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株)酔いどれ天使

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飲み仲間からものづくりのパートナーへ。年1回のペースで意欲作を放つ話題の集団

ストーリーが途中で複数のルートに分岐! ゲーム感覚を体感できるファンタジー作品

 公演を「株主総会」、観客を「株主様」と呼ぶ、会社風スタイルの演劇プロデュース集団=株)酔いどれ天使。その正体は、各方面でキャリアを積んだ演劇人たち。『FINAL FANTASY IV』などのゲームシナリオを手がける時田貴司のファンタジックな世界観と、それぞれの「社員」たちの持ち味を活かした繊細かつ強固な劇空間が持ち味だ。昨年行われた3回目の「株主総会」では物語が途中で分岐するマルチエンディングを用意し、ゲームと舞台の融合を実現。  そして9月に上演される新作『エンジェルナイツ』では、マルチエンディングへ至るルートを増やし、さらなるパワーアップを目指すという。そんな話題の集団から首脳陣に集まってもらい、『エンジェルナイツ』のメインキャストとなる客演陣を交えてインタビュー(≒飲み会)を行った。

PROFILE

船戸慎士(ふなと・しんじ)のプロフィール画像

● 船戸慎士(ふなと・しんじ)
9月19日生まれ、埼玉県出身。1999年よりスタジオライフ所属。劇団公演のほか外部作品にも多数参加し、これまで出演した舞台は100を越える。近年は演出も手がけるほか、明治座の講師を務めるなど、役者にとどまらず活動の幅を広げている。酔いどれ天使での肩書きは「雇われ社長」。

南口奈々絵(みなみぐち・ななえ)のプロフィール画像

● 南口奈々絵(みなみぐち・ななえ)
2月28日生まれ、三重県出身。劇団ショーマ所属。劇団公演のほか、劇団☆新感線やAND ENDLESS、Nana Produceなど外部作品にも多数出演。趣味は和太鼓と殺陣。テレビCMナレーションやラジオドラマ/CM、イベントでも活動。酔いどれ天使での肩書きは「副社長」。

時田貴司(ときた・たかし)のプロフィール画像

● 時田貴司(ときた・たかし)
1966年1月24日生まれ。高校時代から演劇活動を始め、アルバイトとしてゲーム業界に。現在はスクウェア・エニックスで『FINAL FANTASY IV』『半熟英雄』シリーズなど人気ゲームのディレクションやプロデュースを行う一方、演劇作品の脚本も手がける。酔いどれ天使での肩書きは「顧問」。

加藤真紀子(かとう・まきこ)のプロフィール画像

● 加藤真紀子(かとう・まきこ)
演出家・脚本家。今年関わった作品は、Office54『47男子』(演出監修)、劇☆男『BIRTH 〜joiningsouls〜』(脚本・演出)、芸映『むばたまの夜に降る白雪の月影』(脚本・演出)。エンターテインメントユニット「PUPA」でも活動している。酔いどれ天使での肩書きは「常務」。

堀川りょう(ほりかわ・りょう)のプロフィール画像

● 堀川りょう(ほりかわ・りょう)
2月1日生まれ、大阪府出身。小学生の頃から子役として活動。26歳で声優デビューし、『ドラゴンボール』シリーズのベジータや『名探偵コナン』の服部平次、『銀河英雄伝説』のラインハルトなど、数多くの人気キャラクターを担当。酔いどれ天使での肩書きは「相談役」

溝口優(みぞぐち・ゆう)のプロフィール画像

● 溝口優(みぞぐち・ゆう)
1986年12月7日生まれ、東京都出身。2007年に劇団foolを旗揚げ。アニメーション活劇と銘打ち、ダンスや殺陣、映像などを駆使した派手な舞台で人気を博する。外部出演も多く、8月9日〜13日にはネコ脱出『ザ!アンケート!!〜一枚の紙に託したヒーローの話』に出演する(船戸慎士も出演)。

中口翔(なかぐち・しょう)のプロフィール画像

● 中口翔(なかぐち・しょう)
1990年3月1日生まれ、鳥取県出身。映画や舞台で活動。今年は『BIRTH 〜joiningsouls〜』『むばたまの夜に降る白雪の月影』『イズ・ザット・フォー・リアル ーLife goes onー』などに出演。8月12日には朗読劇『学園デスパネル』(作・演出:冨江洋平)に出演する。

インタビュー写真

ファンタジーと現実が生の舞台で混ざる面白さ

――― 株)酔いどれ天使は、時田さんが脚本を手がけたR:MIXの舞台『ストラルドブラグ〜魔神邂逅〜』(2007年)の共演者による飲み会からスタートしたそうですね。

船戸「りょうさん(堀川)と時田さんはその前から何回かご一緒していたんですけど、南口とはそのときが初めてでしたね。それで毎日のように飲みに行くようになって……発起人はりょうさんです」

堀川「終わったら飲みに行くのは当たり前、みたいな感じでね」

南口「そこから7年間は、ただの飲み仲間として集まっていました。その中で、『ストラルドブラグ』に出ていた若い役者の子たちから“出演の場がない”という話をよく聞くようになって、じゃあ何かやってみようかということになったのが2013年。それで次の年に最初の株主総会(=公演)をやったんです」

――― 会社風のスタイルにしたのは?

