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しまぁ〜ん共和国

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芳本美代子・小沢真珠のW主演で贈る、しまぁ〜ん共和国本公演10回目公演!

面白いコントはお芝居がうまい人でないとできません。 あ、でもコントじゃないです。あくまでもコメディですから

 お笑いコンビ「ツインカム」で活躍した島根さだよしが主宰する劇団、しまぁ〜ん共和国。2013年の旗揚げ公演以来、本公演だけで既に9本の作品を発表しているというからなかなか良いペースだ。そして節目となる今回の公演が『鬼だけ殺っしアムッ!』。
 これまでも知名度の高いキャストを主演においてきた島根だが、今回はアイドルとして一世を風靡、そして現在は実力派女優として活躍する芳本美代子と、昼ドラマで見せた迫力の演技で社会現象まで巻き起こした小沢真珠のふたりが参加。大物女優を据える理由はなんなのか。そのあたりから主宰の島根と大物キャストである芳本と小沢に話を聞いた。

PROFILE

島根さだよし(しまね・さだよし)のプロフィール画像

● 島根さだよし(しまね・さだよし)
しまぁ〜ん共和国主宰。芸人として1993年にツインカムを結成。2000年、NHK爆笑オンエアバトルで10戦10勝のパーフェクトを達成し、その後のチャンピオン大会では準優勝に輝く。2001年の解散後、映画・ドラマ・司会を中心に俳優として活動し、2009年からは演劇の作・演出や、イベントやテレビなどの作家などの制作にも携わっている。2013年10月に劇団を旗揚げし、現在までに9作品を発表。

芳本美代子(よしもと・みよこ)のプロフィール画像

● 芳本美代子(よしもと・みよこ)
女優・歌手として活躍する、80年代を代表するアイドル。子供の頃から歌合戦などで注目され、中学生で参加した放送局主催のコンテストをきっかけにスカウトされ、1985年に歌手デビュー。多くの歌謡祭などで新人賞を受賞するなど、アイドル全盛時代に活躍。その後、女優としても開花し、90年に受賞したゴールデン・アロー賞・演劇新人賞をきっかけに、女優としての活動も盛んになっていく。しまぁ〜ん共和国の舞台には2017年から参加。

小沢真珠(おざわ・まじゅ)のプロフィール画像

● 小沢真珠(おざわ・まじゅ)
女優。1993年に高校生でスカウトされて芸能界入り。同年ドラマデビューして95年には『ろくでなしBLUES』で映画デビュー。97年から98年にはNHK連続テレビ小説の57作目『甘辛しゃん』に出演。1998年には中島らも作『こどもの一生』で初舞台。芳本美代子とはここで初共演。その後もテレビ、映画、舞台その他で活躍するが、2004年の昼ドラマ『牡丹と薔薇』での強烈な役柄が世間で話題になり「昼ドラの女王」との称号を受けるまでになる。しまぁ〜ん共和国の舞台に今回初参加。

インタビュー写真

――― 今回のキャストは、本公演10回という節目を意識されてのものですか?

島根「それもありますが、劇団と言っても僕一人でやっているので“ドン”と軸になってくださる方が欲しいんです。しかもウチはコメディなんですが、正直なところ男性には難しいところがあったり、うまくハマらない事が多いという意識があるんです。さらに、これは僕の私見ですが、本当のコメディはできる人とできない人がいると思うんです。でもこのおふたりは絶対「持ってる」人ですから大丈夫です。小沢さんは初めてですが、もう構想はありますから」

