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三四郎

三四郎

※本ページは、人物/団体の名前でWikipedia、Google画像、YouTube動画検索等を行い、その結果を自動的に取得・表示しています。

 

Wikipedia

三四郎』(さんしろう)は、夏目漱石の長編小説である。1908年(明治41年)、『朝日新聞』に9月1日から12月29日にかけて連載され。翌年5月に春陽堂から刊行された。『それから』『門』へと続く前期三部作の一つ。全13章。

九州の田舎(福岡県の旧豊前側)から出てきた小川三四郎が、都会の様々な人との交流から得るさまざまな経験、恋愛模様が描かれている。三四郎や周囲の人々を通じて、当時の日本が批評される側面もある。三人称小説であるが、視点は三四郎に寄り添い、時に三四郎の内面に入っている。「stray sheep」という随所に出てくる言葉が印象的な作品である。

あらすじ

東京帝国大学に合格し、郷里の九州から上京した23歳の小川 三四郎は、生真面目な堅物。たまたま列車に乗り合わせ、間違って相部屋にされた女性にも無用の気を遣い、別れ際に「貴方はよっぽど度胸のない方ですね」と詰られる始末。「女性」という生き物に対する免疫など全くない初心な青年だった。

三四郎は大都会・帝都東京で人の多さに辟易する。同郷で理科大学(現在の東京大学理学部)教師の野々宮 宗八を訪ね、帰りに大学構内の池のほとりで団扇を手にした若く美しい女性里見 美?子を偶然目にする。宗八と再び会った三四郎はともに本郷を散歩する。7つ年上で30歳の宗八は散歩の途中に用品店で女物のリボンを購入する。

9月に講義が始まる。三四郎は隣の席の佐々木 与次郎と友人になり、洋食屋「淀見軒」に誘われライスカレー(現在のカレーライス)を食べる。三四郎は与次郎から「つまらない講義に耳を傾けるより、世間の風というものを入れ給え」と忠告される。与次郎から野々宮 宗八が探していたと聞かされた三四郎は宗八に遭いに行き、同郷の誼で三四郎の実家から贈られた品々への礼を言われて自宅に誘われ、三四郎は宗八の妹よし子と引き合わされる。

一方、与次郎が「先生」と慕う英語教師広田 萇の引っ越しが決まり、手伝うことになった三四郎は、広田の新居で偶然にも美?子と再会し名刺を渡される。三四郎は花は必ず剪って、瓶裏にながむべきものであると悟る。三四郎と美?子は新居の掃除を2人で行うことになる。2階に上がった美?子は空を見上げて雲の形に見とれていた。三四郎はそんな美?子に惹きこまれていく。荷物を運び入れた与次郎も合流し、荷解きするうちに広田も帰宅する。与次郎は広田を「偉大なる暗闇」と評し、折角多くの書籍を読んでいるのにちっとも光らないとボヤく。一方、宗八も海外での高い評価に対し、国内では安い給料で雇われて穴蔵に閉じ込められていると評する。そんな与次郎の人物評に広田は君はせいぜい丸行灯で二尺程度を照らしているだけだと叱責する。美?子が差し入れとして持ち込んだ大きなバスケットに一杯のサンドイッチを振る舞ううち宗八もやって来る。広田家は賑やかだった。与次郎は広田家の2階に居候するつもりでいた。話題が変わり、与次郎の翻訳に広田が難をつける。宗八が原文を問うと、すかさず美?子が英文を口にする。美しさだけでなく教養も光る美?子に、三四郎はますます関心を抱く。一方、宗八はよし子を里見家に居候させようとしていた。

