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劇団ハーベスト

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毎年恒例・今年もこの季節がやって来た!

“チャレンジ”がテーマの劇団ハーベスト 冬の特別公演、本作では落語に挑戦!

ソニー・ミュージックアーティスツが開催した女優発掘オーディションで選ばれた少女たちを中心に結成された劇団ハーベスト。2012年から定期的に公演を行い、毎回様々な挑戦を続けてきた彼女たちの新作、冬の特別公演『この泥棒ネコッ!〜お後がよろしくないようで〜』の上演が決定した。初のプロデュースに挑むのは劇団ハーベストメンバーの宮武佳央。脚本には劇団作品でお馴染みの益永あずみが女の闘いを描く。本作を代表して2人に話を聞いた。

PROFILE

宮武佳央(みやたけ・かお)のプロフィール画像

● 宮武佳央(みやたけ・かお)
1999年5月1日生まれ、大阪府出身。劇団ハーベストメンバー。2012年旗揚げ公演メンバーであり、現在までほとんどの作品に出演している。劇団活動以外の作品へ積極的に参加、近年の出演作に舞台『桃山ビート・トライブ』などがある。

益永あずみ(ますなが・あずみ)のプロフィール画像

● 益永あずみ(ますなが・あずみ)
千葉県出身。脚本家。劇団ハーベストの冬の特別公演『BREAK!!〜三者三様3姉妹〜』でデビュー。その後も劇団ハーベスト作品の脚本を多数執筆するほか、メンバーの脚本監修も行う。近年はショートフィルムやラジオドラマなどの脚本、作詞など活動の幅を広げている。

● 劇団ハーベスト
2011年夏にソニー・ミュージックアーティスツに開催された女優発掘オーディション「アクトレース」で選ばれた少女たちを中心に結成された、総勢13人の劇団。個性と才能豊かなメンバーが揃い、定期公演を行うほか、舞台・ドラマ・映画・音楽・CMと各方面で活躍中。

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自分たちに負荷をかける、特に大きなチャレンジをする企画が冬の特別公演です

――― 冬の特別公演は年に1度のスペシャル、みんなで創ること、チャレンジがテーマですが、通常公演との違いは?

宮武「メンバーがプロデューサーとなり公演を行うのが冬の特別公演です。このプロデューサー制度は2年前くらいから始まったものですが、昨年の高橋紗良プロデュースの特別公演では、脚本を書くことに興味があったので高橋は脚本執筆にチャレンジしました。 その前年も自分達で脚本を書いて益永さんに監修していただき、益永さんにはとてもお世話になっております。毎回色々チャレンジをしてきて、さらに自分たちに負荷をかける、特に大きなチャレンジをする企画が冬の特別公演です。2017年の今回は落語にチャレンジします!」

――― 本作のはじまりについて教えてください。

宮武「はじめから落語をやろうと決めた訳ではなかったんです。プロデューサー制度ができてから、自分もいつかやりたい!と思っていたら、みんな「次やりたいです!」と手を上げ始めたんです。これは負けられないと。実は夏公演の時に企画書を出していて、その時は通らなったんですけどやりたい気持ちはずっとあり、そして今回機会をいただきました。 私はコメディやお笑いが入った楽しい物語が好きで、自分がプロデュース公演をするとしたら、楽しい作品にしたいとずっと思っていたので、はじめはコントに挑戦したいと思っていました。でも夏公演の作風に似てしまうことから、演出の中村公平さんやみなさんとお話しをさせていただく中で、落語はお芝居の上達につながるので挑戦して良いのではないかとなり、やってみたいと思いました。私は普段劇団ハーベストのイベントなどでMCをやることが多々あり、もっとトークが上手くなりたいと思っていたんです。落語はチャレンジしたい物の一つだったこともあり、挑戦することにしました。

――― 落語をやると聞いて益永さんはどう思われましたか?

益永「私は落語が好きなので、挑戦することについては面白いと思いましたが、女の子達の挑戦となるときわどい部分もあるので凄い事やるなぁとも思いつつ(笑)。みんなが必死になる良い機会なのかなと、落語を知っているからこそハードルの高さを感じてしまいますね」

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今回はしっぺ返しをテーマに描きます

――― 作品は2014年に上演され好評だった益永さんの短編『研修旅行』をリメイクするとのことですが、長編となることで書き下ろしに?

益永「もともとあった3人芝居のものを5人芝居に変えて落語の要素を加え、ほぼ新作になっています」

宮武「前作の時に名前だけしか出ていなかった人物が思わぬ形で出てきたり、20分ほどの作品が1本の作品になるので、とてもボリュームアップしました」

益永「前作は不幸な女の子が、羨ましいと思っている(リア充な)女の子を不幸にしようとして不幸になって終わるお話でしたが、今回はそれだけでは終わらせません!」

――― 見どころとして忘年会の中に旅行、宴会芸、恋愛沙汰など、女の闘いが多数出てきますね。

宮武「益永さんの得意分野です!(笑)」

益永「(笑)女のバトルがありますが、悪さをしたら罰が当たるみたいな、今回はしっぺ返しをテーマに描きます」

――― そしてタイトルも進化して、かなりインパクトがあります。

宮武「始めに作品のプロットがあり、みんなで相談して出てきたタイトルです。実は表示の仕方にこだわりました。“猫”を漢字にするか、平仮名にするか。“ネコッ”の“ッ”いる?とか、始めは“ッ”がなくて、“!”だけだと怒っている感じが出ないから怒りマークを入れよう、でも表示的に難しいね、など見た目でタイトルにふさわしいのはどれだろうと相談しました」

