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T1project

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人生は大変だけれど素晴らしい、生きていることの幸福を描くオリジナルミュージカル!

2019年平成最後の春に贈る、T1project最新作!

2001年にワークショップクラスとしてスタートし、多くの作品を上演してきた脚本・演出家友澤晃一主宰のT1projectが、『素敵な世界』『殺し屋は歌わない』に続いて放つオリジナルミュージカル第三弾『幸せな時間』が本多劇場で上演される。尾藤イサオ演じる引退間際の老漫才師が己の人生を振り返る中で、2019年、1980年から83年、1975年、1960年の四つの時代が交錯しながら、それぞれに関わった人々、新たな真実、そして幸せな時間が蘇る物語だ。そんなオリジナルミュージカルを共に創り上げるキャストを代表して、尾藤イサオ、咲山類、石川新太、今泉りえ、石原慎一の面々に、脚本・演出の友澤晃一、音楽監督の松本俊行が集い、新たな作品に臨む想いを語りあってくれた。

PROFILE

尾藤イサオ(びとう・いさお)のプロフィール画像

● 尾藤イサオ(びとう・いさお)
東京都出身。
1953年に曲芸師の鏡味小鉄に弟子入りするもロカビリーに魅せられ、1962年に「悲しき願い」が大ヒット。1970年にはアニメ『あしたのジョー』の主題歌で人気を集め、歌手活動と共に俳優としても才能を発揮。テレビ、映画、舞台と幅広い活躍を続けている。

咲山 類(さきやま・るい)のプロフィール画像

● 咲山 類(さきやま・るい)
和歌山県出身。
国立音楽大学音楽学部声楽科卒業。2007年よりDIAMOND☆DOGSのボーカリストとして加入。歌は勿論ダンス、芝居と多彩な経験を積み、ミュージカル作品でも主演を務めるなど才能を発揮している。近年の主な舞台作品に『Musical素敵な世界』、『WILDe BEAUTY』、『flamencoマクベス』、『Dramatic Musical Collection2018』、MUSICAL『アワード』、『ロイヤルホストクラブ』等がある。

石川新太(いしかわ・あらた)のプロフィール画像

● 石川新太(いしかわ・あらた)
神奈川県出身。
6歳から始めたタップダンスに非凡な才能を見せる中で、2008年ミュージカル『エリザベート』少年ルドルフ役でミュージカルデビュー以降、多くの舞台等で活躍。又得意の器楽演奏、作・編曲を取り入れたライブ活動、映像作品と活躍の幅を広げている。近年の主な舞台作品に『ジャージー・ボーイズ』、『マディソン郡の橋』、『レディ・べス』、『グレート・ギャッビー』、『ALTAR BOYZ』、『GEM CLUB』等がある。

今泉りえ(いまいずみ・りえ)のプロフィール画像

● 今泉りえ(いまいずみ・りえ)
東京都出身。
高校生で初舞台を踏み、NY短期留学後テーマパークシンガーを経て劇団四季に入団。『ウエストサイド物語』、『キャッツ』、『美女と野獣』、『ライオンキング』等大作ミュージカルに多数出演。退団後『ミス・サイゴン』、『レ・ミゼラブル』などミュージカルの舞台は勿論、シンガーとしてのソロライブ、MCなど多岐に渡る活動を続けながら、ボイストレーナーとして後進の指導にもあたっている。近年の主な舞台作品に『GODSPELL』、『カラフル』、『スター誕生』、『何処へ行く』等がある。

石原慎一(いしはら・しんいち)のプロフィール画像

● 石原慎一(いしはら・しんいち)
山梨県出身。
CMソングや戦隊シリーズの主題歌など、歌手として1万曲以上のスタジオレコーディングの経歴を持ち、俳優としてもブロードウェイミュージカル『RENT』本邦初演をはじめ、ミュージカルを中心に100作品以上の舞台に出演。ディズニー映画『ジャングルブック』『塔の上のラプンツェル』等、洋画の日本語版吹替えにも精力的に取り組んでいる。近年の主な舞台作品に『Musical素敵な世界』、『RANGER レンジャー』、『アイランド〜かつてこの島で〜』等がある。

友澤晃一(ともざわ・こういち)のプロフィール画像

● 友澤晃一(ともざわ・こういち)
東京都出身。
脚本家、演出家、演技講師。T1project主宰。ミュージカルの脚本・演出からストレートプレイ、ドラマまで幅広く手がける。主なドラマ作品に『長い長い殺人』、『浅見光彦〜最終章』、『アリよさらば』、『将太の寿司』等多数があり、著作の『演技核心論』、『演じる心、見抜く目』で演技論も展開している。近年の主な脚本・演出作品に『シーチキンサンライズ』、『Musical素敵な時間』、『Musical殺し屋は歌わない』、『缶詰工場の秘密』等がある。

