ ver1.3a』、2020年『ヨルハ ver1.3aa』司令官ホワイト役、2020年『ティアムーン帝国物語 THE STAGE』アベル・レムノ役などがある。

東出有貴(ひがしで・ゆうき)のプロフィール画像

● 東出有貴(ひがしで・ゆうき)
1986年生まれ、大阪府出身。
キャラクターショーを中心にアクションを学ぶ。2009年〜2015年8月、爆裂エンターテイメント集団HIROZを立ち上げ、リーダーとして活動。3000ステージ以上の出演とともにアクションコーディネートや指導も担当する。2011年10月、ダンスヴォーカルユニットHIRO SEVEN+のヴォーカルとしてavexグループよりメジャーデビュー。2015年8月、ソロとして活動開始、全国ツアーやCD発売、脚本、講師など幅広く活動中。主な出演作に2014年、映画『るろうに剣心 京都大火編』御庭番衆役などがある。

吉田健児(よしだ・けんじ)のプロフィール画像

● 吉田健児(よしだ・けんじ)
1992年生まれ、山形県出身。
Charm主宰。これまでの主な出演作に映画『キングダム』、『パーフェクトワールド 君といる奇跡』、『いぬやしき』、『メサイア外伝 −極夜 Polar night−』、『帝一の國』、テレビ『スニッファー スペシャル」(NHK)、『名刺ゲーム』(WOWOW)、『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ)、『ぼくらの勇気 未満都市2017』(日本テレビ)、『コード・ブルー 3rd SEASON』(フジテレビ)などがある。

インタビュー写真

テーマは「絶望の中にある光」

―――本作で描こうとされる世界観について教えてください。

吉田「本作は異空間に転送されたキャラクター達が己の記憶と現実世界に戻るために、送り込まれたそれぞれの世界でターゲットを倒してポイントを獲得していくというゲーム性が特徴で、仲間を倒すとその分のポイントも入手できるという意味でも、誰が味方で誰が敵か分からないという意味でも人狼ゲームの要素も入っています。登場人物たちは一見すると一癖も二癖もある社会不適合者ばかりですが、そこには生々しい人間性も持たせてあります。
 テーマとしては、絶望の中にある光を描こうとしました。異空間での戦いに生き残った人間が現実世界に戻っても死んでいった人間の遺志を引き継いでいくというストーリーで、1公演の2〜3時間の中に全てを詰め込むのは難しいので、今後はシリーズ化を出来たらと考えています。
 発案の原点となったのは、映画『GANTZ』ですね。SFが必ずしも科学的事実に裏付けされる必要はないという原作者の奥浩哉先生の考えが反映されており、科学理論では説明できない現実と非現実が交錯する世界観や不条理とも言える死と隣り合わせの緊張感、複雑に絡み合う人間模様が張り巡らされていて、奥先生は『何が正義なのか?』『正義とは何か?』を作品の中で問いています。僕自身もファンタジーとSFの融合した世界観に憧れを持っていて、いつかそんな作品を出したいと思っていました。ビジュアルと同時に各キャラクター設定も公開していく予定ですので、是非予習してから観に来ていただけるとより楽しめるはずです」

死んでいった人間が遺したもの

―――台本を読んで感じた印象は?

笠原「高校生役に少なからず不安もありますが(笑)、吉田さんの描くSFファンタジーの世界に魅力を感じていたので声をかけていただいた事がすごく嬉しかったですね。今回の台本を読んで最初に頭に浮かんだのは漫画『神様の言うとおり』ですね。平凡な高校生が突然、生死をかけた不条理な世界に引きずり込まれるというサバイバル・シチュエーション・ホラーです。本作にもその要素があるのですが、生き残った人間だけの視点を描くのではなく、死んでいった人間が遺したものが一体どんな影響を与えるのかが色濃く描かれているのも大変興味深いですね。
 普段の日常に飽き飽きしている多感な高校生がいきなり、生死を問う状況に追い込まれたら一体どんな反応をするんだろうという事を想像しながら役作りをしていこうと思います」

インタビュー写真

東出「吉田さんとは以前にアクション作品の現場でご一緒させていただきました。僕自身がアクション専門にやっている役者ですし、まだ吉田さんからは具体的には何も指示はもらっていないですが、本作でもきっとアクション要素が多いんだろうなと(笑)。僕自身、1年半ぶりの舞台なので、感覚を取り戻す意味でも連日トレーニングに励んでいます。
 演じる四至本竜也という役は関西チームのまとめ役なのですが、僕自身が大阪出身なので自然体で演じられるのかなと。映画だとCGが火薬の演出なので色々表現できますが、舞台ではそうはいかないので、自分の体ひとつと殺陣でどれだけ世界観を表現できるかが勝負になってくるので、特にアクションシーンで映画を観ているような感覚を創り出せたらと思っています」

―――吉田さんからご覧になって、共演されるお二人の印象はいかがでしょうか?

