home  >  WEBインタビュー一覧  >  相馬あこ・南 翔太・佐田正樹

PICKUP
相馬あこ・南 翔太・佐田正樹

キメ画像1

シェアハウスを舞台にした、90年代ドラマのような切ない胸キュン恋愛劇。

必ずもう一度観たくなる! 巧みな“仕掛け”をたっぷり秘めた等身大のラブストーリー。

本番の幕が開くその一秒前まで妥協をせず、いい芝居をつくることに情熱を注ぎたい。女優・相馬あこのそんな想いを出発点に旗揚げされた「100点un・チョイス!」が、この夏、中目黒キンケロ・シアターで第2回公演『ひまわり』を上演する。客演には、数々の舞台に出演する俳優の南翔太と、人気お笑いコンビ「バッドボーイズ」の佐田正樹を招き、シェアハウスを舞台とした等身大のラブストーリーを贈る。「笑って笑って笑い泣きして、最後に心から泣ける作品」を標榜する相馬は、はたして本作でどんな恋模様を見せてくれるのだろうか。

PROFILE

相馬あこ(そうま・あこ)のプロフィール画像

● 相馬あこ(そうま・あこ)
1983年2月25日生まれ。北海道出身。池袋ミュージカル学院卒業後、米倉涼子の付き人に大抜擢され、舞台『黒革の手帖』などに出演、女優として第一歩を踏み出す。その後、東京セレソンDXにて演技を学び、STRAYDOG、劇団空間エンジン、キャットミント隊などの舞台に出演。13年より演出としても活動を始め、『天国ホテル1993...』『明日の天使たちへ』の演出を手掛ける。14年、「100点un・チョイス!」を旗揚げ。15年1月に旗揚げ公演『とけないまま、とけていく』を上演。大盛況で幕を閉じた。

南翔太(みなみ・しょうた)のプロフィール画像

● 南翔太(みなみ・しょうた)
1982年3月27日。愛知県出身。05年、舞台『秘密の花園』でデビュー。07年、テレビドラマ『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』のレイ/レイモン役で主演を果たす。舞台を中心にキャリアを重ね、近作に『男・オブ・スティール』『HATTORI半蔵』『〜宝や旅館〜げんせんじゃ〜2015』などがある。また、地元・西尾市への愛情も深く、13年より西尾市観光親善大使に任命。地域振興のための活動にも積極的に取り組んでいる。

佐田正樹(さた・まさき)のプロフィール画像

● 佐田正樹(さた・まさき)
1978年9月13日生まれ。福岡県出身。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。福岡8期。高校卒業後、同級生だった清人と「バッドボーイズ」を結成。08年より『AKB1じ59ふん!』『AKB0じ59ふん!』『AKBINGO!』のMCを務める。コンビで舞台に立つ他、俳優としても活動し、映画『くれないの盃』『湾岸ミッドナイト』『ララピポ』『ゲバルト』『想い出の中で』などこれまで計8本もの映画に出演している。

● 100点un・チョイス!(ひゃくてんあんちょいす)
2014年秋、“全てにおいて100点満点をゴールとせず、最後まで妥協しない作品作りを!”を信念に、主宰・相馬あこにより旗揚げ。現在は俵山峻、金子佳恵、橋本稜の4人で構成されている。旗揚げ公演『とけないまま、とけていく』に続き、本作が第2回目の公演となる。

インタビュー写真

ここでしか見られない南&佐田の新たな一面に注目!

相馬「南くんとは去年、私が演出した『明日の天使たちへ』という作品でご一緒させてもらって。そのときはバカ正直な青年の役。南くんはすごく魅力的だから、また違った一面を見せたいなと思っていたんです。それで、今回、お願いした役は優しくてふんわりた感じがほしくて、これは南くんしかいないなって」

南「あこさんはとにかく現場づくりが上手な演出家さん。それに、やっぱりすごく綺麗じゃないですか」
相馬「出た!(笑)」
佐田「否定せえへんねや。そのまま受け止めるんや」
相馬「南くんは毎回こういうことをギャグみたいに言う人なんですよ(笑)」
南「つくる作品もすごく綺麗。旗揚げの『とけないまま、とけていく』も観させてもらいましたが、すごく素敵でした。僕、暗い話が嫌いなんですけど、あこさんはたとえバッドエンドであっても綺麗に描いてくださるんですよね」

――― 今回は、そんな相馬と南がそれぞれ恋心を寄せ合う役どころを演じる。

南「僕の演じる男は、一言で言うと悪いやつです(笑)」
相馬「え? 悪いやつなの? いちばん悪いのは私かなと思っていましたけど…」
南「うーん。男としていいやつなのか悪いやつなのか僕もまだ掴めていないのが正直なところ。だけど台本を初めて読んだ限りでは悪いやつかなと思った。普段、僕って舞台の上で余計なことをするのが好きなんですよ。それでよく周りから真面目にやればいいのにって言われちゃうんですけど(笑)。今回は、遊ぶと薄っぺらくなっちゃう感じがしたので、敢えて遊びを入れずに真面目に徹して、役のより深いところまで掘り下げて演じてみようと思います」


インタビュー写真

――― 性別が違えば、目線も変わる。シェアハウスの中で入り組む恋愛相関図を誰に共感して紐解くか、その視点の違いも楽しみのひとつと言えそうだ。一方、佐田はそんなシェアハウスのオーナーである近所の開業医に扮する。

