home  >  WEBインタビュー一覧  >  福井晶一・原田優一

PICKUP
福井晶一・原田優一

キメ画像1

2人で演じるのは20役以上! “ミュージカルあるある”も満載のドタバタコメディ

自作ミュージカルのブロードウェイ上演を目指す “最強の2人”がプロデューサー獲得に向けて大奮闘!

大作を含む数々のミュージカルで活躍する福井晶一と原田優一が、約170席の小空間で一風変わった作品に挑戦する。活版印刷の発明者を主人公にした自作のミュージカルをブロードウェイで上演するために、お互いを天才と称え合う、脚本家と作曲家の男が観客を投資家に見立て、すべての役を自ら演じてみせるというドタバタコメディ『グーテンバーグ!ザ・ミュージカル!』だ。2007年にNYを笑いの渦に巻き込み、数々のミュージカル賞にノミネートされた本作を、福井&原田のコンビはどう見せてくれるのだろうか?

PROFILE

福井晶一(ふくい・しょういち)のプロフィール画像

● 福井晶一(ふくい・しょういち)
1973年11月8日生まれ、北海道出身。1995年に劇団四季研究所33期生として入所し、多くの作品で主役を務める。2012年の退団後も、『レ・ミゼラブル』、『ジャージー・ボーイズ』、オリジナルミュージカル『SNOW MANGO』などの舞台や、コンサートに出演。3月1日にはキングレコードからファーストソロアルバム『Blessings』をリリース。その発売記念コンサートを東京(3日)と名古屋(5日)で行う。

原田優一(はらだ・ゆういち)のプロフィール画像

● 原田優一(はらだ・ゆういち)
1982年9月1日生まれ、埼玉県出身。9歳よりテレビや舞台、映画、ライブ、ダンスイベントなどに多数出演。主な出演作に『ミス・サイゴン』(クリス役)、『レ・ミゼラブル』(ガブローシュ役、アンジョルラス役、マリウス役)など。昨年、俳優の鯨井康介、作・演出家の登米裕一と演劇ユニット《トンダカラ》を結成し、今年1月に初めての公演を行った。

インタビュー写真

『レ・ミゼラブル』での共演から家族のような仲に

――― 2人の出会いは2013年の『レ・ミゼラブル』。2011年に続いて原田がマリウス役を務めた同作に福井がジャン・バルジャン/ジャベールの2役で参加し、そこから親交を深めていった。

原田「歌稽古で初めて会ったのを覚えています。福井さんは劇団四季を退団されたばかりで、“新しくジャン・バルジャンにすごい人が来た”みたいな感じでした」

福井「劇団に17年在籍して、そこから出て初めての環境だったので、何もわからず怯えていましたね(笑)」

原田「本当ですか!? 全然そんな感じしなかったです」

福井「稽古とか本番をやりながら、優ちゃん(原田)ってこういうお芝居をするんだなとか、こんな歌声なんだなって少しずつわかっていって、頼もしく感じるようにもなりました」

原田「とんでもないです(笑)。1年近くずっと一緒にいるから家族みたいな感じだし、もちろん先輩後輩はあっても、言いたいことを言える仲になっていきましたね」

インタビュー写真

――― 2015年には、原田が構成/演出を手がけるミュージカルライブ『KAKAI歌会』に福井が出演。昨年も原田のバースデーライブで共演を果たしている。

原田「福井さんの歌が素晴らしいことはみなさんご存知だと思うので、『KAKAI歌会』ではもっと隠された部分というか、エンターテイナーとしての福井さんを存分に楽しんでいただきたいなと思ってお呼びしました」

福井「前々回の『KAKAI歌会』を見せていただいたんですけど、すごく面白くてずっと笑い転げていたんです。そういうエンターテインメントの舞台をやったことがなかったので、まさか自分がキャスティングされるとは思っていなくて、自分にできるかなっていう不安もあったのですが、いざ稽古に入ると、とても楽しい現場でしたね」