松本俊行(まつもと・としゆき)のプロフィール画像

● 松本俊行(まつもと・としゆき)
千葉県出身。作・編曲家・キーボーディスト。ミュージカル、ダンス、ストレートプレイなど舞台公演の音楽を数多く手がける。昭和歌謡曲とプログレを融合させたユニット「千のアカシ」のメンバーとしても活動を展開している。近年の主な舞台作品に『Musical素敵な世界』、『Musical殺し屋は歌わない』、『缶詰工場の秘密』、『ドラマティック古事記』、『ドリアン・グレイの肖像』等がある。

インタビュー写真

尾藤イサオの歌の力が拓いたミュージカルへの扉

――― T1projectのオリジナルミュージカル第三弾にこの作品をと思われた構想のきっかけから教えて下さい。

友澤「僕はテレビドラマの脚本を250本、舞台の脚本・演出を60本近くやってきたのですが、そもそもミュージカルをやろう!と思ったのは、倉本聰さんに弟子入りした富良野塾を出てからテレビ局でADをやっていた時に、尾藤さんが歌っているのを生で聴いたことがきっかけだったんです。歌ってこんなに凄いんだ!と思った。25歳の時です。それから様々な作品を創り、数多くの人たちと出会ってここまで来て、今57歳なのですが、その中で痛感したのは、けっきょく人は必ず死んでしまうということでした。どんなに有名であろうと、凄い作品を残そうと死んで終わることに変わりはない。じゃあ何のために作品を創るのか?と言えば、色々なことに関わって自分がいかに幸せでいられるかがすごく大切だと思ったからです。そういう自分の人生哲学を詰め込んで、流れ過ぎていく歳月の中で、個人の幸せはどこにあるのか?を、尾藤さんを中心に描きたいと思いました」

――― 尾藤さん、ご自身が友澤さんにミュージカルへの世界を拓いたことについてはいかがですか?

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尾藤「今、初めてお聞きした話なので驚きました。30年以上前のことですよね?」

友澤「32年前です。僕がADの一番下っ端だった頃ですから」

尾藤「そこから今回初めて声をかけて頂いたんだなと思うと嬉しいですね。本も頂きましたが、これという事件が起こる話ではなくてね。そういう日常に根差した話は大好きなんですが、難しいですよね」

友澤「そうですね。難しいです」

尾藤「ですからこれからのお稽古期間で、皆様とどれだけ作っていけるかにかかってきますね。僕は漫才師の役ですが、僕自身最初は曲芸をやっていた寄席芸人でしたから、楽屋の雰囲気などはよくわかりますし、人間がとてもよく書かれている本なので、そういうところを出していければ良いなと思っています」

それぞれが演じる役から浮かび上がる主人公の人生

――― 皆さんの演じるキャラクターについて教えてください。

咲山「僕は尾藤さんと漫才師のコンビになる役柄を演じさせて頂きます。最初にお話を伺った時に「僕が尾藤さんとコンビ!?」とすごく驚きました。年齢差もありますし。勿論ご覧になって頂けるとその理由もわかってくるのですが、でも尾藤さんと僕の間にコンビとしての空気感が出ないとこの物語が成立しないので、そこが最も大きな課題になると思っています。でもそこさえできれば後は友澤さんの本の通りに演じていけば大丈夫だと感じられる、心にグッとくる素晴らしい作品なので、まず尾藤さんとコンビに見えるように努めていきたいです」

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尾藤「一杯飲みに行ったりもしましょうね!」

咲山「はい、ぜひ! 一杯でも、二杯でも!」

石川「僕はお二人のコンビの弟子の役です。いま台本を読みこんでいるところですが、読めば読むほど発見があって。まだまだこれから創っていくところなのですが、とても真っ直ぐな役で。ストレートな役って一番難しいと思うので挑戦ですし、大きな特徴としては唯一過去の時代には出てこない役なんですね。だからこそ他の登場人物の方達が、現在どう見えているのか?を表す役割りがあるので、考え過ぎずに真っ直ぐに演じたいと思います」

石原「僕はお二人のコンビの師匠の役になります。さっき咲山君は「尾藤さんとコンビ!?」とびっくりしていましたが、僕も「尾藤さんの師匠!?」と(笑)。そもそも尾藤さんに初めてお会いしたのは『アニー』の初演の時なんです。僕の歌の先生が訳詞を担当されていた関係で、資料としてナンバーを歌ったりコーラスのサポートをしたりしたのですが、その時ルースター役を演じられたのが尾藤さんで。そこから僕もミュージカルの仕事をしていくようになって35年になります。そんなミュージカルの大先輩と、後輩の咲山君の師匠役なので、この座組の中でも両方の世代の橋渡しをしていくような役割が出来たら良いなと思って楽しみにしています」