相馬「佐田ニイとは一年くらい前に知り合って」
佐田「ちょうど(インパルスの)堤下と飲んでるところに、あこちゃんが“舞台出てくださいよ”って言うてきて。そしたら堤下の方が“やりましょうよ”って乗り気になったのがきっかけ。その頃、僕と堤下はマネージャーが同じやったんですよ。酔っ払ってて全然覚えてないんですけど、それで堤下があっこちゃんにマネージャーの連絡先を渡したんです」
相馬「もう次の日にはすぐに連絡しました(笑)」
佐田「オレは“堤下が出るならオレも出るで”ってくらいやったんですけど、気づいたらオレが出ることになってた(笑)」
相馬「でも佐田ニイはこれから俳優業もやっていきたいんですよね?」
佐田「いや、確かにそう言うたけど、あれはちょうど沖縄国際映画祭の打ち上げで監督が演技を褒めてくれたりして、演技スイッチが入っているときやから言うただけ(笑)。あのときじゃなかったら絶対に断ってた。一回、神保町花月でお芝居をやったことあるけど、以来、二度とせえへんぞって断ってたくらい(笑)、舞台でお芝居をするのはすごい苦手意識があるんですよ。とりあえず稽古が嫌いなのと喉が弱いんで、稽古場には加湿器置いておけって言うてます(笑)」

相馬「いつも映像でお芝居をするときは、佐田さんって感じの役が多いから、今回は全然違う佐田さんを見せたいですね」
佐田「いつもヤクザかヤンキー役しかないからね」
相馬「この間のヴィジュアル撮影のときも“髪下ろしてください!”って」
佐田「“そうやってすぐ立てようとする!”って怒られた(笑)。ところで、オレも恋するの?」
相馬「いや、しないです」
佐田「せんのかい! キスシーンは?」
相馬「いや、ないですって(笑)」
佐田「入れてえや、誰か可愛い女優さんとオレのキスシーン!」


インタビュー写真

恋の甘さも苦さもつめこんだ、大人の鑑賞に耐えうるラブストーリー。

――― アカデミックでアーティスティックな作品から、スケールの大きなファンタジー活劇まで、趣向を凝らした舞台が日夜上演される昨今、こうした身近な設定の男女によるラブストーリーはかえって新鮮だ。

相馬「そこが狙いなんです(笑)。今ってテレビドラマでさえラブストーリーを見なくなっている。私はちょうど『ロンバケ(ロングバケーション)』世代。今回は、『ロンバケ』だったり『ラブジェネ(ラブジェネレーション)』だったり、あの頃の作品をもう一度全部見返して、どこが自分のキュンキュンポイントなのかを洗い出してから台本を書きはじめました。あの頃のラブストーリーって、記憶に残るような名シーンがいっぱいあるんですよね」

佐田「この舞台でもみんなが言いたくなるような名言が生まれたりしたらええよね。“僕は死にましぇーん”とか」
南「あ、でも結構近いところはありますよね。僕がそういう感じの台詞を、あこさんに対して言ったりします」
佐田「オレは言わんの?」
相馬「言わないです」
佐田「じゃあ、あれは? “オレじゃダメか?”とか」
相馬「ああ、あすなろ抱きですね」
佐田「それ、オレやったらダメ? みんなが演じているところを後ろからギュって抱きしめたりとか」
相馬「えー。私、稽古場で意見が出たら入れちゃうタイプなので、もしかしたら希望が叶うかもしれませんよ(笑)」

――― しかし、ただの正統派ラブストーリーだけでは終わらせないのが、相馬の劇作家としての遊び心だ。本作では、観終わったあとにもう一度観たくなる、そんな仕掛けが隠されているという。

相馬「私が好きなんです、そういうの。ラブストーリーなんだけど、“実は…”っていう仕掛けがあるものが。例を挙げるなら『イニシエーション・ラブ』とか。あんなに怖い感じではないけれど、二回観たらより楽しめるように、お客さんが“何だろう?”って引っかかる違和感をいろんなところに仕掛けています」
佐田「他にも何かないの? イリュージョンがありますとか」
相馬「ないから!(笑)」
佐田「マジックやりますとか」
相馬「いやいや、やりたいこと違いますから!(笑)」

――― 演劇ファンはもちろんのこと観劇経験はないという層も楽しめる珠玉の一作となりそうだ。

佐田「とりあえずオレはどこかのシーンで誰か女優さんに“オレじゃダメか?”ってやれたら満足です」

一同「(笑)」

南「注目してほしいのはタイトルの『ひまわり』。ひまわりって誰にとってもいい印象のある花だと思うんです。そんなひまわりにも、いいところだけじゃなくて、いろんなところがある。僕らも同じですよね。いろんなことがあるけれど、最終的にはひまわりのように上を向いて明るく進んでいこうという気持ちになってもらえる、そんな舞台にできたらなと思います」

相馬「人生って、いろんなことがあって、恋愛だってむしろ上手くいかないことだらけ。ひとりの人と恋をして、その人と結婚するって人はなかなかいないと思います。90年代のドラマのような恋愛のキラキラした部分を入れながら、“こんなこともあるよね”ってうなずいてもらえるような生々しさやリアリティにもこだわりました。ぜひこの舞台を観て、自分も大切な人にちゃんと想いを伝えなきゃダメなんだって感じてもらえたら」


(取材・文&撮影:横川良明)

キメ画像2

公演情報