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篠崎新菜・千綿勇平・中村公平

キメ画像1

女子高生の深層心理を鋭く描く3話のオムニバス

若手女優らが等身大で表現する心模様

若手女優による演劇集団、劇団ハーベストが古城十忍の名作戯曲に挑む。ダイエット、ピアス、ゲーム……。何かに駆り立てられるように、自らを変え、傷つける少女たちの深層心理を鋭く描いた問題作を、同世代ならではの感覚や視点でどう描くのか?第1話の主演を務める篠崎新菜と、第3話にゲスト出演する千綿勇平(劇団番町ボーイズ☆)、そして演出を手掛ける中村公平に見所を語ってもらった。

PROFILE

篠崎新菜(しのざき・にいな)のプロフィール画像

● 篠崎新菜(しのざき・にいな)
1999年5月31日生まれ。東京都出身。
劇団ハーベスト所属の女優として活動中。主な出演作に第14回公演『DOLL』(2018)。 客演では『溺れた女神、救うは奏で』(2019)で主演を務めた。

千綿勇平(ちわた・ゆうへい)のプロフィール画像

● 千綿勇平(ちわた・ゆうへい)
1991年7月19日生まれ。東京都出身。
劇団番町ボーイズ☆所属の俳優として活動中。主な出演作に第10回公演『クローズZERO』(2017)。客演では『OVER the WAVE』(2018)、『遥かなる時空の中で3』(2018)など。

中村公平(なかむら・こうへい)のプロフィール画像

● 中村公平(なかむら・こうへい)
1977年6月17日生まれ。神奈川県出身。
大学在学中より演劇研究会に所属し、俳優・演出家として活動を開始。卒業後、劇団レトロノートを旗揚げ。俳優として他団体への客演をしつつ演出としても様々な団体へ参加。現在は専門学校や芸能事務所での演技講師も多数担当し俳優育成に力を注いでいる。12年より、ソニー・ミュージックアーティスツで結成された演劇集団『劇団ハーベスト』のレッスン講師、演出を担当。

インタビュー写真

自由度がある分、すごく難しい作品

――― 15回目の公演は下北沢演劇祭(2月18日〜24日、下北沢小劇場B1)への参加作品ともなりますね。

中村「13回目の公演までは劇団ハーベストのオリジナル作品を上演してきましたが、去年夏の第14回公演『DOLL』(作:如月小春)では初めて既製の戯曲に挑戦しました。本作『肉体改造クラブ・女子高生版』は古城十忍さんの名作戯曲で、色んな場所でリメイクされ、書籍化もされているのできっと観た方も多い作品ではないかと。前情報がある方々が観に来るという前提で且つ、2000年に書かれた作品という事もあり、今の時代に近づけたハーベスト版として少しだけリライトをしています。

この作品は読み手の解釈によって、どの様にも見せ方を変えられる自由度が高い分、すごく難しい。どうハーベストで形作っていくかはまだ練っている最中です。下北沢演劇祭ではファンの方がいらっしゃる普段の公演と違って、演劇祭を目的に観に来るお客さんもいるので、違った層の方にも間口を広げるチャンスだと思っています」

多くの同世代にも観てほしい。U-20限定招待公演

――― 本作は明るくポップなチラシとは異なり、少女たちの深層心理を鋭く描く問題作だ。10代、20代の女優で構成される劇団ハーベスト所属の女優らにとっては等身大の表現が期待される。

篠崎「1話目の主役なので、どこまでお客さんを引きつけられるかも求められますし、強いダイエット願望を持つ『セリナ』という少女の葛藤をいかに繊細に描けるかが重要になってきます。同世代の女子としても可愛くなりたい、綺麗になりたいという願望は共通のものですよね。誰しもコンプレックスや変身願望というものは抱えているわけですが、そのもっと心の根深いところまで切り込んでいくのがこの作品だと思います。その分、自分との対話や葛藤などを映しだす深い演技が求められるので、自分にとっても挑戦だと思っています。演劇祭は目の肥えたお客さんも多いので、どういう切り口で見てくれるのかも楽しみです。

今回は特別に、プレビュー公演では20歳以下の方を招待しています。高校生割引、U25割引のチケットもあって、特に同世代の方にはよりこの作品を共感してもらえるのではという期待と、もっと演劇に興味を持って欲しいという意味も込めて設定させていただいたので、一緒に色んなものを共有したいですね」