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今泉「そして私がお二人のコンビが所属しているプロダクションの社長役です。色々な時代が出てくる中でキーパーソンにもなる役で、重責を感じています。人生の中で心に刺さっている言葉って誰にでもあると思うのですが、この作品の中では尾藤さんの人生を左右していく言葉を伝える役なので、演じる人間としてその場面だけではなくて、彼の人生すべてと自分の役との位置関係を大切に、この物語の中で何を残す存在でいる必要があるのか?を考えていきたいです。また、こういう役柄は初めてで自分のキャラじゃないと思ったのに、オーディションで選んで頂けたことに驚きました」

友澤「いや、とても合っていると思った。今泉さんだけでなくて、尾藤さんはもちろん皆さん、今日ここに来ていない方たちも全員が物語の中で立つように、本人とキャラクターを突き詰めて書きましたから。ご本人が今までにない役柄だと思われていても、最後は絶対に合うように書いているので、それは楽しみにしていてください」

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ゲスト、キャスト、スタッフすべてが「幸せだ」と感じられる時間を目指して

――― オリジナルミュージカルの根幹を担うとも言える脚本家友澤晃一と作曲家松本俊行が、お互いに感じる魅力についてはいかがですか?

友澤「人の心を打つ、スッと感情に入ってくる曲を書ける人なんです。僕自身がゼロから自分の物語を創ることこそ面白いと思っている人間で、彼はそこに本当に粘り強く応えてくれる。前作の時などメインテーマ1曲を求めているところに30数曲も書いてくれたりもして。ですから僕としては本当に信頼している天才作曲家です」

松本「ぜんぜん天才ではないです(笑)。ミュージカルの作曲はやはり大変ですが、友澤さんが求めていらっしゃるところを理解するのは早くなってきたかなと。例えば奇をてらったり、ちょっと気取って書いた曲はすぐNGになるんです(笑)。本当に直球勝負でシンプルだけど芯の強い曲を書かないといけないので」

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友澤「シンプルで深いものを創りたいというのが、常にあるからね」

松本「今回は尾藤さんもおっしゃったように大きな事件が起こるわけではない中で、人の生き様が描かれているので、いかに「生きていることは大変だけれども素晴らしい」という核となるテーマを残すかを大きく捉えつつ、音楽で起伏を作っていきたいなと思っています。尾藤さんを始め、素晴らしいキャストがそろったので、そこはすごく楽しみにしています」

――― 演じる皆さんがオリジナルミュージカルに感じる魅力はどうですか?

咲山「前例がないのは大変ですが、やっぱり楽しいですね。自分が演じたものが正解になるわけだし、何のフィルターもかけずに澱みなく役に向き合えるので」

石川「僕は他の人が歌っているのを聴くと強烈に記憶が残ってしまう性質なので、誰も歌ったことのない曲を歌うのがとても嬉しいんです。そういう意味でも新作は大好きです。
松本 曲を書く人間としては歌ってもらってはじめて完成するので、そう思ってくれるのは嬉しいし、海外の曲だと日本語に訳した時に歌詞をハメる難しさがあるけれど、そこがスムーズに一致しているのがオリジナルの良さでもあるかな」

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今泉「日本語のために書かれた音楽ですから、本当に言葉とメロディーに違和感がないですね。特に今回のように原作もなく、すべてが友澤さんの頭の中から紡ぎ出されたものに、どれだけ自分のオリジナリティを加えて役を立ち上げていくかは本当に面白いです。きっと初日が開いても千秋楽まで模索し続けていくんだろうなと思います」

石原「僕は翻訳ものでもありがたいことに本邦初演に携わらせて頂くことが多くて、音楽と日本語の整合性をいかに取るかというスキルに悩みながら磨いてきたので、その楽しさも感じているのですが、やっぱり例えばブロードウェイものならオリジナルが出来上がるまでに数限りないトライアウトを経ていますよね。でもオリジナルはそれを今、この場で僕らがやっていく。その試行錯誤は大変荷が重いですが、でもだからこそ楽しみでもあります」

尾藤「皆さんのお話が上手いので圧倒されますが(笑)、この皆さんと共に、本多劇場にいらしてくださったお客様に「この作品を観て良かった」と、何かを心に持って帰って頂けるような作品にしていきたいです」

友澤「僕自身が一番幸せなのが、ゲスト、キャスト、スタッフすべてが「幸せだ」と思ってくれる瞬間なんです。その瞬間のために僕は舞台を創っているんだなということが、直近の三作品ぐらいでやっとわかった気がしているので、その幸せを感じるために書いたのが『幸せの時間』ですから、この作品を通してみんなが幸せになれると良いなと思っています。ぜひ楽しみにしていてください!」

(取材・文&撮影:橘 涼香)

公演情報

「Musical幸せな時間」のチラシ画像
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Musical幸せな時間


2019年2月27日 (水) 〜2019年3月5日 (火)
本多劇場
HP:公演ホームページ

S席:7,800円 A席:6,800円(税込)

※プレビュー公演
S席:6,800円 A席:5,800円(税込)

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