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三森 渚・山本 裕・木村孔三

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ありのままの、ハダカの私を探す旅……

「ほんの少しでも自分を見せる勇気が持てたら」 総勢19名のダンサーによる、迫力のダンスエンターテインメント

 『誰もが楽しめる舞台創り』を標榜するパフォーマンスユニットTWTは2014年に旗揚げ、都内の小劇場でコンスタントに演劇公演とダンス公演を主催し注目を集めている。そのTWT新作公演『nuIde』が2017年11月に上演が決定! その読み方の通り『脱いで』の意味合いを含み、まるでファッションブランドのようなタイトルの本作は、『ありのままの私』をダンスで表現する公演だ。原案はTWT主宰の木村孔三が担当し、振付にはテーマパークやアーティストへの振付で大活躍中の三森渚と、最近は世界の交響楽団とのコラボからオペラや野外フェスでの振付でも活躍しているコンテンポラリーの山本裕がタッグを組む。
 果たして『nuIde』の意味とは!? 木村孔三、三森渚、山本裕の3人に話を聞いた。

PROFILE

三森 渚(みもり・なぎさ)のプロフィール画像

● 三森 渚(みもり・なぎさ)
1986年8月21日生まれ、栃木県出身。9歳から子どもミュージカル団体に所属、様々な舞台に立つ。サンリオピューロランドなどテーマパークの振付をはじめ、_(アンダーバー)・浦島坂田船・木花清花などのアーティストへの振付、また、コンテンポラリーダンス、ミュージカル、演劇、オペラ等、様々なジャンルの振付には定評がある。

山本 裕(やまもと・ゆう)のプロフィール画像

● 山本 裕(やまもと・ゆう)
1982年2月25日生まれ、京都出身。現代舞踊協会制定新人賞、ダンスプラン賞、埼玉全国舞踊コンクール第1位、チェコのNew Praha Dance Festivalでダンスシアター賞を受賞するなど、数多くの受賞歴を持つ。独創的な振付とシャープなテクニックは高く評価され、日本のみならず世界で活躍中。

木村孔三(きむら・こうぞう)のプロフィール画像

● 木村孔三(きむら・こうぞう)
1985年3月31日生まれ、東京都出身パフォーマンスユニットTWT主宰・脚本。他にも演出助手や制作、イベントディレクターなど多方面で活躍。近年では、タクフェス「夕」や地下空港「SAFARNG THE NIGHT」の演出助手、日本テレビの舞台「真田十勇士」「里見八犬伝」の制作、六本木アートナイトのプログラムコーディネートなどを担当している。

インタビュー写真

自分のアイデンティティを入れたダンス公演

――― この作品を創るきっかけを教えてください。

木村「TWTは僕がひとりでやっているユニットで、毎回こんなことをやりたいなと思ったら座組を集め、演劇公演をやっていましたが、このやり方ならダンス公演もできるなと思って、去年初めてやってみたんです。それが中々手応えがあり、じゃあもっと自分のアイデンティティを盛り込んだパフォーマンスに出来ないかなと思って、nuIdeという作品を考えてみました」

――― 演劇の中にダンスが多めにあるのではなく、純粋にダンスのみ公演ということですね。

木村「はい。『ありのままの裸の自分を』というメッセージは演劇だとちょっと…(笑)。抽象的なことを様々な視点で捉えてもらうにはダンスの方がいいんじゃないかと思っていて、それで前回のダンス公演で魅力的だった2人に『今度は脱いで欲しい』と企画を説明し始まりました」

――― 初めから『脱いで』というお話をされていたのですか?

三森「そうですね (全員爆笑) 私と裕くんの2人と何かをやりたいということでお話があり、2人が揃うのなら……ということでこの企画になったんですよね」

木村「そうそう。ジャンルの異なる振付家二人が一つの作品を作るって面白いだろうなって」

三森「新しい挑戦ですね。私はいつもテーマパークや子供向けの振り付けをやっていて、ストーリー性があったり、歌詞にあてて創ったりという、具体的な振り付けを創ることが多かったんです。それに反して今回は抽象的な世界。そういうものを創る機会が普段あまりないので、逆に思い切って振付していこうと思っています。枠にはまらない独創的な裕くんと一緒にやることで、更に新しいものが出来て面白いんじゃないかなって」

――― 全てが挑戦になりますね!

山本「そうですね、新しい挑戦だと思っています。ダンサー達も19名集まってくれました。ジャンルやバックボーンも様々で、本当に色々な方がいる状態ですが、そんな19名がお互いの良い所を生かしたり足りない所を補ったりする中に『nuIde』というテーマに近づいていくヒントが隠されているような気がします」


インタビュー写真

ありのままの私をさらけだす表現とは?

――― どんな公演になりそうですか?

