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月讀 〜 TSUKUYOMI 〜

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世界最大級のダンスエンタテインメントイベント受賞者たちが振付け、踊り、演じる

演劇でもない、ミュージカルでもない、ダンス作品でもない。 誰も見たことのないエンタテインメントの舞台を創る

今年第6回目を迎えた世界最大級のダンスエンタテインメントイベント『Legend Tokyo』。そのグランプリをはじめとする受賞者たちが振付け、ダンス、役者としても出演する舞台『月讀〜TSUKUYOMI〜』が1月に上演される。ダンス、音楽、演劇を融合させ、一つのエンタテインメント作品に仕立てる今作のメインキャストである加治みなみと三小田あかり、重要な役どころを演じる藤巻勇気と桑港に話を聞いた。

PROFILE

加治みなみ(かじ・みなみ)のプロフィール画像

● 加治みなみ(かじ・みなみ)
1990年生まれ、埼玉県出身。2010年『桜の園の裏の園』で初舞台。以降、舞台を中心に数多くの作品に出演。これまでの主な出演作品に『TARO』、美内すずえ×ガラスの仮面劇場『女海賊ビアンカ』他。
最新情報は【公式HP】にて。

三小田朱里(さんこだ・あかり)のプロフィール画像

● 三小田朱里(さんこだ・あかり)
1990年生まれ、福岡県出身。2015年1月「夢に溺れて」でCDデビュー。“現代の昭和歌謡”と話題になり、有線放送等で人気に。TV、ラジオ、イベント等でその歌声を披露している。

藤巻勇気(ふじまき・ゆうき)のプロフィール画像

● 藤巻勇気(ふじまき・ゆうき)
映画・ラジオ・舞台等で活動中。2017年1月21日公開『新宿スワン2』出演。
その他の情報は、【ブログ】、および【Twitter】を是非チェック。

桑港(しすこ)のプロフィール画像

● 桑港(しすこ)
1986年生まれ、山口県出身。エンターテインメント集団「男の浪漫」メンバー。芸名は、11歳年下の妹を溺愛しているため“シスターコンプレックス”から命名。2007年インディーズデビュー後、着々とファンを増やし、09年メジャーデビュー。現在までTV、舞台、LIVE、映像作品等幅広く活動中。最近の出演作品にショート・ショウ2「冷やしてスキー」(主演)他。

インタビュー写真

――― 江戸末期の吉原遊郭を舞台に繰り広げられる物語だそうですね。

加治「私はナンバー2の花魁、月影を演じます。ナンバー1の朝霧に妹のように可愛がってもらって育ち、次第にいびつな愛情が芽生えるものの、それを隠し続けて大人になった、淋しさを抱えた女性。最後は大事なものを命を賭けても守ろう、貫こうとします」
三小田「ナンバー1の朝霧役です。割と淡々としていて、花魁が天職というか、男性をうまく手練手管で操るのを疑いなくやってきたような人。そんな朝霧に身請け話が持ち上がることで、本当に好きだった人に気づき、小さい頃から一緒にいた月影と色々あって、今までの顔が最後にちょっと崩れていくようなところもお見せすることになります」 

藤巻「舞台となる遊郭・黒船楼で、ある事件が起きるんですけど、その護衛、ボディガードみたいな感じで雇われる男を演じます。家族への愛と、強さを見せる仕事を全うする中での葛藤や憤りなど、現代にもあるような気持ちを表現したいと思っています」

桑港「僕の役は、この舞台の飛び道具です(笑)。出てきた瞬間、絶対お客さんは、“何これ?ポカーン…”ってなると思うんですよ。どれだけポカーンってなるのかが楽しみではあるんですけど。でもそんな奴でありながら、実は意外と作品全体を進めていってるのはコイツなのかもしれなくて。そんなつかみ所のない奴です」


インタビュー写真

――― ダンスエンタテインメントイベント入賞者のコレオグラファーが、振付けはもちろん、ダンサーとして役者として出演されるなど、色々な要素が融合した舞台と伺っていますが。

加治「ダンスあり、歌あり、ネタものあり、泣かせどころありで、お客様が観ていて飽きない舞台になるんじゃないかな。観に来るお客様が全員お芝居が好き、ダンスが好きという訳ではないので、色々なお客様に笑ったり泣いたりしていただける舞台を創れたらなって思ってます」 

三小田「ダンサーも演技をしますし、女優もダンスをしたり。私は歌手なのに、なぜか歌いませんけど」

藤巻「えっ、歌わないの!?

桑港「で、唯一歌うのが僕なんですよ。歌というか、ネタですけど(笑)」

三小田「歌が出るその唯一のパートが、どう転ぶか分からないんですよね〜」

桑港「分かるよ!どう転ぶか分かるよ!“ドカーン!”やろ!」

三小田「作品の中には、何回やっても演者がいつも笑ってしまうシーンがいくつもあるんですけど、そこに関しては私は分かりません(笑)」

桑港「全然信用ないやん!」

三小田「(笑)。観終わって“ああ良かったねー!”ってスッキリするというよりは、男の人って、女の人って、家族って…みたいな感じで、観た方それぞれが色々考えられる、心に何かが残るような作品になると思います」

インタビュー写真

――― 多彩な出演者で見どころ満載の舞台になりそうですが、特にここを観て欲しい!というお勧めポイントはありますか?