原田「普段は歌謡曲とかをあまり歌われないっておっしゃっていたのが意外でしたけど、それ以来好きになったと言ってくださって」

福井「自分のコンサートでも、昭和歌謡を歌うコーナーを設けるようになりました」

原田「今度、福井さんのコンサートにもゲストで出させていただくんです」

福井「3月1日にソロアルバムを出す事になり、その発売記念コンサートを東京と名古屋でやるんですが、優ちゃんには3月5日の名古屋ブルーノートにゲストで出てもらいます(2ndセットに出演。1stセットのゲストは吉沢梨絵)。もしかしたらグーデンバーグのナンバーを2人でやるかもしれません (笑)」

原田「いいですねー(笑)」

インタビュー写真

エネルギーと笑いに溢れたエンターテインメント

――― このように終始和やかで息の合った様子の福井と原田が、今度は役者として2人だけで挑むのが『グーテンバーグ!ザ・ミュージカル!』。互いに天才だとリスペクトし合う脚本家と作曲家の2人が、自作のミュージカルに投資してもらおうとプロデューサーを招き、みずから演者となって全ての役を演じてみせることに。そこで演じるのはなんと2人で20役以上!

原田「まず二人芝居ということで、ものすごく大変そうだなというのが第一印象でした(笑)。1つのテーマに沿ったキャラクターがどんどん出てきて、それを2人だけでつないでいくんです。
 そこに、ミュージカルとはこういう作り方をするものですとか、こういうところでこんな歌が出てくるよねといった“ブロードウェイミュージカルあるある”が散りばめられている。音楽もいろんなジャンルにわたっていて、自分たちの素になる部分も出てきたりと、いろんな顔がある作品だなって感じました」

福井「今年は『レ・ミゼラブル』の日本初演30周年記念公演をやらせていただくのですが、その前に1つ何か面白いことをやれたらいいなと思っていたところに、優ちゃんから“こういう面白いミュージカルがあるよ”って提案してもらったんです。それで資料をいただいて確かに面白そうだなと感じたのと、優ちゃんとなら楽しい稽古になるだろうし、きっと何があっても助けてくれるだろうという信頼感とで決めました。でも、台本を読めば読むほど大変そうで(笑)」

原田「文字だけで読むと特にそうですよね。たぶん段取りオンパレードになるだろうし。それを2人だけで2時間しゃべって歌って……体力勝負です」

インタビュー写真

――― 演出を手がけるのはベテラン板垣恭一。原田とは縁が深く、特に昨年は『TARO URASHIMA』『滝廉太郎の友人、と知人とのその他の諸々』『僕等の図書室 特別授業』といった公演を共に作り上げた。

原田「板垣さんは理論派というか、すべて理屈で語ってくれるんです。なぜこの配置にしたのか、なぜこのシーンをこうしたのかを全部説明できる。そして、王道が好きなんだけど遊び心もある人なので、さっき話したような“ミュージカルあるある”を披露する場面に、板垣さん自身の知識や考えをどう被せてくるか、そしてコメディとしてどう作ってくるのかというのがとても興味深いです」

福井「僕は板垣さんとは初めてご一緒させてもらうのですが、今初めてどういう演出家なのかを聞きました。いろんな意味でとても楽しみにしています」

――― 会場となる新大久保のR'sアートコートは、キャパシティ約170の小さなホール。プロデューサーに向かって作品を見せるという本作の内容にはぴったりの空間で、密度の濃い芝居を楽しめることだろう。

原田「このミュージカルは韓国でも流行ったらしいので、それを新大久保でやるというのも画期的ですね(笑)。題材だけでなく、今回の公演自体もトライアウト感が強いので、自分としては面白いなと思っています。これが成功したら僕ら2人のおかげです(笑)」

福井「こういう空間でやるのも初めてなのですごく楽しみですし、心身共に万全でいかないとっていう思いがあります。終わったらヘトヘトになるでしょうね。もう何も残ってない状態(笑)」

原田「ミュージカルを知っている方は“そうそう!”ってなる部分がたくさんあるし、そうでない方も、全編エネルギーと笑いに溢れているので、単純にエンターテインメントとして楽しめる作品だと思います」

福井「去年はちょっと面白い役をいくつかやらせていただいて、笑いって本当に難しいなと思いましたけど、やっぱり反応があると楽しいんですよね。それはただ願ってできるものではないので、まずは稽古を頑張って、今回の舞台を2人で一生懸命作り上げていこうと思っています」


(取材・文&撮影:西本 勲)

キメ画像2

公演情報