吉田「笠原くんは以前の現場でもご一緒させてもらっていて、本当にそのままの好青年なんです。いつも笑顔でポジティブで。一体、彼に闇の部分はあるんだろうかと。だから彼の闇の部分を見てみたいなと思って、今回の主人公にはかなり闇を持たせています(笑)。恐らくこれまで笠原くんが一度もやったことがないと思うぐらい乱暴な役なので、僕自身が彼がどこまでダークサイドに足を踏み入れられるかが楽しみですね。
 でも根がめちゃくちゃ良い人なので、座長としてはみんなをまとめてくれると期待しています。一方の東出さんは風の噂で、喧嘩っ早いと聞いていたような(笑)」

東出「全然そんなことないですよ。確かに大阪の下町で育って、10代の頃は“そういう人たち”に囲まれて育ったという要素はあるかもしれませんが、僕自身、格闘家をしていたので、そういう理不尽なオラオラ感は出しませんよ。10年以上前はそういう事もあったかもしれませんが(一同笑)」

吉田「確かに格闘家をされていたので、殺陣や目線の迫力もすごいです。やはり本物ですよね。それに加えてリーダーシップも発揮してくれるので、一度でもいいから共演したいなと思っていました」

メイクに是非注目を

―――特に力を入れたい部分はりますか?

笠原「これまでは脇役や悪役も多く、女装もしたり(笑)。いわゆる主人公が初。ガッツリ戦う事も無かったので、僕自身にとっては初物づくしですね。加えて闇の部分を持つ主人公なので、その部分をどう表現するか、今から稽古を通して突き詰めていこうと思います」

東出「久しぶりの舞台を楽しむ。これに尽きますね。あとはアクションの迫力をいかに前面に出せるかでしょうか。刀による殺陣のシーンは圧巻だと聞いています。お客さんに楽しんでもらうためにもまず出ている役者が楽しめるような現場にしていければいいなと思います」

インタビュー写真

吉田「アクションもそうですが、メイクにも是非注目していただきたいです。今回は特殊メイクアーティストの方にも参画していただいて、敵キャラはかなり迫力ある仕上がりになっています。異世界では仲間同士で協力し合っても倒せないほど強い敵キャラが出てくるので、その迫力を存分に伝えようと力を入れました。またその様な強力な敵がなぜ生まれたのか?という背景にも衝撃の事実が隠されているので注目してもらいたいですね。あとは映像や照明も駆使して世界観を創り込んでいますので是非期待していてください」

エンターテインメントが一筋の光に

―――最後に読者にメッセージをお願いします。

笠原「私達は新型コロナウイルスとの日々の戦いを強いられて1年が経ちましたが、こういう時こそエンターテインメント自体を無くしてはいけないと思っていて、ワクワクする感覚が生きていく上でも必要不可欠だと感じています。この瞬間にも上演に向けた準備が進んでいるという期待を持っていただければなと思っていて、僕たちはその期待以上の物をお披露目できるように全身全霊で取り組んで参りますので是非楽しみにしていてください!」

東出「他の団体さんの舞台に出るのは実に3年ぶりになります。個人的にはある意味“復帰作”と言えるほど時間が空いてしまっていますが、キャスティングされた意味も考えながら、持ち味であるアクションもさることながら、この作品が持つ魅力をお伝えできるように頑張っていきたいと思います」

吉田「多くの方からのご支援があってこの公演が実現されます。この時世、自粛をする事も1つの答えですが、こういう時だからこそ、作品を通して勇気や元気をお届けできる一筋の光になれば嬉しいです。本作には『何があっても前に進む』というテーマが織り込まれています。観ていただいた方の背中を少しでも後押しできるような作品にしますので、是非ご期待ください!」

(取材・文&撮影:小笠原大介)

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公演情報

Charm vol.3 舞台 『Withered Life』

日:2021年3月31日(水)〜4月4日(日)
場: 川崎ラゾーナプラザソル
HP:公式HP

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