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杉浦タカオが主宰・脚本を手掛ける新感覚ファンタジー・エンターテイメント『SEPT』。音楽と芝居のコラボレーションをテーマに生バンドによる歌やダンス、殺陣、アクロバットなどをふんだんに取り入れた演出でライブハウスからスタート、数々の作品を届けてきた。中でも『SANZ』は2016年に誕生した再演の声が多い人気作品、シリーズ続編が決まった。
● 椿隆之(つばき・たかゆき)
1982年6月28日生まれ、千葉県出身。
『仮面ライダー剣』主演で注目を集め、ドラマや映画、舞台など幅広く活躍中。近年は美容家としても活動を始める。
● 大崎捺希(おおさき・なつき)
1995年8月4日生まれ、熊本県出身。
多数の人気舞台やドラマ、イベントなどで活躍中。3/8〜ミュージカル『少女革命ウテナ』他出演が控える。
● AKIRA(あきら)
2月15日生まれ、千葉県出身。
バンドDISACODEのボーカルの他、ソロアーティスト、男装モデルや舞台出演など幅広く活躍中。代表作に舞台『ヴァンパイア騎士-Revive-』テーマソングなどがある。
● 杉浦タカオ(うぎうら・たかお)
1983年2月28日生まれ、大阪府出身。
舞台やドラマ、映画に出演する他、音楽と芝居のコラボユニット「SEPT」シリーズで主宰・脚本を手掛けるなど幅広く活躍中。
前作を越えてこそ続編、盛り込み要素は前回よりも倍ぐらい増えている
物語は現世とあの世を分ける境目にあるとされる世界「SANZ」(三途の川)を舞台に、不慮の死を遂げた人々が導かれ、「試練」と音楽を用いた「気づき」を与えられ、もう一度現世へ帰る準備をする。そして下される審判とは!?
杉浦「SEPTは5年目を迎えました。音楽と芝居の融合を掲げ、歌あり芝居あり生バンドで演奏、そしてダンスと殺陣などをふんだんに盛り込んだ、基本的にはエンターテインメントの集合体がコンセプトです。今作は『SEPT Vol.6〜SANZ〜』の続編なので、椿君と僕は同じ役どころで登場しますが、ほぼ新キャストで劇場も新宿村LIVEから博品館劇場へ場所を移し、初演から少し時間が経過している世界をお送りします」
――― 前作との違いは?
杉浦「演出を山田英真さんにお願いしておりまして、前作を越えてこそ続編だと思っているので、盛り込み要素は前回よりも倍ぐらい増えていると思います」
椿「僕は引き続き全知全能の神オーディン役を演じます。前回と同じセリフがありますが人ではない役は何回演じても大変ですね」
杉浦「椿君はSEPTでは全作品に神様の役で出演しています!」
椿「神なので人間に対して上からの発言をします。感情のバランスをどうとれば役どころに持っていけるか悩める今日この頃です(笑)」
――― 杉浦さんは役をあて書きするそうですが椿さんの役も?
杉浦「はい、椿君は突然真意を掴んでくるというか、大事な言葉をぽんと発言したりするそういう部分がとても役にハマるなと思っていて、それを生かした役どころになっています」
椿「本当はすごく役で遊びたいんですけど遊べる役ではないので、演出の山田さんと相談しながら神様を作っていけたら」
大崎捺希とAKIRAは初出演となる。音楽やダンスなど一芸を大事にしている作風から、2.5次元作品で人気の大崎と、舞台やライブで活躍中のAKIRAの存在に期待が膨らむ
杉浦「音楽の部分をできる方、芝居がしっかりしている方にそれぞれ出演をお願いしています。2人の役割は不慮の事故にあった人たちをSANZに招き入れ、そこで「試練と「気づきを与えて現世へ返していく、それが彼らの役目です。その役目をこなしながらも彼らも実は試練中の身、なかなか深い役どころです」
――― 脚本の印象や役どころについて教えてください
大崎「僕の役はSANZで働いている、とても真面目でその真面目さが空回りしているような、ちょっと面倒くさがられるクセの強いキャラクターです。この作品のテーマは“気づき”です。見ている人の背中を押す勇気ある言葉があるので、この作品を通して明日も頑張れる人生の糧になるような意味を持つ作品になると思っています」
AKIRA「何か過去に大きなものを抱えていて、そのせいでSANZで働いている女性を演じます。過去を考えながらこの先自分が生きる意味も考えさせてくれる作品だと思っています。ハッとするセリフも多くて大事に演じていけたら」
――― もちろん2人の得意分野が見どころに?
