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デストルドー9

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ある日、秘密のプロジェクトのために集められた青年達

人類の未来を握る彼らが導くのは、果たして希望か絶望か?

近未来の日本。極秘裏に進められている【プロジェクト『F』】のために、18人の若者達が集められた。9人ずつ2チームに分けられた彼らは、人類に絶望をもたらす脅威に立ち向かうために闘いを強制される。若者達の葛藤、苦悩が積み上げられる中、残酷にも物語は終末に向かっていく……SF、サスペンス、青春ドラマ。様々な要素を盛り込んだこの群像劇が、新たな舞台体験を目指す若きクリエイター達によって作られている。そしてより理想に近づけるために実施したクラウドファンディングも見事成功。客席数250を超える座・高円寺2での上演を実現する。キャストには作品の世界観に沿った俳優達が選ばれたが、物語の中と同様にそれぞれ個性が際立つ、注目の俳優達が集っている。その中から主人公格を演じる新井裕士と汐谷文康。その主人公を支える役柄の井上将と寺木慧佑が集まり、作品への抱負を語ってくれた。

PROFILE

新井裕士(あらい・ゆうじ)のプロフィール画像

● 新井裕士(あらい・ゆうじ)
ジールアビリティ所属。高校時代に映画研究部に所属して芝居を始める。その後演劇ワークショップに通い、翌年三月に初舞台を踏む。その後に小劇場系の舞台に多数参加し、さらにエンタテインメント系の舞台にも活躍を拡げている。

汐谷文康(しおや・ふみよし)のプロフィール画像

● 汐谷文康(しおや・ふみよし)
ゆーりんプロ所属。高校時代に演劇部に所属。その後に声優を志しデビュー。アニメーションやゲーム作品などで活躍するが、所属する事務所の方針で舞台にも活躍の場を拡げている。

井上 将(いのうえ・しょう)のプロフィール画像

● 井上 将(いのうえ・しょう)
ダイナミックエンタテインメント所属。読者モデルとして人気を集め、その後にアイドル活動を展開。本格的な舞台出演は今回が初めてとなる。

寺木慧佑(てらき・けいすけ)のプロフィール画像

● 寺木慧佑(てらき・けいすけ)
劇団Toy Late Lie所属。恵まれた身長を活かしてモデルとしても活躍しファッションショーのランウエイを歩いた経験も持っている。その後、舞台作品にも参加するようになり、現在は劇団にも所属している。

インタビュー写真

精神分析学用語で死に向かおうとする欲動を意味する「デストルドー」がタイトルにつけられたこの作品は、出演者の設定や作品中に出てくる用語が結構複雑だ。そこでまずはあらすじを紹介しておこう。

――― 近未来の日本。取り立てて才能のない少年・唯(ユイ/18)にある時、国から一通の封筒が届く。それは、才能のある者だけが選ばれるという【プロジェクト『F』】の参加資格を知らせるものだった。「どうして俺に?」首を傾げながら施設へ向かうと、そこには全国から集められた10代の青年達17人がいた。彼らは2チームに分けられ、9人である“物体”を操作することを命じられる。衝突を繰り返す中で、徐々にその目的が明らかになっていき――。

物語の要となるのはある日集められた18人の青年達。9人で構成されるチームでその“物体”を操作する訳だが、9人には心臓、能、耳、左右の目、手、足と役割が分担され、新井と汐谷は心臓を、井上と寺木は脳を担当するという設定になっている。
そんなことを頭に入れたところで、彼らにこの作品への抱負や期待を聞き出してみよう。


新井「流久里さんの作品には何度か参加させて頂いていますが、複雑に謎が散りばめられている作品が多い印象です。素敵だと思うのは学園ものだったりミステリーだったりいろんなジャンルが混ざっているところ。だからお客さんの捉え方でいろいろと楽しめるとおもいます」

汐谷「脚本を読んだときに、でてくる単語が結構難しいので大変そうだと思いましたが、それ以上にキャラクター同士の掛け合いが凄く面白いんです。出てくる青年達のキャラクターが多彩ですし、2つのチームそれぞれに特色があります。そんな世界をどのように演じようかと考えながら読みました」

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井上「実は、本格的な舞台はほぼ初めてなんです。だから不安はあるのですが、せっかく素敵な役を頂いているので、先輩達に鍛えてもらいながら成長したいですね」

寺木「僕もついて行けるかちょっと不安になったのですが、逆にそれを乗り越えてお客さんに伝えて引き込むことができたら凄いなとも思いました。お客さんが18人の少年達が持っているバックボーンを考えて作品に入り込めるようにしたいですね。チームの中でもそれぞれ役割があって、それがお互いにどのように関係しているかが面白いのだと思います」

