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ウェイウェイ・ウー

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現代二胡のパイオニア的存在、ウェイウェイ・ウーのコンサートが12月にツアーファイナルを迎える!

一人でも多くの方、自分を応援してくださっている方に感謝と感動を伝え続けたい

TVドラマや映画音楽などで聞く機会が増え、「癒される」と虜になる人が続出している二胡の音色。 その二胡の普及のため精力的に活動を行ってきたのがウェイウェイ・ウーだ。 去年は来日25周年のアニバーサリーイヤーを迎え、今年はメジャーデビュー15周年、4月にはNEWアルバム『Legacy』を発表し勢いは止まらない。現在全国ツアー真っ只中、2017年12月にはツアーファイナルを迎える。オープン1周年を迎えた彼女のカフェで話を聞いた。

PROFILE

ウェイウェイ・ウーのプロフィール画像

● ウェイウェイ・ウー
中国・上海生まれ。 5歳からヴァイオリンをはじめる。上海音楽学院付属小学校を経て、上海戯曲学校で二胡とヴァイオリンを専攻。 その後、1991年に来日。新たな二胡の可能性を開拓すべく、さまざまなジャンルのミュージシャンとコラボレーションを精力的に行い、その過程で、従来座って演奏する二胡のスタンディング奏法の考案など、独自の演奏スタイルを確立。ロック、ジャズ、クラッシックとの共演を可能にした、現代二胡のパイオニア的存在。2017年4月にはNEWアルバム『Legacy』を発表、現在ツアーで全国を回っている。

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恩返ししたい気持ちが原動力

――― 記念日尽くしの2017年ですが、色々な手応えがあるのでは?

「記念日やイベントは大好きなんです。ファンの皆さんもパーティ気分で盛り上ってくださいます。
 来日して26年になりますが、皆さんと出会って、このカフェも出会いの場所となって更に皆さんに会え、なにより音楽を発信できる場所がたくさんあって嬉しく思っています。今年もアルバムをリリースしたので、去年の分もたくさん全国を回りたいと思っています。皆さんに感動をお届けできたら」

――― NEWアルバムの「Legacy」についてお聞きします。「遺産」という意味で捉えそうになりますが、一区切りの位置づけですか?

「二胡という楽器は伝統楽器ですから、伝統をただ守るだけではなく受け継がれていくという意味でLegacyという名前を付けました。このアルバムを聞いて、二胡という楽器をやってみたい、もっと知りたい、もっとコンサートにいきたいと興味を持ってくださるように、選曲を工夫して作った一枚です」

――― ウェイウェイさんが常に走り続けられる原動力はなんでしょうか?

「やはり沢山の日本の皆さんに愛されて、私の音楽のファンに愛されて、その皆さんに感謝の気持ちで次をどう答えていくのか、恩返ししたい気持ちが原動力になっていると思います」


自分が感動した曲を二胡で更に感動を表現していく

――― ツアーで全国を回りますが、それぞれ反応は違いますか?

「地方ごとに特徴がありますが、共通している部分もたくさんありますね。どんな会場でも二胡を習っている方がいらっしゃいます。びっくりするくらい遠い街まで3〜4時間かけて車でお稽古に行っている方も。それを聞くと本当に感動します」

――― 地方のかたは生で二胡の演奏を聴く機会はなかなかないと思いますが。

「はい、目線が普通のお客さまと違って、動いている左手、右手を食い入るように見るんです。逃すまいと怖い目線の人はだいたい二胡を演奏する人です(笑)。それを感じた時も嬉しいですよね。もっと応えてあげたいという気持ちが生まれます」

――― 教本も出版されていらっしゃるから、お手本が目の前に!

「そうそう! たまに指を一緒に動かしている方もいらっしゃいますよ!」

――― 演奏の映像を拝見しますと、全身でコミュニケーションをとっていて動くことの大切さを感じます。あらためてコンサートの醍醐味とは?

「コンサートは来てくれたお客様と一体になって、その会場でしか味わえないものがあります。1000人の会場、300人の会場、ライブハウスやコンサートホールなど全然違います。それぞれの空気感で出せるものを、時間によっても味わうものは違うので大切にしています」

――― 演奏はドラマからアニメ、名曲、ミュージカルまで、幅広くとても贅沢な選曲になっています。選曲のポイントとは?

