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Risky Melody

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昨年は年間100本のライブを敢行! メンバーの個性が際立つ要注目のガールズバンド

目標は東京ドーム。ショウの要素を取り入れて音楽ファン以外にも届くライブを

2014年2月に結成された4人組ガールズバンド、Risky Melody。このインタビューコーナーでロックバンドを取り上げるのは珍しいが、彼女たちは「音楽ファン以外にも自分たちのパフォーマンスを観てほしい」という強い意志を持ち、ショウの要素をふんだんに取り入れたライブを展開している。昨年暮れから今年2月にかけて、メンバーそれぞれの地元でバースデイライブを行うワンマンツアー“君と僕となら越えていける2016”を敢行中の4人に、バンドの成り立ちや今後について聞いた。

PROFILE

● Risky Melody(リスキー・メロディー)
ALICE(ヴォーカル)、MAYU(ギター)、MAI(ベース)、Rie(ドラム)の4人で2014年2月11日に結成。ガールズロックの企画ライブを中心にステージ経験を積み、1年後には初のワンマンライブを渋谷スターラウンジで成功させる。ポップな楽曲から、凝った構成のハードなナンバーまで、幅広い音楽性が大きな魅力。確かな歌唱/演奏テクニックと、舞台作品を思わせる演出を組み合わせた独自のライブパフォーマンスで着実にファンを増やしている。

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妥協せずに集めたメンバー

――― ヴォーカルのALICEは、日野ありすの名で俳優/タレント活動を行っており、これまでに約30本の舞台出演歴を持つ。その彼女が中心となってメンバーを1人ずつ集めていったのがRisky Melodyだ。

ALICE「もともと歌は大好きで、高校で軽音楽部に入っていた姉の影響もあって、バンドっていいなと思っていたんです。役者の仕事をする前は友達と組んだバンドでヴォーカルをやっていました。この世界に入って3年くらいは役者の活動がメインでしたけど、やっぱりバンドや音楽が自分の基本なので、2年前にRisky Melodyを始めました」

――― ストレートに音楽の道へ進むのではなく、役者を経験してからバンドを組んだ彼女。そのことは現在の活動にも活きているという。

ALICE「アマチュアでバンドをやっていた頃は“こういう音楽をやりたい”っていう自分の主観から入っていました。でも舞台は、脚本家や演出家の客観的な視点があって作っていくもの。そこで、見に来てくれるお客さんがいなければ意味がないということを実感したのは大きな経験でした」

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――― そんな彼女が「アイドルっぽいバンドにはしたくない」という基準で集めたメンバーは、プレイヤーとして確かな資質を持つ3人。「ロールプレイングゲームで仲間を増やしていくみたいに(笑)」出会いを重ねていったそうだ。

ALICE「最初に出会ったのがベースのMAI。彼女は実家がライブハウスで、生まれたときからずっと音楽があったんです。私が目指すバンドにぴったりだとすぐに思いました」

MAI「知人のベーシストの方に憧れてベースを始めて、セッションとかサポートの活動をしていました。オリジナル曲をやるバンドはRisky Melodyが初めてなんですけど、もともと声優を目指したこともあって、演劇やミュージカルなど、舞台には興味がありました。Risky Melodyのライブでは、曲以外の部分でも楽しませる要素がたくさんあるので、何が飛び出すかわからないところが面白いですね」

ALICE「次に見つけたのがギターのMAYUで、高校時代に後輩だった子から“すごくいいギタリストがいるよ”って紹介してもらったんです」

MAYU「高校の部活でギターを始めて、そのまま続けているうちにRisky Melodyに入っていました(笑)。小学校の頃に少しだけピアノを習っていて、先日のバースデイライブでは弾き語りもやりました。部活と違って、今はステージに立つときに“これはどうやったらお客さんがこう思うだろうか”みたいに考えることがいろいろ増えたと思います」

ALICE「最後までなかなか見つからなかったのがドラムでした。女性ドラマーってすごく稀少で、しっかり叩ける人はさらに少ない。でも、どんな人に観てもらってもすごいなと思ってもらえるバンドにしたかったので妥協せずに探して、やっと見つけたのがRieです」