南口「りょうさんが“この集まりが会社になってて、飲んでるだけで給料がもらえたらいいね〜”って言い出して(笑)。それで“私たちって酔いどれ天使だね”っていう話からこの名前になりました」

堀川「楽しい集団ですよ。皆さんを巻き込んでお祭りみたいにワーッと盛り上がって、楽しければそれが一番。お芝居って基本的に消え物だから切ないけど、その切なさがまた次へつながるんです」

船戸「りょうさんはいつもこういう感じでいてくれる、ムードメーカーでもあります」


インタビュー写真

――― 作品はどれもファンタジー的な世界観がベースになっていますね。

時田「僕は普段ゲームを作っているので、ゲームっぽさは自然と出てきますね。1作目の『エンジェル・ガーディアン』(2014年)は僕1人で書きましたが、2作目『ニートエンジェルVSリストラデビル』(2015年)はネコ脱出の高倉良文さんと共同脚本で、3作目の『AI:Angel Identity』(2016年)はラチェットレンチの井上賢吏君と一緒に書いたものを、演出の加藤さんに入ってもらって仕上げました。僕がゲームの仕事で忙しいという理由もありますが、何か化学反応があった方が面白いと思って」

加藤「時田さんの脚本ってすごくシンプルなんです。普通はもっと細かくいろいろ書いてあるものだから、初めて見た人は驚くと思います。そこからディスカッションして、脳内が見えてくるときが面白いですね」

時田「ゲームの場合は映像があって世界観も固まっているので、あまり説明しない方が気持ちいいテンポになる。あと、昔のゲームは容量が少なかったので、シンプルに書くところと、ここぞというところでちゃんと説明するというメリハリをつける必要があって、それが染みついているところはありますね」

――― 今回の『エンジェルナイツ』は、まさにゲームを題材にしたストーリーということですが。

船戸「前回の『AI:Angel Identity』からマルチエンディングを取り入れて、株主様(=観客)も参加してもらえるようなスタイルの確立を目指しています。マルチエンディングの演劇は他にもありますが、うちらは物語の途中にも分岐点を作っているのが特徴で、今回はその数をさらに増やそうと思っています」

時田「組み合わせのバリエーションでいうと何通りになるのか……」

船戸「だから稽古は相当大変ですよ」

堀川「本番もね」

船戸「下手すると、一度もやらないで終わっちゃうものも出てくるかもしれない(笑)」

――― そんな大変なところに放り込まれるのが溝口さんと中口さん。

溝口「怖いっす(笑)」

船戸「彼がちょっと引きこもりな感じの主人公で、そんな彼がゲームで使う戦士のキャラクターを演じるのが中口君。主人公とは真逆の、ガンガン行く戦士です」

時田「主人公が、自分の願望を反映させて作ったキャラクターと一緒に異世界に入っていく。ファンタジーと現実がぐちゃぐちゃに混ざる感じを舞台でやると面白いんじゃないかなと思っています」

溝口「もともとゲームは好きで、それこそ『FINAL FANTASY』も大好きなので楽しみです」

中口「最近は控えめな役もありますが、今までやってきたのはどちらかというとはっちゃける役が多いので、ちょうどいいですね(笑)。お酒も嫌いじゃないので、そういうところから皆さんと仲良くなれたらいいなと思います」


インタビュー写真

この場所だからこそ味わえる楽しさがある

――― 酔いどれ天使の皆さんは普段それぞれの分野で活躍されていますが、その中で酔いどれ天使での活動をどのようにとらえていますか?