インタビュー写真

コンプレックスは誰しもが持つ感情

――― 劇団番町ボーイズ☆の千綿勇平は劇団ハーベストへの参加は初。第3話で恋愛シュミレーションゲームに逃避する『さやか』が、心で作り上げた『達彦』を演じる。

千綿「ここ数年は男性ばかりの舞台に出ていたので、女の子だらけの舞台は初めてかもしれないです。正直、不安はありますね。稽古場の雰囲気は今までにない感じですし、この間の初顔合わせの時も思い切り人見知りしてしまいました(笑)。

ハーベストさんの舞台は1度観させてもらったのですが、まっすぐ心に刺さるお芝居がとても印象的で、そこに出させてもらえるのはとても楽しみですね。僕の演じる達彦はさやかが思いを寄せていながら、不慮の交通事故で亡くなってしまい、さやかが現実逃避の中で心に作り上げたモノなんですね。自分でない自分というか、他人が想像する姿を演じるのは難しいですが、現実逃避をしたい気持ちは誰しもある感情なので、観てくれる方の感情を揺さぶれるような役作りを試行錯誤しながらやっていきたいです」

10代、20代の“生”の感情を大切にして欲しい

――― 各所で様々な形でリメイクされてきた本作。劇団ハーベストならではの演出にも注目したい。

中村「キャストの皆さんには自分の心に嘘をつかないで演じて欲しいという思いが常にありますね。喜びや悲しみ、その場その場で生まれる“生”の感情をできるだけ出して欲しい。何十年も芝居をやっていると当然、技術はついてくるので、意外と見せられてしまうものですが、10代、20代ってもがきながら役を作っていくという一番人間らしいエネルギーが放出されるので、この作品は難しいけども、もがけばもがくほど、みんなの魅力がどんどん出てくると思うんです。原作の古城さんも高校生とワークショップをやっていますが、それも彼らの気持ちをどんどん引っ張り上げて作っていたと思うので、僕らも同じように心と心で対話しながら作れたらいいなと思います」

インタビュー写真

篠崎「『DOLL』の時も普段の稽古からディスカッションを大事にしていました。今回は劇団員の倍ほどのゲストさんと一緒に劇を作り上げていくので、より密なコミュニケーションが求められる気がしますし、議論を重ねて稽古していく中で、色んなものが学べそうな気がします。ゲストの方から学べる新しい考えや視点はきっとこれからにも役立ってくれるはずです。

本作はオムニバスですが、3話とも共通している部分があって、同世代だけではなくて、大人の方にも昔を思い出して感じてもらえる部分がきっとあると思います。こういう事あったなと。日常にある不安や悩みなど色んな側面を感じてもらえたら嬉しいです」

千綿「確かに話の内容は重いですが、ただ重いだけの作品にはしたくないです。読後感というか、観たあとに何かを感じ取ってもらえるようにしたいですね。観てくださった人が自分の中にある何かを引っ張り出せる作品になると思いますし、絶対してみせます!」

ガチな演劇集団が放つ異彩に注目して欲しい

――― 最後に読者の方へメッセージをお願いします。

中村「チラシもすごくポップな反面、中身は対照的ですが、エンターテイメントとして楽しんでもらえるものにします。どの話にも普遍性が貫かれていて、かつて高校生だった人たちにも『確かにこういう感じあったな』というところまで引き込めるような力強い作品にできたらいいなと。この本は約20年も支持されているわけですし、ハーベストがやるからこそ、もう1つ上の物に昇華させたいです。読み合わせした時も各自、かなり役にハマッていたので今から楽しみです。

やはり若い女子の劇団だと、どうしても色眼鏡で見られてしまいがちですが、結構ガチでやってきている子達なので、彼女たちの底力も伝えたいですね。演劇祭の中でも異彩を放つ1作にしたいです」

篠崎「ハーベストの公演で劇団員よりもゲスト数が多いという初めての演目です。そこで新しい劇団ハーベストを披露したいので、是非幅広い世代に観てもらいたいです。全力で楽しみながら良い物を作っていけたらなと思います」

千綿「演劇祭は下北沢の街全体で盛り上がるお祭りでもあり、演劇に興味ない方にも演劇のよさを知ってもらえるいい機会。ふらっと入ってもらった方にも楽しんでもらえる舞台にしていきます。自分はそこに力を添えられたらなと思います」

(取材・文&撮影:小笠原大介)

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公演情報

「肉体改造クラブ・女子高生版」のチラシ画像
劇団ハーベスト第15回公演
肉体改造クラブ・女子高生版


2019年2月18日 (月) 〜2019年2月24日 (日)
下北沢 小劇場B1
HP:公演ホームページ

全席自由(一般):4,000円
(税込)

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