――― 物語の中で、彼らは9人で一緒に1体のガラテアと呼ばれる生命体を操作することになるが、それぞれが担当する身体のパーツには心臓が“カルディア”、脳が“エンケパロス”といった風にギリシャ語の名前がつけられている。先ほど汐谷が話している単語の難しさはこういった部分を指しているのだが、それ以外にも聴き慣れない言葉が沢山出てくるのも大きな特徴だ。そんな部分は演じる上で障害にはならないのか。

新井「お客さんにどこまで伝わるのか少し不安はあります。しかし細かい言葉や設定がどうこうではなく、根幹としての人間ドラマの部分を伝えられたらいいなと思います」

井上「実は僕、ひらがなよりもカタカナの方が得意なんですよ(笑)。最初に覚えた言葉もカタカナ言葉だった記憶があるくらいで(笑)。潜在的にカタカナはとっつきやすいから、好きな言葉が増えるかも(笑)」

汐谷「漫画やゲームが好きなので、こういった言葉や設定の複雑さにはそれほど抵抗がないですね。一番重要なのは運命に翻弄される少年達の姿ですから、それを見せていきたいです」

インタビュー写真

寺木「僕は井上くんと逆で、カタカナを憶えるのが嫌で学生時代に世界史から日本史に切り替えたので(笑)。それはともかく、作品に出てくる言葉達はあまり馴染みがない非日常のものですが、役柄としての僕達には日常の用語であり、言葉なんですね。だからお客さんを我々の側に取り込んでいければ違和感は無くなっていくと思います」

――― ある目的のためにガラテアを操作する9人の青年達が巻き起こす衝突や葛藤を彼らはどう乗り越えていくか。群像劇としてのこの物語はそんな部分で活き活きと動き出すはずだ。では実際の彼らはチームという枠組みの中でどんな位置に居るタイプか。はたまたチームは性に合わないタイプかを聞いてみた。

新井「状況によってかわるんですが、割と副委員長の位置で、仕事を振り分けるタイプですね。その結果、自分はやらないという(笑)」

井上「僕は一人が好きで、休日は一人で籠もるタイプです。人見知りもありますし。でも打ち解けていくと自分から行くようになります。それまでは気を使ってしまいがちですね」

汐谷「僕も先頭に立つタイプではなく、むしろリーダーを支えるタイプでしょうね。それなのに今まで生きてきて矢面に立たされることが多くて(笑)。高校は演劇部だったんですが、入ってすぐ2年生がみんな辞めてしまって、1年生から部長を選ばなきゃいけなくなり、なりゆきで僕が部長になりました。でもあまりに頼りなくて、いつも周囲に支えられっぱなしでしたね。そのくせ周囲を振り回しがちなので、よく呆れられていました……(笑)」

インタビュー写真

寺木「僕も先頭は苦手なんですが、それでいてやりたいことはあるので、隊列で言えば1.8列目くらいに居て、そこそこ皆が出て行った後に自分のペースで進めていく。そんなタイプですね」

さて、これから出演者が揃い、稽古が進んでいく「デストルドー9」。ある施設という密閉空間で行われているのは人類の未来を左右する重大なプロジェクト、というなかなか壮大な物語になっている。そんな物語への招待状ともいえる、彼らからのメッセージを聞いてみた。

寺木「この作品の世界観にある“日常”は、劇場で体験しないとわからないと思います。だからぜひ巻き込まれに来てください。ここに居るメンバー以外も多彩なキャラクターが揃ってますから」

汐谷「僕自身初めてご一緒するメンバーが多いのですが、凄く楽しそうな座組になりそうです。いいものになりますよ、きっと。」

新井「ちょっと飲み込みづらい世界観かも知れませんが、人間同士の葛藤や絶望に抗う姿は皆さんにも共感頂けると思うので、そこに入り込んで頂けたら嬉しいです」

井上「すごく面白い脚本だと思っています。精一杯頑張りますので、やはり気負わずに劇場に来て、楽しんで欲しいです」

(取材・文&撮影:渡部晋也)

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公演情報

「デストルドー9」のチラシ画像
デストルドー9製作委員会
デストルドー9


2019年9月19日 (木) 〜2019年9月23日 (月・祝)
座・高円寺2
HP:公演ホームページ

S席(前売):5,000円
A席(前売):3,800円
500円割引!S席:5,000円 → カンフェティS席:4,500円!
500円割引!A席:3,800円 → カンフェティA席:3,300円!
(全席指定・税込)


※カンフェティ席追加分は見切れ席を開放しております


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