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ゲキジョウ!

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観客が直接物語に介入!幾重にも分岐するストーリーは必見!

――運命(シナリオ)を拒絶しろ! 壮大な銀河物語の第二章が開幕

 観客(スペクテイター)が当事者となって、直接物語に介入する“アトラクティブシアター”をかかげる劇団ゲキジョウ!の第二弾が間もなく上演される。前作で宇宙へと旅立った宇宙旅客機のクルー達。本作では地球と自身の存亡を分ける究極の選択を迫られる中、地球到着前に船を沈没させようとする第1弾のキャラクターと、それに抵抗する第二弾の主人公たちの対立と葛藤を描く。
 本作品の目玉は何と言っても、観客が事前に投票したルートによって、その後のストーリーが変わっていくシステムを採用している事だ。キャラクターを生かすも殺すも観客の選択次第で、完全攻略には相当の考察力が求められる。マルチエンディングとは少し違う、観客参加型の舞台の魅力をメインキャストに語ってもらった。

PROFILE

黒貴(くろたか)のプロフィール画像

● 黒貴(くろたか)
6月3日生まれ。鳥取県出身。出演作にドラマ『失恋ショコラティエ』、『ミス・パイロット』、映画『アイドルセブン〜深夜駆け込み〜』などがある。2018年は舞台『マーカライト・ブルーブレシド』、『信長の野望・大志-春の陣-』などがある。

松田浩毅(まつだ・ひろき)のプロフィール画像

● 松田浩毅(まつだ・ひろき)
1月14日生まれ。福岡県出身。出演作にドラマ『弱虫ペダル〜Season2〜』、舞台『DOG’S2017』、『鬼斬ZERO』などがある。2018年は舞台『リスポット!!』、『ファントム・チューニング外伝』をプロデュース。

舞川みやこ(まいかわ・みやこ)のプロフィール画像

● 舞川みやこ(まいかわ・みやこ)
2月19日生まれ。東京都出身。出演作に『鬼斬 -the Powerful Performance-』、『アリスインデッドリースクール・ノクターン』、『殺し屋と悪魔』、『音楽劇ヨルハVer1.2』、『Wake Up Girls! 〜青葉の軌跡〜』などがある。

琉河 天(るかわ・てん)のプロフィール画像

● 琉河 天(るかわ・てん)
11月25日生まれ。東京都出身。出演作にLIVEDOGプロデュース『DOG’S2017』、アリスインプロジェクト『ゼロヨンヨンの終電車2018』、Enthena PLAY UNION第七回公演『赤い絆の橋の上、ここからはじまる時のコト』、『ユキドケムスメ』などがある。

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演じる方も予想外の展開「同じ日は全く無かった」

――― 前作で主人公とヒロインを演じたお二人ですが、お客さんの反応はいかがでしたか?

松田「お客さんがお芝居の当事者となる事がかなり斬新だったようでで、多くの人達から『謎解きみたいなゲーム感覚で、今まで観た中で一番楽しめた』と言ってくれたのは嬉しかったですね。台本を買われていく方もいたぐらいストーリーも良く出来ていると感じました。演じる側もエンディングの着地が違うので、そこまでの過程もちょっとずつ変わるんですよ。本番前に今日は○ルートですと教えてもらって、“ああ今日俺死ぬのか……”と(笑)。ならばこう変えてみようかと、同じ日が全く無かったですね。その分体力は使いましたが」

琉河「観客の方の『この子を生かしてあげたいので、考えて投票しました。かなり熱くなれました』という反応が嬉しかったですね。ツイッターでもハッシュタグをつけて、全員救うためにはという考察を上げてくるすごい方もいて、皆さんすごく楽しんでくれたんじゃないかと思います。私が死ぬルートがすごく予想外で。シナリオ頂いた時に”え、こんな死に方するの?”って私も驚きました。また前作では日替わり要素もあって、選択肢の中に「一発芸」や「家族からの手紙を読まれる」という罰ゲーム的なものもあったりして(笑)」

松田「手紙はガチでしたね。こっちはその内容を一切知らないので、本番で“うわ!こんな情報キタ!”みたいになって、ある意味、素のリアクションを楽しんでもらえたと思います。役者も油断できないですよね(笑)。でも全体的にはシリアスなお話なので、ちょっと笑えるスパイスの様な効果もあると思います」


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お客さんはゲームのプレーヤー感覚

――― 本作が初演となるお二人にとっては?