杉浦「はい、AKIRAさんはかなりガッツリ歌います!」
AKIRA「そうなんです!嬉しいです!」
杉浦「ダンスバトルもののエピソードがありまして、そこで歌って頂きます。僕は脚本のセリフと同じくらい歌詞も大事だと思っていて、歌詞の中で主人公たちに“気づき”を与える、方向を間違わずに進んでいけるような歌詞をしっかり歌ってもらおうと思っています。そのシーンは大崎君も参加していて……」
大崎「楽しみですね!近年は殺陣がある芝居に縁があります。今作でも……?」
杉浦「歌とダンスと楽曲に合わせて殺陣をするシーンに挑戦してもらうので、そこが見どころになると思います。本作は本編(メインストーリー)とオムニバス(短編)で構成されています。オムニバスにそれぞれ主役が存在し、それらのエピソードを絡めてメインに戻っていく構成です」
この作品の醍醐味として生バンド演奏が存在する。生バンドの見どころとは
杉浦「一番重要なシーンで演奏し生歌を披露します。演奏者はオーケストラピットではなくてちゃんと役として存在します。歌い手の方はとても重要なシーンで歌うので、AKIRAさんにもバンドを背負って歌ってもらいますよ!全部オリジナル楽曲になりますのでお楽しみに!」
AKIRA「楽しみです!ライブハウスではバンドで歌いますが、お芝居の舞台上で生バンドを背負うことはなかなかないですよね」
――― その生バンドで大崎さんはアクションをされると?
杉浦「はい!」
大崎「あるんですね!嬉しい!」
杉浦「ここは大きな見どころになると思いますのでお楽しみにしていてください。この作品の中での殺陣は誰かを殺すための闘いの殺陣ではありません」
椿「感情というか、心のシンクロだよね」
杉浦「いい事を言ってくれた!闘いを見せたいのではなくて、殺陣で感情を表現しているイメージです。さすが神様!心のシンクロです!エピソードによってお話の要素が全く変わり、ダンスバトルものや青春もの、感情の具現化した世界など、様々なドラマを用意しています。3パターンあり日替わりでエピソードが変わるので、どのパターンを見ても違う答えが出て、感じ方が変わるようになっているので何度も楽しめる作品になっています」
椿「初演では泣いているお客さまがいたよね」
杉浦「僕の作品は全てハッピーエンドにするポリシーがあります。死を扱うお話なので、より丁寧に扱っていきたいなと。みんな現世に戻って行くお話、皆様の生きる力になればいいな」
椿「実はそこに少しだけコメディが入ります!SANZチームはコメディ要素を含んでいる所がポイントかな」
杉浦「エピソードに入ると真剣モードになりますが、メインストーリーをやっている時はコメディ色が強いかもしれません。わかりやすく言うと、平社員(大崎、AKIRA)、中間管理職(杉浦)、社長(椿)という関係性です」
――― では椿さんはエンマ大王の様にドンと構えていると?
杉浦「その割には今回ちょこちょこ出てきて色々言って帰るよね」
椿「大きな独り言を常に言っていまして、主人公や平社員にとても影響を与える言葉を発言します。実はもう一人神様がいるのですが、その2人の神様で主人公たちを翻弄していきます」
杉浦「あらすじで公開していますが、SANZに来る人はみんな罪を抱えていまして、そこも見え隠れしながら物語は進行します」
椿「2人(大崎、AKIRA)が向かう先もポイントだね」
テーマでもある“気づき”をお客様に届けられたら
――― 最後に楽しみにしていること、メッセージをお願いします
大崎「僕の役は平社員の立場なのに、みんなに強気な発言をしているちょっと小生意気な青年です。でもシーンが進むにつれて心情の変化で表現が繊細になっていきます。役として現世に戻る人たちのお手伝いができれば。この作品が一番良い所にたどり着くように芝居でお力添えができたらと思っています。この舞台を見て何かに気づいて、それを持ち帰って明日の生きる希望にしてください。劇場でお待ちしております」
AKIRA「やはり歌が楽しみですね。もう一人の歌い手さんと絡むそうなので、ボイトレへ行って準備しないと。ジェンダーフリーのカッコイイ女性役と聞いているのでそれも楽しみです。素敵な作品になるようにみんなで作り上げていきたいと思います、是非足をお運びください、がんばります!」
椿「観ているお客さまに、一つ一つの言葉をちゃんと響かせられるように、 自分なりに楽しみながら演じて行けいけたらと思います」
杉浦「今回のテーマでもある“気づき”をお客様に届けられたらいいなと思っています。お待ちしております!」
(取材・文:谷中理音 撮影:友澤綾乃)