home  >  WEBインタビュー一覧  >  一ノ瀬京介・田野優花・菅谷哲也

PICKUP
一ノ瀬京介・田野優花・菅谷哲也

キメ画像1

シンギュラリティ(技術的特異点)をテーマに豪華キャストで綴るSFファンタジー

人工知能にまつわるさまざまな“哲学”が、ダンスや生演奏を交えたエンターテイメントに

立ち上げから1年数ヶ月で総来場者数4,600名を突破した新進気鋭の演劇団体サステナクリエーションファミリーが、新作『シンギュラ』を上演する。人工知能(AI)が人間の能力を超えることで起きる出来事=シンギュラリティ(技術的特異点)をテーマにした本作では、キャスト陣が15体のアンドロイドに扮し、人知を超えたテクノロジーが近未来の人間をどう変えるのか?を問いかける。繊細かつダイナミックな言葉の応酬と、ダンスや生演奏の融合が大きな見どころで、脚本・演出・振付を手がける主宰の一ノ瀬京介は「今までよりも自分のやりたいことに近づきそう」と意気込む。主演を務める元AKB48の田野優花と、メインキャストから菅谷哲也を加えた3人に話を聞いた。

PROFILE

一ノ瀬京介(いちのせ・きょうすけ)のプロフィール画像

● 一ノ瀬京介(いちのせ・きょうすけ)
1985年2月14日生まれ、東京都出身。
桜美林大学在学中に平田オリザとの出会いで演劇に魅了され、木佐貫邦子との出会いでコンテンポラリーダンスを学ぶ。卒業後は主に舞台・ ドラマ・映画などで俳優として活動するが、26歳で芸能活動を一時休止。多くの経営者の指導の下、数年間で3種類の事業を展開する。そこでの学びを活かし、本格的に創作活動を再開するため2017年に「サステナクリエーションファミリー」を発足。全公演で脚本・演出・振付を担当している。

田野優花(たの・ゆうか)のプロフィール画像

● 田野優花(たの・ゆうか)
1997年3月7日生まれ、東京都出身。
2011年、AKB48第12期生オーディションに合格。2014年、宮本亜門演出ミュージカル『ウィズ〜オズの魔法使い』で梅田彩佳とWキャストで主人公ドロシーを演じる。2017年にはブロードウェイミュージカル『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』にサリー役で出演したほか、映画『リンキング・ラブ』(金子修介監督)で主演を務める。2018年8月AKB48を卒業。その他、音楽朗読劇『ヘブンズレコード 青空篇』など出演舞台多数。

菅谷哲也(すがや・てつや)のプロフィール画像

● 菅谷哲也(すがや・てつや)
1993年7月28日生まれ、千葉県出身。
雑誌モデル、TVのリアリティー番組『テラスハウス』メンバーを経て俳優活動を開始。主な出演作品に、NHK連続テレビ小説『まれ』(2015年)、ドラマ『陸王』(2017年)、『下町ロケット』(2018年)、映画『不能犯』『となりの怪物くん』(2018年)、舞台では『タンブリングFINAL』(2014年)、『ロードス島戦記』(2017年/主演)、『KEIKI〜夏目漱石推理帳』、『DARKNESS GATE』(2018年)などがある。

インタビュー写真

今、舞台で上演する意味のあるテーマ

――― 前々作『ゴリアテ』、前作『サマエル』と旧約聖書のモチーフが続きましたが、今回は一転してAIに焦点を当てた作品ですね。

一ノ瀬「もともと、人工知能をテーマにした作品はやりたいと思っていたんです。ただ、映画なども含めてアンドロイド/SF系の作品がたくさん作られている中で、よくある感じになってしまうとあまり面白くない。でも今回は、良いタイミングで発想が降りてきました。そういう発想はいつ来るかわからないので、天に任せるという感じなんですけど(笑)」

田野「そうなんですか。台本を読ませていただいて、すごく考えて考えて……っていう感じで作られているのかと思いました」

一ノ瀬「違うんです。『シンギュラ』というタイトルだけは最初から決めていたんですけど、ストーリーはほんとに突然、“こういうものをやろう”というのがフッと来て。それがいつなのかも覚えてないくらい」

――― キャストのお2人は、オファーを受けてどう思いましたか?