桑港「序盤、家出をした僕が帰ってくるシーン。見た目はホントにふざけてるんですけど、何この感動?っていうような、もしかしたら泣けちゃうかも的な。お客さんが笑うのか泣くのか、どっちなのか楽しみなんです」 
藤巻「僕は、avecooさん。超有名なアーティストの振付けに携わったり、世界的に活躍する振付師さんですけど、稽古でお会いしたらめちゃくちゃ面白くて。ご本人そのままで成立しちゃう、ぶっ飛んだ役なので、ぜひ注目してください。っていうか、自然と見ちゃうと思います」

三小田「今日もここに来て欲しかったですね(笑)。私は、シーンで言うとやっぱり最後。やる側としてガチで行かないと伝わらないところなので、すごく怖いんですけど、一番楽しみでもあります。あとは衣装! そもそも予算がない上に(笑)、時代物ってこんなにお金がかかるんだってビックリしてるんですけど、皆で試行錯誤して、髪飾り一つ手作りで使って…。すごく綺麗なので、ぜひ観て欲しいです」

加治「私もやっぱりラストシーンかな。生きてると色々な壁があると思うんですけど、それを越えるのが愛なんだって思えるはず。愛は壁なんて関係ないし、全部包み込むよね、って感じてもらって、泣きながら観て欲しいなあ」

藤巻「最後のシーンは、僕も本気でいくので、その迫力、緊迫感が伝わるといいな」

――― 期待が高まりますね。そんな中、告知を兼ねたスピンオフイベントを先日開催されたとか。

桑港「10月に原宿ペニーレインでイベントを打たせてもらいました。舞台の一部を上演とかではないんですけど、江戸時代の物語なので、例えばお客さんと一緒に五七五の歌を詠んでみたりとか。演者の素を出しながら、お客さんとコミュニケーションとりつつのイベントですね。僕ら的にはやって良かったと思ってるんですけど、リアルな素の部分が出すぎちゃったところもあって」

三小田「花魁の衣装着てるのに、楽しすぎて『うけるー!』とか言っちゃってました(笑)」

加治「あと、11月3日には福岡の1700人くらいのホールでスピンオフ舞台をやりました。本編は芝居7割、ダンス3割になりますが、福岡はその逆の芝居3割、ダンス7割。もともとは台詞もあったんですけど、結局それも無くしてしまったので、ダンスの大きな流れでわーっと進む中で、台詞のない状態で役者として舞台に立たなくてはならなくなったんですよ。普通、シーンが段々進む中で気持ちを盛り上げていきますけど、今回はそれもできないので、一体どうしたら?って。色々考えさせられましたけど、最後、お客さんは泣いてくれたんです。そこで、ダンスでも芝居でもないこの表現方法が、すごく新しいなって改めて感じました」

インタビュー写真

――― 本公演でのお客さまの反応も楽しみですね。では、そんなお客さまに向けて、メッセージをお願いします。

加治「今まで色々な舞台をやってきましたけど、今回は役柄もですし、あとチラシデザインを任せていただいたり、いろんな意味で中心になって動いていかなきゃならないので、責任感を感じています。この台本にはすごく愛情を持っているので、皆さんに全身でお届けしたいと思っています。観に来てくださった皆さんに、言葉じゃない何か大きいものを持って帰っていただけたらなと思います」

三小田「今回が初めてのお芝居、初めての舞台で、最初はもう棒読みみたいなところからスタートして、発声の仕方とかも歌と全然違うので、試行錯誤しながらも頑張ってます。舞台は江戸時代だけど、人に思いを馳せ、また馳せられて、お互い思い合えることがどれだけ貴重なことかが分かる作品になってます。
 他の作品がどうなのかは分からないんですけど、この『月讀』は、メインどころはもちろん、ちょっとした登場人物の生い立ちとかまできちんと考えられていて、それぞれのキャラクターが確立されているんですよ。物語では描ききれてない部分にもそれぞれの人生があることが伝わると思うので、観た方は、自分とリンクするキャラクターを見つけやすいんじゃないかな。舞台上の誰かに自分を投影して観てもらうと、より物語を身近に感じられると思います」

藤巻「僕、芝居の力を信じてるんですよ 芝居で人の心を動かせる、何かを変えられるって本当に信じているので、それをやるにはこっちも本当に死ぬ気でやるというか、誠心誠意込めないとダメじゃないですか。一番はそこを観てもらいたいです。あと、この前ある役者さんに『もっと役者は背負わないといけない』って言われたんです。監督とか主演だけが責任を負うんじゃなくて、脇の人間も背負わないと良いものって作れないよねって。それを聞いて、じゃあ今回はそういうところも頑張ってみようと思っていて、台本読んで感じたことを脚本家さんに伝えてディスカッションしてみたりしてるんですよ。だからいろんな意味で今まで以上に、必死でこいてやり遂げるつもりです」

桑港「全員が死ぬ気でやってます。僕の役とか本当ふざけた役なんですけど、笑いに関しても死ぬ気でやってますし、笑いだろうが泣きだろうが、どんな人が見ても何かが残るような作品だと思ってます。ただ、皆さんには全然気楽に観に来て欲しいんですよ。言葉にすると浅くなるんですけど、この舞台のテーマは“ノーボーダー”。世の中にあるいろいろな壁を乗り越える話なので、観てるお客さんもノーボーダーで観て欲しい。本番まであとちょっと、必死で稽古積み重ねて研鑽して、頑張ります!」


(取材・文:土屋美緒/撮影:友澤綾乃)

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