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『戦場の翼』

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2018年に上演された『零式艦上戦闘機』をベースに三幕構成で上演

堀越二郎、山口多聞……戦争の時代を生きた人々の人生を描く

ブルーシャトルがプロデュースする『ゼロ』シリーズは2012年にスタートした、零式艦上戦闘機と運命を共にした青年たちを描く物語。シリーズ最新作『戦場の翼』の上演が2019年6月からスタートする。本作に出演する松田岳、田渕法明、山本誠大、石田直也に聞いた。

PROFILE

松田 岳(まつだ・がく)のプロフィール画像

● 松田 岳(まつだ・がく)
1992年11月20日生まれ。兵庫県出身。BSP初演『ゼロ』以降、多くのBSP作品で主演を演じる。主な出演舞台に『ミュージカル忍たま乱太郎』、ミュージカル『薄桜鬼』、2.5次元ダンスライブ『ツキウタ。』ステージシリーズなどがある。また『仮面ライダー鎧武/ガイム』では、ザック / 仮面ライダーナックルとして出演した。

田渕法明(たぶち・のりあき)のプロフィール画像

● 田渕法明(たぶち・のりあき)
1983年10月7日生まれ。大阪府出身。BSP前作『新選組』では、第二話主演芹沢鴨を演じる。主な出演舞台にTHE PLAN9 15周年記念公演『ブルース』、砂岡事務所プロデュース『東海道四谷怪談』、『信長の野望・大志 ―夢幻― 〜本能寺の変〜』などがある。

山本誠大(やまもと・まさひろ)のプロフィール画像

● 山本誠大(やまもと・まさひろ)
1987年1月5日生まれ。愛媛県出身。BSP全作品に出演。前作『新選組』では、第一話主演近藤勇を演じる。主な出演舞台に、『信長の野望・大志ー夢幻ー 〜本能寺の変〜』、ミュージカル『悪の娘』、吉本新喜劇佐藤太一郎企画『夏の魔球’18』などがある。

石田直也(いしだ・なおや)のプロフィール画像

● 石田直也(いしだ・なおや)
1992年4月23日生まれ。兵庫県出身。BSP『零式』以降、全作品に出演。幼少期より様々なテレビ、映画で活躍。近年の出演作品に、日本テレビ『マジムリ学園』、WOWOWドラマWスペシャル『パンドラ〜永遠の命〜』、NHKドラマ10『女子的生活』などがある。

インタビュー写真

――― 『戦場の翼』は、2018年の『零式艦上戦闘機』を基軸にしているということですね。

田渕「去年の『零式艦上戦闘機』が短編集の三部作で、その一話の堀越二郎編と、山口多聞編はそのままで、三話だけ新作になります」

石田「僕が零戦を設計した堀越二郎を演じて」

山本「僕が艦長の山口多聞を演じています」

田渕「そして、今回の三話は、前回の三話とは違う話になるんですけど、松田岳が主演をします」

松田「僕は去年の『零式艦上戦闘機』には出ていなかったんです。前回の『零式艦上戦闘機』の三話は少年兵の話だったんですけど、僕がこんな大きいので少年はできないのかなって(笑)。」東京大空襲が舞台になって、僕はパイロットを演じます」

――― その中で田渕さんは。

田渕「僕も、ゼロシリーズが始まって、初めて出演しなかったのが『零式艦上戦闘機』だったんです。でも、『零式艦上戦闘機』のときは、全公演のアフタートークの司会をしていたので、全ての公演を観たり、稽古も見学させて頂いて、客観的なところからサポートするような立場だったかなと。今回はまたそんな立場で出演します」

山本「前作は、ゼロシリーズで初めて田渕さんやがっくん(松田)が関わらないということで、ふたりが出ていないからって面白くなかったとは言わせないぞって思いながらやっていました。がっくんにもよかったよって言われて」

インタビュー写真

松田「そやねん、もしかして僕が出てなかったから面白かったんかなって(笑)」

田渕「僕は、めっちゃ面白いけど、僕が出てたらもっと面白いやろなって(笑)」

石田「正直やなー!」

田渕「正直ちゃうわ! 今の嘘やで!(笑)」

――― 皆さんのボケと突っ込みぶりが出来上がってますね(笑)。堀越二郎と山口多聞を演じていかがでしたか?