芳本「本当にここ(インタビューの場)で初対面?(笑)。私は3作目だけど」

小沢「そうなんです。初めまして(笑)」

島根「実は昨年の公演でもオファーしていたんだけどご都合が合わなくて実現しなくて。だから今回ようやく念願叶ったというところですね」

芳本「それで?台本はまだ?」

島根「もちろん仕上がっていません(笑)」

芳本「失礼だよねー。真珠ちゃんが不安になるじゃない(笑)。島根さんの舞台はコメディと言ってもコントも含めなので、なかなか手厳しいですね」

小沢「コント、なんですか?」

島根「いやいや、コントじゃないです。ほら不安になっちゃうじゃないですか。コメディです(真顔)」

芳本「ちょっとコントの要素が強いのよ。関係ないところで突然キーワードが出てきたり。私が最初に参加したのはサスペンスなのに怖さの中に笑いがあるというような。対照的なことを組み込んでくるから切り替えが難しい」

島根「コントってお芝居だと思うんです。面白いコントはお芝居がうまい人でないとできない。どっちにしても演じる事なんですよ。でもコントじゃないです(笑)。ストーリーがない劇団みたいに言うのやめてくださいよ(笑)。コメディタッチですから。“真剣の中に笑いがある”ですね。でもそれが楽しいし、お客さんを飽きさせないというのはそういったことかなと思っています」

小沢「はい。ところで島根さんとは初めてですが、芳本さんは初舞台で大変お世話になった大先輩で、凄く久しぶりなんです」


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――― いつ頃のお話ですか?

小沢「二十歳の頃です。『こどもの一生』でした」

芳本:それも中島らもさんの舞台で、ミステリーなんだけどコメディなの。その時にイカれたナース役で(笑)。私はアイドルだけどもうだいぶ廃ってきて、出演しても死体役ばかりのアイドル役(笑)」

小沢「その後ドラマでもご一緒しましたね。確かナースの話(※『ナースマンがゆく』2004年)でした」

島根「ナースばっかりですね(笑)」

小沢「初舞台で右も左もわからないから凄く緊張してました。稽古中も大変だったんだけど、本番に入ったらこのチームがまた毎晩飲みに行くんです。古田(新太)さんとか。それにはつきあえたもので(笑)」

島根「そもそも女優さんって芯が強い人たちだと思うんです。色々なことを勝ち抜いてきた人達ですからね。さらに軸がぶれていない女優さんは凄く素敵だと思っているのですが、小沢さんも芳本さんもそのタイプですね」

芳本「さらに真珠ちゃんは潔いタイプだよね」

島根「基本的に僕はアテ書きするタイプで、役者さんの個性に合わせて組み立てていくんです。だから「歩」ではなくて役割のある「駒」になる役者さんがどれだけ集まるかで決まります。そこで僕の勘ピューターが動くんですね。だから進めていくうちに自分で結末がわからなくなることがあります。ともかくいえるのは、コントじゃないです(笑)」


インタビュー写真

――― コメディ、なんですね。小沢さんはむしろ直球の舞台が多い気がしますが、ジャンルに合わせて向き合い方を変えたりするんですか?

小沢「コメディだから、シリアスだからといって態度が変わることはないですね。でも(今回は)まだ台本ができていないので(笑)」

芳本「面白いの書いてね(笑)」

島根「僕のは「起承転結」ではなくて「起承転転結」なんですね。それがうまくいくと面白いなあと思えるんだけど、どう展開するかはいかんせん書いてみないとわからないから(笑)、でもお二人に絶対頼っちゃうでしょうね。ここをドンドン面白くしようと」

――― こんな調子ですが、芳本さん慣れていらっしゃる。もうベテランということですね。

芳本「いやいや……私も島根さんとの初対面がインタビュー取材の時だった(笑)。今の真珠ちゃんと一緒です」

島根「本当に美代子さんは素晴らしいですよ。何がすばらしいかはちっとも覚えていないんですが(笑)」

芳本「浮かばないんかい(笑)」

島根「だって新人さんとかに対して、自主的に稽古場に誘って稽古時間前に練習したりしてくれるんですよ。僕が行く前とかに。本当に鏡ですよ。なんの鏡だかはわからないけど(笑)」

――― この調子だと相当面白い作品ができそうですね。期待してます!台本はまだということですけど(笑)。


(ヘアメイク:高橋慶光/取材・文&撮影:渡部晋也)


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