「まず私自身が感動できる音楽であることですよね。自分が感動した曲を二胡で更に感動を表現して、聞く人に感動してもらう、そこがポイントですね」

――― 4月には上海コンサートが開催されましたが日本との違いはありますか?

「中国の二胡の愛好家は大人がおらず、ほとんどが伝統曲を習う子供なんです。日本の皆さんが二胡が好きという事を、二胡のふるさと中国でどうしても伝えたいと思い、日本から二胡が大好きなメンバーを連れていき一緒に笑顔で演奏したら『中国には無かったウェイウェイのスタイルで楽しめた』と感想をたくさんもらいました。逆輸入です」

――― 中国では今も二胡は座って弾くことが多い楽器ですか?

「はい、多いです。もちろん女子十二楽坊というユニットが中国にありますが、弾く楽曲が決まっているので自由さはあまり無くて、でもこれから私のスタイルも加わってどんどん変化する可能性がありますよね。時間はかかってもそれは確信しています。いいものは皆さん真似したくなるものです」


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コンサートでは一緒に楽しまなくては損! 美しさの秘密はHAPPYでいること。『Legacy』を聴きながら幸せホルモンを出して、肌も身体もきれいにHAPPYになってほしい

――― コンサートはホールやカフェなどが定番ですが、変わった所などやってみたい場所はありますか?

「そうですね、色々な所でやってみたいです。例えば海辺とか、楽器には良くないんですけど(笑)。お寺や神社はとても合うんです。二胡は携帯しやすい楽器ですから、これからもどんな場所でも弾きたいなと思っています」

――― さて12月の公演について、どんなことになりそうですか?

「このコンサートは今回のツアーのファイナルになります。このツアーを経験して戻ってきたファイナルは、更にパワーアップ、バージョンアップしたものをお届けしたいと思っております。そして2018年以降の事を予感させるようなことも絶対入ると思いますので楽しみにしていて欲しいです。貴重な一日、見逃せない内容になっていると思います!」

――― コンサートは衣裳も楽しみのひとつですね。

「より二胡の美しい音色を感じていただけるような衣裳を自分で考えていまして、ショッピングに行くとステージ衣装の事をまず考えています(笑)。ステージ衣裳を選ぶのは本当に大好きです」

――― 気持ちを上げていくには大事ですよね。

「そうですよね! あとは曲に寄り添って考えますね。この間、曲に合わせてパイレーツの格好をしましたが、ファイナルではまた違うパイレーツに会えると思います! 
 いまパイレーツ・オブ・カリビアンの映画が公開されていますが、映画を生かしたパイレーツの衣裳を楽しみにしていてください。レコーディングの時は知らなかったから、まるで私のアルバムをお祝いしてくれるかのようで、こんな偶然があるのかとうれしいです」

――― 作品を作るには、その前に身体に取り込む作業などが必要と思いますが、ウェイウェイさんの物づくりとは?

「感性を磨くことは大事ですよね。一つの事だけではなくて、ジャンルに関係なくぜんぜん違う世界の物を聞いたり読んだり見たりしています。ロックもよく聞きますが、演劇も映画も観ますし、もちろん本も読みます。自分が感動を与える立場ですので、感動を常に受けていたいですし、感動することに出会いたいと思っています。
 あと、毎日忙しいので『ゼロに戻る』何も考えない時間をなるべくとるようにしています。ヨガなどで瞑想すると本当にゼロに戻ります。抜くことも大事ですよね」

――― 今後の展望など描いていることはありますか?

「今までもやってきましたが、一人でも多くの方、自分を応援してくださっている方に感謝と感動を伝え続けることですね。これはずっと自分が活動している限り、続けて行きたいです」

――― では最後に12月の公演にむけて、メッセージをお願いします。

「今年は『Legacy』を半年以上かけてツアーで全国をまわり、まさにそのファイナル公演となります。歴史ある日本橋の三井ホールに集合していただいて、最高の『Legacy』のステージを一緒に味わいたいと思っています。ぜひいらしてください」


(取材・文&撮影:谷中理音)

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