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秋元龍太朗・白柳 力

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クセモノぞろいの大衆居酒屋に訪れた一発逆転の大チャンス!

大衆居酒屋を三ツ星レストランに!? 夢と誇りと打算が渦巻くドタバタ奮闘劇!

世界中の誰もが知っている“あの”有名グルメガイドの調査員が、名もない大衆居酒屋にやってくる!? 『三ツ星に願いを!』は立ち退きを迫られたある小さな居酒屋が、存続をかけて三ツ星を獲得するべく奮闘する姿を描いた、良質なスラップスティックコメディだ。作・演出を手がけるのは、『男子ing!!』や『ヘブンイレブン!』などコメディ作品に定評のある劇団こちらスーパーうさぎ帝国主宰の白柳力。キャストには、主演の秋元龍太朗をはじめフレッシュな顔ぶれが揃った。

PROFILE

白柳 力(しらやなぎ・つとむ)のプロフィール画像

● 白柳 力(しらやなぎ・つとむ)
1984年5月21日生まれ。静岡県出身。大学在学中に劇団こちらスーパーうさぎ帝国を結成。全作品の脚本・演出を担当し、自身もキャストとして出演。『男子ing!!』『ポチッとな。ーSwitching on Summerー』といった外部作品でも発揮される、ポップでロックな爆笑劇スタイルに定評がある。

秋元龍太朗(あきもと・りゅうたろう)のプロフィール画像

● 秋元龍太朗(あきもと・りゅうたろう)
1995年3月13日生まれ。東京都出身。2008年、ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでフォトジェニック賞を受賞。以降、ドラマ・舞台・CMなどで活躍する。舞台『弱虫ペダル』では黒田雪成役を熱演。2015年も『舞台 戦国無双 関ヶ原の章』『元カレ』など出演作が続いている。

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――― 『ヘブンイレブン!』をはじめとするSOLID STARプロデュース作品のVol.4となる『三ツ星に願いを!』。Vol.1から作・演出を手がける白柳は、SOLID STARの作品作りに「演劇って、こうあるべきだと思う」と強い共感を示す。

白柳「しっかりした企画ありきで動いていて、キャスティングにも偏りがない。僕は若手俳優中心の舞台も作っていますが、SOLID STARではアイドルの子も出たり、お笑い芸人さんも出たり、オーディションから上がってくる子もいたりと、いろいろなタイプの役者がいます。僕たちの生きている日常をコメディで表現する上で、そういう“ごった煮”感が、とてもいいと思うんです。だから僕も、老若男女が偏らずに楽しめるようなコメディを作っていくというところをすごく念頭に置いています」

――― そんな白柳にとって、前作『ヘブンイレブン!』は大きなターニングポイントになったという。

白柳「“死”というテーマでコメディを描くということで、個人的にはかなり苦戦したのですが、これで1つの大きな山を越えたかなと思っています。初めてベテランの役者さんと一緒にやることで、演出家として吸収できたこともたくさんありましたし、稽古場の雰囲気や客層もちょっと違って、いろんな意見をいただく中で成長できた部分もあります。
 それを踏まえて、今回の『三ツ星に願いを!』ではもっと自分たちの日常に近いテーマをピックアップしようと考えました。僕自身、年齢もだんだん上がってきているので(笑)、若い人だけじゃなくて年配のお客さんも納得して楽しんでもらえるような、普遍的な笑いを取り入れていきたいと思っています」

――― その言葉のとおり、『三ツ星に願いを!』では年齢も境遇もバラバラな人々が居酒屋に集い、群像コメディを繰り広げる。主人公は、居酒屋で働く新人アルバイター。演じるのは、若手俳優として大活躍中の秋元龍太朗だ。

秋元「友達が『男子ing!!』とかに出ていたりして、知っている作品が多かったので、勝手な安心感を持っています(笑)。最近は全然色の違う作品ばかりやっているんですけど、今回はほとんど初めてと言っていいコメディをストレートプレイでやらせてもらえるのがすごく嬉しいです」
白柳「実は今日が初対面なんですけど、今までの作品の映像を見せてもらって、とても好青年な感じが今回の役に合っているなというのが僕のイメージですね」
秋元「初めてだからといってあまり縮こまらないように、なるべく早い段階から“自分はこうです”っていう何かを提示できるようにしていきたいです」
白柳「僕も、そうしてくれた方がやりやすいタイプです。真っ白な状態から僕が色を染めていくんじゃなくて、まず自分が思ったことをやってもらって、そこから引いたり足したりしていく方が建設的だと思うので。そしてコメディといっても、彼の役どころは割とツッコミというか、周りの変な人たちに振り回されながらも、強い意志でそれを正していくような役回り。そもそもツッコミというのは、ボケをしっかり受け取って返さなきゃいけない大事な役目なので、役者のスキルが磨かれる、いいポジションなんじゃないかと思っています」
秋元「今はどんどん磨かなければいけない時期だと思っているので、頑張ります」

インタビュー写真

――― また、白柳作品の特徴の1つが劇中で流れる音楽。フジファブリックやCzecho No Republic、KANA-BOONといった日本のロックバンドの曲が効果的に使われている。

白柳「そこは僕の色になっていますから、今回も使う予定です。日本語の曲って、意味が出てきてしまうので普通はけっこう敬遠されますが、僕はそこをあえて使っています。もちろん自分が好きな音楽だからというのもあるんですけど、BGMじゃなくて演出の効果の1つとして使うというやり方です。秋元君はけっこう音楽とか聴くんでしょ?」
秋元「はい、バンドは好きですね」
白柳「実は事前にネットで調べてきました(笑)。そこから仲良くなっていけるぞ、と思って」
秋元「嬉しいです(笑)。好きなバンドはいっぱいあって……フジファブリックも好きですよ」
白柳「そのへんの曲って、誰もが知っているわけじゃないけど、好きな人はものすごく好きなので、効果的なんですよ。わかる人が聴けば“やった!”って思ってもらえるし、知らない人は“なんかいい感じだな”って、いい意味で聴き流してくれるから。あとで選曲リストを教えてほしいと言われることもあります」

――― 『三ツ星に願いを!』の背景には、都市開発で寂れ行く商店街や、家族の軋轢、人生設計といったシリアスなキーワードも見える。それらすべてをコメディという器で包み込んだ、白柳ならではの舞台を楽しみにしたい。

白柳「前作は天使とか死後の世界とか、ブッ飛んだファンタジーの要素がけっこうあったのですが、今回は現実離れした役は1人もいません。多少頭のネジが外れてる人はいっぱい出てきますけど(笑)、“こういう人いるよね”とか、“こういう悩みあるよね”みたいに共感してもらえる部分がきっとあるはずです。全体的な雰囲気はコメディですけど、登場人物それぞれが自分の生き方をしっかりと選んで進んでいくというテーマもあるので、笑ってるうちにそういうメッセージを伝えられたらいいなと思います」
秋元「ほんとに初めてに等しいコメディの舞台で自分のスキルを磨くのももちろんですけど、まずはお客さんに楽しんでもらえる作品にすることが大事だと思うので、そこに力を注げるように頑張りたいです」
白柳「彼はほんとに真面目な感じでいろいろ考えてくれるので、あとはもっと肩の力を抜いて、みんなで楽しくワイワイと作れればいいかなと思ってます。最終的には自分たちが一番楽しめないと楽しいものは届けられないので、そこまで行きたいですね」

(取材・文・撮影:西本 勲)

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