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川本 成・松村 優・石あかり

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舞台の裏側を描く人情喜劇がキャストを一新して再演決定!

舞台裏にも「スタッフ」という演劇人がいる。

2016年に堤泰之(プラチナ・ペーパーズ)の作・演出により初演。18年に時速246億の川本成が初の演出を手掛け、大好評を博した人情喜劇がキャストを一新、よりパワーアップして帰ってくる。初日を2日後に控えたスタッフルームで巻き起こる出来事とは?果たして新要素は追加されるのか?新キャストの松村優、石あかりと共に、本作の見所について川本に語ってもらった。

PROFILE

川本 成(かわもと・なる)のプロフィール画像

● 川本 成(かわもと・なる)
1974年7月13日生まれ、鳥取県出身。
欽ちゃん劇団1期生として在籍。94年あさりどとしてコンビを組み、CX『笑っていいとも!』9代目いいとも青年隊で注目を集める。07年〜演劇ユニット「時速246億」を主宰。舞台、声優、芸人ほか幅広く活躍中。近年の出演作に舞台『+GOLD FISH』、時速246億『ラビトン-rabbit on-』など。8月には『お静かにどうぞ』の上演が決定している。

石あかり(たかいし・あかり)のプロフィール画像

● 石あかり(たかいし・あかり)
2002年12月19日生まれ、宮崎県出身。
エイベックス主催のキラチャレ2014にてナルミヤオンライン賞を受賞し芸能界デビュー。同年のシンデレラオーディション2014でも準グランプリを受賞。2016年から2018年3月まで、ダンスボーカルグループ α-X’s(アクロス)の中心メンバーとして活動。2017年には「a-nation 2017」のオープニングアクトとしても出演。近年の主な出演作に、舞台「CRIMINAL」、「あたしをくらえ。」、「スリーアウト!〜ホームラン篇〜」、映画では「スリーアウト!プレイボール篇」(諸江亮監督)、「島々清しゃ」(新藤風監督)など。

松村 優(まつむら・ゆう)のプロフィール画像

● 松村 優(まつむら・ゆう)
1996年1月6日生まれ、奈良県出身。
2015年、BoysAward Auditionを経て芸能界入り。ミュージカル「テニスの王子様 3 rd シーズン」(大石秀一郎役)、「イケメン革命◆アリスと恋の魔法 THE STAGE Episode黒のキング レイ=ブラックウェル」(主演 レイ 役)、る・ひまわり「歳が暮れ・るYO 明治座大合戦祭」(内藤昌豊 役)、朗読劇「僕らは人生で一回だけ魔法が使える」(ナツキ 役)、舞台版「BLACK BIRD」(主演 烏水匡 役) 舞台「DYNAMIC CHORD」(Toi 役)などに出演。また俳優グループ「イケ家!」のメンバーとしても幅広く活動中。

インタビュー写真

開幕前からお芝居は始まっている

――― 大好評だった演目が再演となりましたね。

川本「昨年の上演では、僕にとってきちんとした形で演出に関わるのは始めての作品で、8ステージという短期でしたが、お蔭様で大好評を頂ました。今回は4本目の演出ということになりますが、戯曲としての作品力をあげたいという思いもあり、再演に至りました。初日を2日後に控えたスタッフルームでの出来事を描く作品なので、本番中もスタッフさんのいる傍でスタッフさんの役をやるという二重構造ですよね。

お客さんが入る前から舞台上で何か作業をしているなど、厳密に言えば、公演時間前から舞台は始まっているという感じです。仕込みの日はモノが散乱していて、そこからセットを作り本番を迎えていきます。こういう時どうしますか? スタッフルームにこういうものあったりしますか?と実際に聞いたりして色んな試みをやってみました」

―――新要素について教えてください。

川本「まだ全く考えていないです。メンバーも違うし、本もブラッシュアップしているので、新しいひらめきに対して、あまり初演の事を意識しすぎると、それを阻害するので敢えて手ぶらで行こうと。基本的にはその場で一番新鮮な状態にして考えようと思っていますが、きっと色んなことをやると思いますね」

松村「お話を頂いた時は率直にお面白そうだなと思いました。つい最近まで別の本番をやっていたのですが、台本を頂いて以降、ずっとスタッフさんの動きを目で追っていました。仕込み日を見させてもらったのですが、こんなに大変なのかと(笑)。本番に間に合わせるために、こんな苦労やスタッフさん同士の喧嘩もあったりするなど、通常僕達が目にすることはあまりないので、逆に新鮮でした。良い物を作りたいという強い意思を感じましたね。台本を読み終えてその光景を目にして、改めて感謝の気持ちが強くなりました。もっと謙虚にいこうかなと」

川本「今まで一体、どんな奴だったんだよ」(一同笑)

松村「いえいえ、謙虚な気持ちは持っていましたけど、もっと強くなったと言いたいんです。僕らは本番に集中しているので、準備が出来ていて当たり前という感覚もどこかにあったので、その影にはこんな苦労と人が関わっているんだという事を改めて認識しました」

インタビュー写真

石「初演のDVDを見せてもらったのですが、めちゃくちゃお面白かったです。だからこそ新キャストの私達がしっかりやらなきゃないけないなと思えたし、初演を観た方にもっと楽しんでもらえるように演じたいなという気持ちが強くなりました」

真剣なぶつかり合いだからこそお面白い

――― 松村さんが製作助手、石さんが音響助手を演じられますが、それぞれのお仕事についてどういった印象がありますか? また川本さんは演出をする上で、どの様な部分に注力していますか?