田野「まず私はストレートプレイの舞台が初めてで、しかもいきなり主演で(笑)。台本を見たときは“こんなに文字が多いんだ!”って思いました(笑)。だから自分の中では、不安と楽しみが半々くらいですね。大丈夫かな?できるかな?みたいな気持ちが生まれたのは久しぶりです」

一ノ瀬「文字数で言うと、普通のお芝居の1.5倍くらいはありますね」

田野「そうなんですか!(笑)」

菅谷「そう、多いですね(笑)。僕はまず単純に、シンギュラリティをテーマにした舞台ということですごく面白そうだと思いました。これから人類の未来を考える上でひとつのキーワードになっているものをテーマにするという点で、これを舞台でやる意義、意味があるなと」

一ノ瀬「ありがとうございます」

菅谷「オファーをいただいたときには台本の序盤だけがあったんですけど、独特の近未来的案世界観が広がっていて、そこからどうなっていくんだろうという好奇心や興味が湧いてきました」

――― お2人ともアンドロイドを演じるのですね。

一ノ瀬「そうです。見た目は人間だけど、人間によって作られたアンドロイド。台本上では“知能体”と書いているんですけど、人間の記憶がインストールされているAIで、その記憶に影響されて、性格っぽいものとか価値観、自我がだんだん育っていく……というような感じです」

田野「AIを題材にしたミュージカルはやったことがあるんですけど(『DNA-SHARAKU』2016年)、そのときはほぼ人間だったので、今回は想像がつかないですね。すごく難しそう」

菅谷「台本を読ませていただいた印象だと、僕が演じるアンドロイドは誠実で好奇心旺盛で、だけど自分の考えと違う人に対してはある種排他的な面があったり、エゴが先走ったりするところがあって。そういう意味ではすごく人間っぽいなと思いました」

一ノ瀬「台本だけでそこまで理解してくれるなんて、すごく嬉しいですね」

田野「ほんと、すごい……」

――― いろいろ考えたくなる内容、ということでしょうか?

菅谷「そうなんです。掘っていくところが多いというか。すごく大変そうですけどね」

一ノ瀬「どんな分野のどんな話でも当てはめられるテーマですけど、入れ込みすぎるとわけがわからなくなっちゃうので、それをできるだけギュッと凝縮して、1つの物語に乗せていく形で作っています」

インタビュー写真

今まで以上に多彩な演出と、役者の芝居とのマリアージュ

――― サステナクリエーションファミリーの舞台は、演劇・ダンス・生演奏といったさまざまな要素を組み合わせて、より多くの人に届くエンターテイメントを目指しているのが特徴です。

一ノ瀬「今回は特にテーマが小難しくて堅苦しいので、演劇だけでやるとエンターテイメント性がなくなって、僕としては間口が狭まっていく感じがする。それは避けたいんです。ドラマの中にダンスや生演奏がマリアージュされているものを作りたいと思っていますし、劇場も今までよりはるかに広くなるので、演出的にもできることは増えるだろうと。プロジェクションマッピングとかも使って、今まで以上にお客様を違う世界へ連れていってあげられるんじゃないかと思っています。本当はこういうことがやりたかった、という形にかなり近づけられる気がします」

田野「過去の公演はDVDで観させていただきましたが、私が今までやってきた舞台はもう少し歌とダンス寄りだったので、今回は芝居を頑張らなきゃなって思いました。生演奏と一緒の舞台は過去にもやったことがありますが、当たり前ですけど演奏しているのは人なので、呼吸が合うとすごく気持ちいいですよね。やっぱり生演奏っていいなと思います」

菅谷「ダンスや生演奏、プロジェクションマッピングと、僕らの芝居がどんなふうにシンクロしてお客さんに届くのかなと想像すると、すごくワクワクするというか、高揚感がありますね」

――― 田野さんは主にミュージカルで、菅谷さんは映像も含めた俳優の仕事で着実にキャリアを重ねていますが、これまでの経験をどんなふうに活かしていけそうですか?

田野「今まで経験してきた舞台とか、やってきた芝居とかの知識を、いい意味で一旦リセットしつつ、周りの皆さんからも吸収しながら、柔軟にやろうと思っています。演じる役柄としては、今までけっこう芯の通った役をやってきていて、自分と似ている部分があると思うんですけど、一ノ瀬さんからは今回もそういう役柄だとお聞きしているので、そこの根本は曲げずに臨みたいです」

菅谷「アンドロイドという役柄に対して、どういうふうに自分の人生を重ねていったらいいのか、どうやって共通点を見つけていったらいいのか……そんなふうに悩む時間がすごく長くなりそうです。ただ俳優としては、初めての役でもありますし、悩みや苦戦する時間も含めて、本番を終えるまでのプロセスがすごく楽しみですね。今までの何を活かせるかというより、新しく何と出会えるかの方が大きいと思っています」

――― そんなお2人に対して、一ノ瀬さんから期待するものはなんでしょうか?