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たくさんの挑戦で新たな一面に期待が膨らむ

――― 女の闘いとなるとセリフが多く、テンポも大事になってきますよね。

益永「セリフ量は尋常じゃないです!落語も覚えないといけないから絶対に覚えるのは大変だろうなと思いましたが、それは知ったこっちゃない!チャレンジだから!(全員爆笑)仕掛けました。書き終えた後に可哀そうだなと思いましたが」

宮武「(笑)以前の作品でもセリフ量が尋常じゃない時がありましたが、意外と乗り越えられたんです。今回は落語の方が大変だなと思っていて、セリフ量に苦を感じてはいないですよ(笑)」

――― メイン3人の女性役は日替わりですが、キャスティングについてはどのように考えたのですか?

宮武「5人芝居で、2人がシングルキャストになります。3人の役が固定でトリプルキャストになり、その3人がシャッフルになるので、同じ組み合わせが一度も無い状態になります」

益永「一期一会になりますね、作品のイメージもそれぞれ変わってくると思います」

宮武「そうですね。以前に3人芝居をシャッフルでやったことがあって、それが私的にとても新しく感じて、その方法で今回実現できました。5人を変えてしまうと稽古の問題が出てきてしまうことから、色々アドバイスもいただきながら決めましたね」

――― 落語の見せ方についてプランなどは?

宮武「お芝居の最後に落語を披露する予定です。全12回公演なので、実はひとり一度ずつしか本番でできないんです。演目は回替わりになります」

益永「落語はまるまる独り舞台、すごいですよね…」

宮武「恐怖ですよね!」

――― 演目はもう決まっていますか?

宮武「2つほど用意する予定です、お楽しみにしていてください」

――― 演出の中村さんとはどんなお話しをしていますか?

宮武「今回は同じ組み合わせが無いので、とにかく稽古をたくさんしていかないとと思っています。集まったらすぐ稽古ですよね。全てに時間をかけていられないので、落語は家で練習して独りでできるものはそれぞれで磨いてもらい、集まった時は芝居の部分を稽古する、分けてやって行こうと」

――― 陰練が大事になってきますね。

益永「(笑)落語の部分はそこで差がついて行くので、練習をしているかがわかってしまいますね」

――― 落語の練習となると、やはり有名な方の映像やCDなどを参考に?

益永「それぞれ師匠を決めてやっているそうですよ」

――― それは面白いですね!

宮武「そうなんです。同じ演目でも噺家さんによってオチが違う部分もあって」

益永「古典落語をやりますが、どの噺家さんをチョイスするかによって変わってくるので、それぞれオリジナルな見え方になるのかな」

宮武「そこも見どころになると思います」

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本作で5年ぶりに篠崎新菜が舞台に復帰する。劇団ハーベストを長く応援しているファンにとっては嬉しいニュースだ

宮武「新菜が帰ってきます。旗揚げの時から一緒にやっていて、同い年で仲の良いメンバーだったので、退団した時は号泣しました(笑)。帰ってきてくれるのでとても楽しみです。新菜はハーベストを離れてからお芝居をしていなかったそうなので不安はあると言っていましたが、この前のレッスンでは不安を感じる部分は無くて。動画で送られて来た落語を見ましたが、新菜の個性が出ていたのでとても楽しみです。これからまだまだハーベストも変わっていくなと思っています」

――― 劇団ハーベストにとって転機になるような作品になりそうですね、ずっと見守ってきた益永さんが思う劇団ハーベストの魅力とは?

益永「みんな個性が強いですよね。今回の公演に関していえば、1つの役を3人が演じますので全然違うキャラクターになるんだろうなと予感がします。たくさんの楽しみを持っている女の子たちだなと思いますね」

宮武「ありがとうございます!益永さんの脚本は大好きで、企画書を書いている時から益永さんにお願いしようと思っていました。見かけはおしとやかな感じがあるのに、本になると毒々しい笑いが入ってきたり、そういう益永さんらしさが魅力です。今回の本はリメイクしていただきましたが、さらに益永さんワールドが炸裂しているので、それを私たちがどう面白くしていくか。面白くするのもそうでないのも役者次第なので、そこは気合いを入れて面白い作品に仕上げていきたいです」

――― では最後にメッセージをお願いします。

益永「楽しくみんなで笑って年を越せればと思い作品を作りました。ぜひいらしてください」

宮武「本作は落語が回替わりとなり、芝居部分も1度しか観られない組み合わせになっています。ぜひ毎回楽しみにしていただきたいです。今年を締めくくる笑いの時間を、ぜひ劇団ハーベストと共に過ごして頂けたらと思います」


(取材・文&撮影:谷中理音)


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