松村「製作助手は板ばさみだなと感じました。メイクさん、照明さん、美術さんの間に立つから、こっちの意見を通すと、今度はこっちが通らないみたいな。役者にもスタッフにも気を使う中間管理職と言いましょうか。その板ばさみの中で頑張っている一番しんどいポジションじゃないかと思いました。アポなしで面会にきた人への対応や、約束をしていた役者がその場にいないなど、咄嗟の判断力も必要だと感じました」

石「音響や照明は役者側からするとほとんど関わりがなくて、最後の打ち上げでお顔を拝見するという感覚です。でも台本を見て、この仕事も立派な作り手であるんだなと実感しました。ただ音を出す、光を当てるのではなく、ちゃんとした技術に支えられたこだわりと世界観があるんだなと改めて気付かされました。これから本職の方にヒアリングもしながら、作り手の思いも乗せてしっかり演じたいと思っています」

川本「正論どうしの真剣なぶつかり合いが面白いと思っています。ある意味どっちも間違っていないよなとお客さんが思ってくれるのが良くて、もの凄い真剣にもめている事に興味深さがあったり、時にはそれが笑いを誘ったり。でもそこには裏方さんの仕事に対する真剣さ、みたいなものが大事だと思っています。

でもあれですよね、なんだかこの世界には変な人も多いですよね。いい意味で破綻しているというか(笑)。1つの事をずっとやり続けてい ると、どこか頭のネジが飛んでいってしまうのでしょうか。でもそこには長年仕事をやられている信念みたいなものもある。両極端で面白い方が多いですねえ。実際にこの公演を支える本当のスタッフもお面白い方々に揃ってもらったので小さくまとまりたくはないなと思っています」

インタビュー写真

オチに至るまでが芸である

――― 前作を上回る出来を期待してしまいますね。川本さんが創作活動において大切にしていることはありますか?

川本「何度見ても面白い、ということには向き合いたいとは思ってます。例えば、落語の『饅頭恐い』だって、皆サゲを知っているわけですけども、それでも巧い方の落語は何度でも聴きたくなる。時代を超えて愛される名曲もそう。だから『この作品前観たからいいや』ではなく『また観たいな』になればいいなあと。僕自身もまたこの作品に向き合えるのですが、そのあたりも改めて新鮮に考えられればと思っています。

去年に初演出した時に、公演を観にいら した原作の堤泰之さんに『こういう切り口があるんだ』と言ってくださったことはすごく嬉しかったです。やっぱり堤さんにも、『今年も面白かったねえ』と言ってもらえるように頑張りたいですねえ。高卒の僕が、東大卒の堤さんに評価をしてもらうのですから、この世界は夢がありますよね」

皆で1つの作品を作っている事を知ってもらいたい

――― 改めて公演への意気込みと読者へのメッセージをお願いします。

石「今回は18公演もあるので、常に新鮮な気持ちで臨みたいなと。慣れって恐いじゃないですか。個性豊かな役者さんの中で、どれだけ川本さんの求めるスタッフ像を出せるかが勝負になるので、かなり気持ちが入っています。若さが皆さんよりもあると思うので、ぴちぴちの女子高生という若さを武器に頑張りたいですが(笑)、逆に子供っぽいお芝居はしたくないという気持ちは人一倍あるので、自分の奥底にあるものを出して臨みたいです」

松村「舞台の上でリアルに生きようかなと思います。その日その日に応じて、こっちのテンションや芝居を変えられたらスタッフさんとしてのリアルが出せるだろうし、全力でその場で起きていることを感じてやれたらなと思っています。こういうスタッフさんがいるから、僕達役者は全力で舞台に立てるんだと。皆で1つの作品を作っているという事を色んな人に知ってもらえたらなと思います」

川本「前回よりもロングランできるのでありがたいですね。僕は演劇をふらっと観に来てもらえたらなと思っていて、仕事が早く終わったから飲む前に友達誘って行こうとかという感覚で来てくれたら嬉しい。誰の事も知らなくても、お面白いということもあるので、気軽に来て欲しいです。フラっと入ったお店が美味しかったら得した気分になりませんか?そういう意味では飲食に近いかもと思っています。ですので、僕らはポッと来てくれた方に充実した時間を受け取ってもらうために頑張りますので、是非騙されたと思って遊びに来てください」

(取材・文&撮影:小笠原大介)

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公演情報

「バクステ!!」のチラシ画像
バクステ!!

2019年6月5日 (水) 〜2019年6月16日 (日)
赤坂レッドシアター
HP:公演ホームページ

16名限定!5,500円(全席指定・税込) → 4,200円さらに300Pゲット!

詳細はこちら
「バクステ!!」のチラシ画像
バクステ!!

2019年6月5日 (水) 〜2019年6月16日 (日)
赤坂レッドシアター
HP:公演ホームページ

全席指定:5,500円(税込)

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