木村「もう、ダンス1本勝負!でも作品が持つメッセージが伝わる仕掛けはしっかり作ります。どう見ていいか全くわからない作品に出会ってしまうと、それが原因で舞台そのものを敬遠してしまうことがありますよね。僕は、演劇でもダンスでもちゃんと伝わって楽しめる作品を創らなきゃいけないと思いながら、プロデュースをしています。だから今回も思わず見入ってしまうよう、いかに引っ張り込んでいくかをとことん拘りたいです…… 難しいバランスですけど(笑)」

――― とても大変だという事がだんだん解かってきました。そんな中でも三森さんが楽しみにしている事など具体的には?

三森「ダンサーの一部分は公募のオーディションで選んだ部分もあって、19のバラバラな個性が集まったんです。それをどう生かして作品を創っていくのかは、大変だけど楽しみですね。もう稽古が始まっているんですが、私にとっても刺激的な時間になっています」

山本「このダンサーはここが美しいとか、ここを生かそうとか、独自の強い信念を持つことが僕は現代作品で一番大切な事だと思うんです。それが現代に生きる私たちの声となって届くのではないかなと。
 この『nuIde』のテーマのように気付かないまま自分らしさを失っていることがあるはずなんです。真剣に自分自身に問いかけたり、孤独になって考えたりする瞬間も大切で、その先でそれぞれに『nuIde』が起きるんじゃないかと思います。孔三さんはストレートに『nuIde』を創ると言っていますが、クライマックスまでの道のりをどう描くかでこの作品の面白さは変わります。誰も考えていない深いところまで考えてやるかもしくは、全く別の角度から冒険するかですね」

三森「私が作るコンテンポラリーダンスなどは本当にわかりやすさ重視で、誰が見てもそのまま伝わるところが私の味だと思っています。ただそれだけでは幅が広がらないとも思っていて、今回は自分自身も新しい所へ登って行きたいですね。とはいえ、私が目指している抽象的なものが一人で出来るか分からないので、そこは裕くんと上手く一緒にやっていきたいなと思います。私としては、とにかく伝わることを大事にしたいですね」

――― わかりやすさもポイントになっているということですね。

山本「『わかりやすさ』という言葉に関しては、渚さんと僕ではちょっと違う部分があるんですけど、二人の持ち味を上手く融合させていきたい。僕は伝えるという事の手段に何か一つ挟むようにしているんです。錯覚を起こすことで、より伝わりやすくするというのが得意技なんです(笑)。
 少しネタバレになりますが、脱いだ先に、いろんな人と繋がれるという希望を最後に持っていきたいと思ったんですね。その時に『水』を使いたいなと。僕の中で『水』は人と人との間で水がつなぐ役割をしているのではないかというイマジネーションが何年か前からあって、それを作品にできたらと思っていました。人は水のせせらぎを見たら和むし、水をかけあって遊べば人との距離は近くなるし、一緒にお風呂に入ればリラックスして関われる…… そんなことを場面の中で生かしていきたいですよね。そして最終的に裸もファッションなんだという所もみせたい。物体的な部分から精神的な部分も魅せていけたら」


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ダンスには欠かせない音楽、ジャズやノイズ系など色々な構想がまだまだ溢れてくる

三森「オーディションをする時、特にジャンルを言わなかったんです。受ける人は難しかったかもしれませんが、でもあまり決めずにやりたくて、そのシーンの意味に合ったものであったらジャズも取り入れるし、ノイズもという考えでいます」

木村「原案を書いた時に、関わる人はみんなもう一皮剥けるきっかけを手に入れてほしいと思いました。振り付けが二人という組み合わせも苦労するだろうし、参加する方々も自分のジャンルの中だけではいられない。自分自身を露にしていかないと手に入らない輝きを見せてほしい。困惑する人もたくさんいると思うけど、心が揺さぶられるから鎧が外れてヌードになっていく。驚きがないと感動は生まれません。この作品を創っていくプロセスから<ヌイデ>いきたいなと。この作品に出会った結果、私達はヌードになりました、みたいな」

――― 最後に気が付けば全員が裸になっていた…

木村「『nuIde』というタイトルは『ヌードな私』ということで、タイトルのIが大文字なんです。Nudeの中に『I』私が入っているんです。観終わった後、いつも隠している自分を少しだけ表に出してみようかなって勇気を持てるような作品になると思います。芸術の秋に相応しいダンスエンターテインメントを創ります」

――― 新しいジャンルをのぞき見するようなイメージが湧いてきます。

三森「ダンスと思って創ってないかも」

木村「新しいジャンルなのかな!?そうなっていけば嬉しいね」

山本「今あるものだけに囚われず昔からあるものも全て取り入れて、一つの普遍的な喜びとか悲しみとかそういうものを描いてお客様と触れ合いたい。僕は今そういうことが一番の価値となる時代に来ていると感じています。」

木村「ということで、TWTオリジナルの、心躍るダンスが生まれる瞬間にぜひ立ち会ってください!!」


(取材・文&撮影:谷中理音)

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公演情報

「nuIde」のチラシ画像
パフォーマンスユニットTWT
nuIde


2017年11月1日 (水) 〜2017年11月5日 (日)
日暮里 d-倉庫
HP:公演ホームページ

全席自由(前売):3,800円
得割(☆)3,500円
(全席自由/税込)

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