黒貴「最初にこのストーリーを聞いた時はクレイジーだなと。オファーを頂いた時に、ストーリー分岐があると聞いていて、今までもマルチエンディングの作品は経験あったので快諾したんですけど、詳しく聞くとアトラクティブシアターと謳うだけあって、観客の投票でどんどん分岐すると。しかも2択どころでなく、5〜6択もあって、おかしいでしょ。稽古どれだけやっているんだと(笑)。それを聞いて恐ろしさ半分、楽しみ半分という感じがしましたね。試みとしてはすごく面白い。逆に挑戦のしがいがありますね」

舞川「第一弾を観劇したのですが、観客参加型なので、舞台が始まる前から客席が温かい感じがしました。ゲームのプレーヤーの感覚というか、一緒に作品を作っている感覚になれますね。
本作では初対面の人に自分から告白するようなとんでもなく積極的なヒロインの役を演じます。ヒロインは相手から好かれることが多いと思いますが、自分からガツガツいくタイプなので、ヒロインらしくないヒロインという印象を持っています。ある秘密を持っているのですが、存在感もあるので、お花の様な、その場にいるだけで場がなごむような癒しの存在として作っていけたらと思います」


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キャラクターによって異なる“夢”の捉え方

――― 本作では“夢”がテーマになっています。

松田「自分が演じる1作目の主人公ソラには未来が無いんですよ。彼の夢は昔に戻ること。夢も希望も過去にしかないというどこか根に暗い部分があって、それを1作目では周りを心配させないように努めて明るく振舞っていました。どこか共感できる部分はありますね。僕も現実的なところがあって、個人的には達成できない事は夢とは言わないと思います。現実と両立できるものを夢だと思っています」

黒貴「僕は逆に”○○王に俺はなる!”じゃないですけど、でっかい夢をどんどん口に出して言うようにしています。言えばなんとかなるだろうという感じで。逆に自分から言う事で退路を絶つことにもなります。今回の主人公となるレニーは正義感が強くて喧嘩っ早い熱血タイプ。自分は学生時代、ハンドボール部で部長としてチームを引っ張っていたので、後輩を一番に考えるというモットーが染み付いています。そこから正義感というものは引っ張ってこれそうかなと思っています」

舞川「私が夢は叶えるもの、達成するものというイメージがあります。自分が演じるエリサは歌手になるのが夢。私自身も今年に入って歌のお芝居が続いているので、もっと頑張らなきゃと必死で練習しています。頑張ってエリサの歌手になる夢を叶えてあげたいですね」

琉河「前作のヒロインであるニコは自我のないキャラクターで、親友を見殺しにしてしまう立場なんですね。それでやっと誰かを救いたいと思うようになって、今作でやっと自我が芽生えて初めて夢というものを持つようになります。まるで生まれ変わったぐらいの成長を見せるので、応援してあげたいなと思ってもらえるようにニコを作っていけたらと思います」


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前作から引き継がれる根幹。公式ツイッターも要チェック!

――― 改めて今作の見所と読者へのメッセージをお願いします。

松田「第一弾とキャラクターの根幹が一貫しているという所を強調したいですね。ルート分岐後もなぜそうなった?という所にキャラクターの持つ深層心理みないなものが反映されていると思います。でもあまり前作に引っ張られ過ぎない様に、初めて観に来てくださる方にも楽しんでもらえるエンターテイメントにしていけたらと思います」

黒貴「今回のテーマの1つである、夢があるからエンターテイメントは成立すると思っています。観に来てくださったお客さんには、登場するキャラクターが懸命に生き抜く姿に、何か夢や希望みたいなものを感じて帰っていただければ嬉しいです。アトラクティブには魅力的なという意味があります。是非、当事者として楽しみに劇場に来て欲しいです」

舞川「決してポップなお話ではなく、シリアスな場面も多い作品ですが、登場人物が皆個性豊かで、きっと共感できるキャラクターに出会えると思います。お客さんも乗組員のメンバーになった気持ちで一緒に作品を作っていけたらと思います」

琉河「ニコは他人任せで、絶対に自分からは動かない、背中を押されないと動くこともできないという子でしたが、今作ではどうやって自分から動いていこうとするのか、この子の芯がどうのように作られるのかという部分は見所ですね。あと、お客さんそれぞれの“推しキャラ”を見つける事も楽しみの1つです。公式ツイッターにもヒントが隠されているので、公式とキャストのツイッターは見逃せませんよ。ハッシュタグをかけると前作の考察も見られるので、予習をして観に来てくださったら嬉しいです!」


(取材・文&撮影:小笠原大介)


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