南口「それまで役者しかやったことがなかった中で、酔いどれ天使では制作など裏の仕事もやることで、ものづくりに対する覚悟が増したと思います。実際は、会社風の団体にしたせいで面倒なこともたくさんあって(苦笑)、自分は役者なのか何なのかって疑問も生まれたんですけど、外で客演したときにスタッフさんのことも気になってしまうくらいアンテナを張れるようになったのは、酔いどれのおかげだと思います。あと、時田さんの脚本と加藤さんの演出、そして清田愛未さんが作る主題歌、そのトライアングルがすごく好きなんです。それをどこか別の団体がやってくれるなら客演したいってすごく思う。でもそういう団体はなかなかないので、自分たちで作るしかないなっていう思いでやっています」

堀川「私にとっては、ここはある種の聖域ですね。私は自分の会社もやっていますので、そちらでは損益決算とかバランスシートとかいろいろシビアなことを考えなければいけませんが、それとはちょっと離れて自由な空間と時間がここにはありますから、とても贅沢な場所ですよ。後顧の憂もなく参加させていただいて、美味しいお酒が飲める。それで十分幸せです」

船戸「南口も言ったように、やっぱり裏を知ったというのは一番大きいですね。僕もそれまで役者しかやっていなかったので、芝居を打つというのがどういうことなのかを知って……その後に僕も演出やプロデュースをするようになって、いろいろ幅が広がりました。そういう意味で、酔いどれは僕にとって1つのターニングポイントです。役者脳だけでやっているときもそれはそれで幸せでしたが、今はもっと俯瞰的、多角的に見られるようになったと思います」

時田「ゲームではデジタルの世界を作っているわけですが、演劇には生の面白さと凝縮された熱量みたいなものがあります。その良さをもっとゲームにも取り入れることもできるし、そういう意味で刺激的ですね。今回は劇中の分岐点も増えますが、稽古期間が短い中でクオリティも密度も高いものを作り上げる、その集中力と人間力はすごいなって痛感しますし、エネルギーをもらえます」

加藤「時田さんのシンプルな脚本には、一番言いたいことしか書かれていないから、そこを生きる人間がどう膨らませるかというのは勝負ですね。そこまで考えてなかった、って言われるのが面白い。でも、じゃあその世界観でいきましょうとなると、全部がちゃんとつながるので、やっぱり考えてらっしゃるんです。そこがすごく面白いし、作品作りにおいて毎回発見があります」


インタビュー写真

――― では客演のお2人も交えて、『エンジェルナイツ』を観に来る「株主様」たちにメッセージをいただけますか。

溝口「とにかく観に来ていただければ絶対に後悔しない作品です。演劇はハードルが高いと思っている方も、この『エンジェルナイツ』が初めて観る舞台になればいいなと思います。今回は殺陣もやりますので、ぜひよろしくお願いいたします」

中口「今回初めて酔いどれさんの作品に出させていただきますが、たぶん僕のファンの方も酔いどれを観るのは初めての方が多いと思うので、一緒に楽しんでいただけたらなって心から思います。久々にアクションを見せられる機会でもあるので、そこもしっかり観ていただきたいです」

南口「ゲームが好きな方はたくさんいらっしゃると思いますが、そこから一歩外に出て、“生もの”の良さを知るきっかけにしてくれたらいいなと思える作品です。いろんなエンターテインメントがある中で、そこを一番大事にしたいと思っているので、ぜひ観に来ていただきたいです」

船戸「今回は満を持して、時田さんに真正面からゲームの世界を書いていただきます。分岐点も増やして、“ゲーム×舞台”の世界をより一層堪能できると思いますので、ぜひ2回3回と観に来ていただければ、大変な稽古も実を結ぶかなと(笑)。希望のある結末=HOPEと、衝撃の結末=SHOCKの両方をぜひ楽しみにしていてください」

時田「今はソーシャルゲームとかネットワークゲームのように、ゲームを使ってコミュニケーションする時代になってきているので、そういうところもテーマに織り込むつもりです。そこに演劇ならではの面白さをミックスして、楽しめる作品になるよう頑張ります」

加藤「この物語はゲームに詳しくないとわからないというのではなく、ゲームをやらない人も共感できるように作られています。なおかつ、日常や現実にリンクしたメッセージがたくさん入っているので、どんな方も普通に楽しめる作品だと思います」

堀川「とにかく一度体感してみてください。テーマパークのアトラクションみたいなものだと思って、童心を持ってお越しいただければと思います。よろしくお願いします」


(取材・文&撮影:西本 勲)


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公演情報

「エンジェルナイツ」のチラシ画像
株)酔いどれ天使 第4期株主総会
エンジェルナイツ


2017年9月6日 (水) 〜2017年9月10日 (日)
ウエストエンドスタジオ
HP:公演ホームページ

22名限定!4,300円(全席自由席・税込・お土産付) → 3,600円 さらに2,100Pゲット!さらに購入24時間以内にREC投稿で700Pゲット!(9/7 17時15分更新)
詳細はこちら
「エンジェルナイツ」のチラシ画像
株)酔いどれ天使 第4期株主総会
エンジェルナイツ


2017年9月6日 (水) 〜2017年9月10日 (日)
ウエストエンドスタジオ
HP:公演ホームページ

前売:4,300円
(全席自由席・税込・お土産付)
詳細はこちら