美?子には兄が2人いたが、上の兄は亡くなっていた。その兄と親友だったのが広田で、下の兄と同窓だったのが宗八だった。そして美?子は野々宮家にたびたび出入りしていた。三四郎は団子坂の菊人形見物に誘われる。菊人形見物に繰り出した美?子、よし子、広田、宗八に同行した三四郎の一行は、雑踏で物乞いや迷子とすれ違う。だが、広田も宗八も「場所が悪い」と関わり合いを避ける。すると美?子は「気分が悪い」と言いだして三四郎を連れ出し、一行から離れる。「気分が悪い」というのは美?子の口実に過ぎず、本当は「気分を害した」のだった。重苦しい曇り空を「大理石」と評する美?子。2人がはぐれたことで宗八たちが慌てていると三四郎は心配するが、大きな迷子だからと美?子は取りあわず、責任を持ちたがらない人たちだからと流してしまう。そして、三四郎に迷子の英訳として「stray sheep」だと教える。泥濘を避けるために置かれた石を三四郎はひらりと飛び越えるが、美?子は不安定な石に足を取られ、三四郎に抱きかかる形で倒れてしまう。美?子は三四郎の腕の中で「stray sheep」と囁くのだった。講義に身が入らない三四郎はノートにstray sheepと書き殴るようになる。

一方、広田が新居を借りるにあたり宗八から借りた20円を、預かった与次郎が馬券でスッてしまったと相談され、三四郎は仕送りから20円を立て替えてやる。与次郎は三四郎が立て替えた20円の工面をつけようとし、美?子からアテを得たものの三四郎が来ないと渡さないと言われてしまう。三四郎は里見家に赴き、美?子は預金通帳と印鑑を三四郎に渡し、好きなだけ使いなさいと告げる。また画家の原口の開く絵画展のチケットがあると美?子は三四郎を誘う。しかし宗八と鉢合わせた美?子は、三四郎になにかを囁く挙動に出たのち、それが宗八への当て付けの意味があったことを仄めかす。三四郎は美?子に恋をしている自覚を持つが、美?子の真意を理解できない。三四郎は冬物を買いに出た日に、香水を買いに来た美?子とよし子に偶然出会い、品定めを任され、ヘリオトロープを選ぶ。

郷里から臨時の仕送りを受け、原口のアトリエを訪ねた三四郎は、モデルをしている美?子と対面し、金を返すと言い出す。美?子は疲れた表情を見せるようになり、原口に帰される。そこで三四郎は、金は口実に過ぎず貴方に会いに来たのだと美?子に告げる。美?子は話題を変え、描かれた服装で原口が作品に取りかかった時期が分からないかしらと三四郎に囁く。三四郎はそれが偶然美?子を見初めた時期だったことに気づくが、そこへ三四郎の知らない若い紳士が現れ、美?子を車に乗せて去る。

三四郎は広田を訪ね、広田は結婚というものに否定的で、恋愛についても達観した人物だということを知る。演芸会に行き風邪をこじらせて伏せった三四郎は、美?子の縁談が纏まったと与次郎から知らされる。相手は宗八ではなかった。回復後三四郎は真相を確かめるべく美?子宅へ行く。三四郎が美?子に金を返すと、美?子は三四郎が選んだヘリオトロープの香水を含んだハンカチを差し出す。「結婚なさるそうですね」と三四郎が問うと、美?子は「ご存じなの」と、ため息をかすかにもらした。

三四郎が帰省する間に、美?子は兄の友人と結婚していた。完成した原口の絵が評判となっていた。そこには池のほとりで扇子を手にした美?子が描かれていた。原口は佐々木に売りたいと語るが、与次郎は「僕より」と絵の前の椅子に座っている三四郎をみやる。与次郎「どうだ森の女は」三四郎「森の女という題が悪い」「じゃ、なんとすればよいんだ」三四郎はなんとも答えなかった。ただ口の中で「stray sheep、stray sheep」と繰り返す。

登場人物

小川 三四郎
主人公。九州から列車で上京。大学一部文科(第1章)一年生。数え年で23歳(第1、4章)。酒も煙草もたしなみ、熊本の高校時代は赤酒ばかり飲んでいた(第6章)。身長は5尺4寸5分(約165cm。第11章)。本郷区駒込追分町(文京区向丘一丁目および二丁目)に下宿する。肌は普通よりも黒い(第4章)。日記をつける(第1章)。

(第一の世界の人物:三四郎の回想と母からの手紙のみで登場)


 
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