一ノ瀬「このお2人だけの会話のシーンがけっこうあるんです。2人だけの掛け合いから生まれてくるものを手掛かりに書いた部分も多いので、他のアンドロイドとは別の、ここだけの関係性が見えてくるといいなと思っています。もちろんアンドロイドなので人間ではない設定ですけど、相手に対する興味や関心が少しずつ芽生えてきたり、これは恋愛感情なのかなって一瞬思わせられるような瞬間を見せることができたら面白いんじゃないかと」

インタビュー写真

予備知識は必要なし。まっさらな気持ちで観ていただけたら

――― そして、キャスティングの層が厚いのもサステナクリエーションファミリーの特徴です。

田野「12月の『ダンスカンタービレ2018』でご一緒した森新吾さん以外は、みなさん初めての方ばかりなので、本当に未知ですね。楽しみです」

菅谷「僕もみなさん初めましてなので、どういうコミュニケーションをしていけるのか、特殊な役柄に対してみんながどういうものを持ち寄るのか、すごく楽しみです」

一ノ瀬「僕たちはプロデュースユニットなので、毎回全然違う顔ぶれが集まっているのが特徴なんですけど、たぶん僕の性格が出ているのか、めちゃくちゃ仲良くなるんですよ。これ大丈夫か?っていうくらい」

田野「どういうことですか?」

一ノ瀬「ダレるんじゃないか?っていうレベルで仲良くなっちゃう(笑)。たぶん今回のメンツもヤバいと思います。終わった後の飲み会の様子が今から想像つくというか、テンション的にヤバいだろうなっていうメンツですね。もちろん、ちゃんとON/OFFができて、やるときはやる人たちばかりなので、楽しみにしてもらえたら(笑)」

――― それでは、公演を楽しみにしていらっしゃる方々に向けて最後にメッセージをお願いします。

田野「まず、初めてストレートプレイの舞台に立つ姿を、ぜひ見てほしいです。あと、去年の夏にグループを卒業したんですけど、今まで舞台とかグループを離れたところのお仕事は、いつも大きな肩書きを払拭したいという意気込みでやってきたので、そこは変わらずにありますね。とにかく、イメージを覆したいです」

菅谷「台本を通して僕が思ったのは、要所要所にさまざまなメッセージだったり、今人類が直面している問題だったり、これからの人類が直面していくであろうことへの問いかけやメッセージが溢れているということ。そしてもう1つ、あらゆるシーンで、ディベートの要素がすごく強いと思ったんです。実際にそういうシーンもあるんですけど、その議論にお客さんを巻き込んで、しっかり問いかけていける舞台にしたいと思います」

一ノ瀬「今までの公演を観てくださっていて、僕たちの世界観とか作風をご存知の方たちは、今回も頭を使って観るぞって(笑)身構える感じになっちゃうかもしれませんが、できれば気楽に来てほしいなという気はしています。ただ2時間座って、何も考えずに観てもらった方が、届けたいことがストレートに届くんじゃないかと。それこそ人工知能とかAIに関する知識、教養みたいなものもなくていい。まっさらな状態で、目の前で起こるドラマと、視覚的なエンターテイメントを純粋に楽しんでいただけたら嬉しいです」

(取材・文:西本 勲 撮影:友澤綾乃)

キメ画像2

公演情報

「『SINGULAR−シンギュラ−』」のチラシ画像
サステナクリエーションファミリー vol.5
『SINGULAR−シンギュラ−』


2019年2月14日 (木) 〜2019年2月17日 (日)
全労済ホール/スペース・ゼロ
HP:公演ホームページ

サステナシート:7,500円 ※非売品特典付
一般席:6,500円
(全席指定・税込)

詳細はこちら
サステナクリエーションファミリー vol.5 『SINGULAR−シンギュラ−』

2019年2月14日 (木) 〜2019年2月17日 (日)
全労済ホール/スペース・ゼロ
HP:公演ホームページ

14名限定!一般6,500円 → 5,200円さらに400Pゲット!