石田「ゼロシリーズは零戦に関わった人たちを描いてるんですけど、堀越二郎はパイロットではなく、設計士の側の人間なので、別の視点からのゼロシリーズになったというか。堀越は、ただ性能のいい飛行機を作りたいという一心なのに、そのことが結果的に戦争を泥沼化させていってしまう。その葛藤を演じていました」

松田「この堀越二郎編の最初にライト兄弟が飛ぶシーンを再現しているところが好きなんですよ。有人の飛行機が初めて飛んだという清らかでまぶしいシーンから始まるのに、そんな飛行機が戦争で人を殺す道具になるという悲しさがあって。まっすぐな情熱と戦争の悲惨さという表と裏が描かれていて……」


インタビュー写真

――― 山本さんはいかがでしたか?

山本「1942年のミッドウェー海戦で敗退していく様子が描かれるんですけど、激動の話になっていて、負ける覚悟の中、乗組員がどんどん飛び立っていくのを見送る山口多門を演じるのは、もう苦しいというしかなかったです。でも艦長として泣いたり悲しんでいる姿は見せられないので、できるだけ笑顔で……」

松田「まーくん(山本)は、ゼロシリーズの全作に出演しているんです。ブルーシャトルのお芝居は、体でいろんなものを表現するんですけど、戦闘機をみんなの体で表現するときも、まーくんは、いろんなものを背負って戦闘機になっているなと思えて。その姿を見るだけでも、この舞台の見ごたえが感じられるかなと」

山本「そうですね。そうやって戦闘機とか船とかを体で表現することも、自分がこのシリーズに全部出てるからこそ、一緒に作っている仲間たちのぶんまで背負ってやろうと思って、練習してましたね」

――― 『零式艦上戦闘機』を観客としてご覧になっていかがでしたか?

田渕「初めて出演者ではなく客観的に観たんですが、エネルギッシュで、舞台にしかない熱量を感じました。いつもは、自分も出演しているので、舞台が終わってから映像でしか観たことなかったんですけど、実際に生身の人間が、体一つで表現するゼロシリーズの魅力を目の当たりにしました。観客として『零式艦上戦闘機』を観て、思いっきり泣きました。でも、悲しいだけの涙じゃなくて、明日への勇気ももらえるような涙でした」


インタビュー写真

石田「僕らはやっぱり戦争を知らないので、想像でしか演じられないんですけど、いろいろ聞いたり勉強したりしながらやっていました。ゼロシリーズでは、舞台に立つこと自体が、身も心も削られる作業なので、そこの部分と作品の中の登場人物が重なったら、いろいろ伝えられることが多くなるのかなと思っていました。やってるときは、必死で、もう突っ走っていたというか。だから全身全霊を注いで作ってきたシリーズの最新作もぜひ観てほしいなと思います」

山本「そうですね。今回の作品も外れは絶対にないし、必ず満足できる作品になると思うので」

松田「皆さん、いろいろ観劇されているとは思うんですけど、“こんな舞台があるんだ”と思える、舞台の経験を更新できる作品だと思います」

田渕「なかなか文字では伝えきれない作品なんですけど、このインタビューを見て興味を持ってくれたら、ぜひ劇場に足を運んでください」


(取材・文&撮影:西森路代)


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公演情報

「戦場の翼【大阪公演】」のチラシ画像
ブルーシャトルプロデュース
戦場の翼【大阪公演】


2019年7月5日 (金) 〜2019年7月7日 (日)
グランフロント大阪 北館4F ナレッジシアター
HP:公演ホームページ

全席指定:7,000円(税込)

詳細はこちら
「戦場の翼【東京公演】」のチラシ画像
ブルーシャトルプロデュース
戦場の翼【東京公演】


2019年6月25日 (火) 〜2019年6月29日 (土)
シアター代官山
HP:公演ホームページ

全席指定:7,000円(税込)

詳細はこちら