Rie「中学がジャズ部のある珍しい学校で、そこでドラムを始めたのが最初です。それから高校を卒業するまではジャズしか知らないくらいの日々でした。その後、ドラムの基本をもっと学びたいと思って入学した専門学校でいろんなジャンルの音楽に触れて、今ではもうロックしかないですね(笑)。Risky Melodyに入る前もいろんなバンドで活動していたんですけど、Risky Melodyは舞台上での演出をいろいろ考えて、音楽ファンだけじゃなく一般のお客さんにも向けてライブをやっている。そうじゃないと上には行けないなと思っています」

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誰も観たことのない表現を目指して

――― Risky Melodyの現在の主戦場はライブハウス。昨年は年間100本(!)を達成した彼女たちのライブは、「ワンマンはもちろんのこと、対バン形式で30分間のライブでも1つのショウだと思ってやっています」とALICEが話すとおり、MC(曲間のトーク)や舞台効果を演劇的要素ととらえてしっかりと演出/構成されているのが特徴だ。

ALICE「私たちはもともと舞台が出発点なので、音楽が好きとか、音楽をやっている女の子が好きっていう人たち以外にもお客さんの層を広げたいんです。Risky Melodyの強みは舞台の演出とか効果を含めた表現だと思っているので、ライブではしっかり台本を作って構成しますし、ワンマンライブは舞台と同じように照明や音響、映像も含めた場当たりもやっています。大きな会場のライブは舞台装置も含めて本当に1つの公演になるので、それを小さい規模からちゃんとやっていきたい。結成から2年経って、やっとやりたい放題できるようになってきたという感じはあります(笑)」

――― ステージ上での立ち位置にも工夫がある。ここぞというライブではドラムが中央最前面に、ヴォーカルはその後ろの高台に立って歌うというスタイルで、4人全員が目立つようにしているのだ。

ALICE「ヴォーカリストとバックバンドっていう形にしたくないんです。バンドを組む時点から、お芝居のキャスティングのように1人1人個性が違うメンバーに声をかけたので、ライブでもそれを活かす見せ方をしています」

MAYU「私はもともと前に出るのがあまり得意ではなかったんですけど、Risky Melodyでやっているうちにずいぶん鍛えられました(笑)」

ALICE「今は最前線で煽っているもんね(笑)。逆に、Rieはドラマーには珍しく前に出たいタイプで、Risky Melodyに入って目覚めちゃった(笑)」

Rie「ドラムが前にいてもOKなバンドなので、どんどん喋りたいし、前に出たい。去年は舞台にも2本出演させてもらって、そこではスティックを持たずに身体ひとつで表現する良い経験になりました」

MAYU「ライブの本数が多いので、自分で言うのも何ですけど成長がすごく早い気がします。やればやるだけバンドの音がまとまってきて、レベルアップしているのを実感するんです。楽曲の内容にもそれぞれに意味があったりして、そういうところもすごく好きです」

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――― 2月13日には、冒頭で触れたワンマンツアーの最後を飾るALICEのバースデーライブを六本木morph-tokyoで行う。

ALICE「morph-tokyoは天井が高いので、普通に芝居で使えるようなセットを組んで、特殊効果も使います。あの規模のライブハウスでできる限界までやってしまおうと思っているので、楽しみにしていてください」

――― 取材中、傍らにいたプロデューサーは“Risky Melodyのライブは新しい形のミュージカル”と話していた。役者が歌を歌うのではなく、ミュージシャン側から芝居に寄り添っていくという、新しい形だ。そんなRisky Melodyの目標を、ALICEは力強くこう話す。

ALICE「東京ドームを満員にできるガールズバンドになること」

――― morph-tokyoのライブ当日にはミニアルバムが発売されるほか、今年はさらなる新企画も準備中だというRisky Melody。まだ誰も観たことのない新しいエンターテインメントを目指して走りだしたばかりの4人に注目していきたい。


(取材・文&撮影:西本 勲)

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