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エンテナ PLAY UNION

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演出&出演者を総入れ替え!

30分×4本でお贈りするオムニバス演劇

注目の演出家・脚本家4名がそれぞれ自由に書いた30分作品を上演する舞台「エンテナPLAY UNION」。“こんなお得感を感じる舞台はない!”と人気を博す本シリーズの第五回公演となる『真夏の果実の花の頃。』では、脚本・演出に高島紀彦、冨江洋平、大村仁望、市川大貴、主演に益満洸輝、三浦菜々子、影山靖奈、大崎捺希が参加。演出家陣にとっても“同じ現場で他の演出家と交流できるのはなかなかない”と新たな刺激の場になっているという本作について話を聞いた。

PROFILE

高島紀彦(たかしま・のりひこ)のプロフィール画像

● 高島紀彦(たかしま・のりひこ)
演出家、舞台監督。言葉遊びや時事ネタ、日常の中に非日常を入れることによる「シチュエーションコメディー」を得意とし、畳み掛ける会話のテンポでストーリーを展開させる会話劇の演出に定評がある。代表作に『サイコメ;ステージ』、『ファントムチューニング』『拡がる世界の片隅で』など。

益満洸輝(ますみつ・こうき)のプロフィール画像

● 益満洸輝(ますみつ・こうき)
12月8日生まれ、広島県出身。俳優。現在は舞台を中心に活躍中で、主な出演作に舞台『私のホストちゃん REBORN』純一郎役、舞台『サイレントメビウス』井沢望役、CM「BOSS缶コーヒー」お巡りさん篇60秒などがある。

冨江洋平(とみえ・ようへい)のプロフィール画像

● 冨江洋平(とみえ・ようへい)
1979年10月30日生まれ、兵庫県出身。俳優、脚本家、演出家。俳優としては、TBS系『天皇の料理番』、木更津のご当地ヒーロー『鳳神ヤツルギ』TVシリーズ、舞台『真田十勇士・序章〜戦国アサシン〜』などに出演。脚本・演出作品に『23区女子』『47男子』などがある。映画・舞台のプロデュース業も行っている。

三浦奈々子(みうら・ななこ)のプロフィール画像

● 三浦奈々子(みうら・ななこ)
1998年9月16日 生まれ、神奈川県出身。俳優、EDMユニット「Stereo Tokyo」リーダー。ユニットでは主にDJ担当。主な出演作に、映画「『超』怖い話」、舞台『実は私は』銀華恋役、舞台『乱歩奇譚 Game of Laplace』ノロ役、CM『東芝REGZAポータブルテレビ』などがある。この4月から現役女子大生に。

大村仁望(おおむら・ひとみ)のプロフィール画像

● 大村仁望(おおむら・ひとみ)
1987年4月6日生まれ、長野県出身。俳優、脚本家、演出家。高校時代に処女作となる『真龍山の人形師』が長野県高校演劇創作脚本賞、優秀賞とSBC信越放送賞をW受賞する。『甘くないラテと恋の話』で演出家デビュー。女三人芝居ユニット「HitoYasuMi」として活動するなど、幅広く活躍中。

影山靖奈(かげやま・やすな)のプロフィール画像

● 影山靖奈(かげやま・やすな)
1994年6月29日生まれ、静岡県出身。俳優。空手・静岡県2位、剣道・全国3位という実力を持ち、近年ではアクション俳優としても活躍。代表作にNTV『マジすか学園4』、舞台『おとめ妖怪ざくろ』橙橙役、映画『CAGE』マナ役などがある。エンテナPLAY UNIONには、第1回公演、第3回公演と出演。

市川大貴(いちかわ・だいき)のプロフィール画像

● 市川大貴(いちかわ・だいき)
1989年1月13日生まれ、東京都出身。エンテナPLAY UNIONの総合演出であり発起人。役者として舞台やドラマで活躍。最近ではTBS系列『逃げるは恥だが役に立つ』(2016年)スリーアイ社員・神保弘樹役などに出演。エンテナPLAY UNION第4回公演では『ブルーバードシンドローム』で脚本・演出を担当した。

竹田亮(たけだ・りょう)のプロフィール画像

● 竹田亮(たけだ・りょう)
1990年4月17日生まれ、沖縄県出身。エンテナPLAY UNIONのプロデューサー。俳優としてはNHK『ある日、アヒルバス』、 CX系列『ストロベリーナイト』、舞台『The Red Moon Night〜月が飛ぶ夜〜』(主演)などに出演。近年は映画や舞台の企画・制作側として活動の幅を広げている。

インタビュー写真

――― 全体タイトルの「真夏の果実の花の頃」にはどういった意味があるのでしょうか?

市川「公演時期の6月は、真夏の果実が花の頃かもしれないと思ってつけました。いつも歌謡曲をイメージしてるんですけど、今回はサザンオールスターズが出てきました」

竹田「降りてきちゃったねえ」

市川「だから深い意味はないです(笑)。企画趣旨上、各作品で一貫したテーマを作っていないので、固定したイメージにならないようなタイトルにしています」

――― メンバーはどのように選ばれているのですか?

竹田「基本的にはお付き合いのある方や今後ご一緒していきたい方にお声かけしています」

――― 組み合わせはどういう風に決めているのでしょうか?

竹田「演出家さんとのバランスで決めています。今回の主演のキャスティングに関して特にこだわったのは、“フレッシュ”だということ。今までは、割と商業的に出ている方にこだわっていたんですけど、それを一新してみようと思いました。企画自体のもともとのコンセプトに“初めて演劇に触れる方にも参加してもらいたい”というものがあるので、今回はそういう意味で勇気を与えられるんじゃないかと思っています」

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――― 今回で第5回ですが、プロデューサーの竹田さんは今までやってきて手ごたえを感じていますか?

竹田「もちろん感じています。この企画の出演者って、主演以外は基本的にオーディションで選出するので初めて演劇に触れるような役者さんとか、なかなか商業演劇に出ていけない役者さんが多いんですけど、後に組んだ演出家さんの別の作品に出たりするんですよね。逆に別の演出家さんが『あの子よかった』って引っ張っていったりもします。そういうのを見るとプロデューサー冥利に尽きるなと思います」

――― それは立ち上げからイメージしていたことですか?

竹田「そうです。なので演出家・脚本家と主演が4人いるのにもこだわってるんですよ。2作品掛け持ちすることだってできる方ばかりなんですけど、それをやらないのは横のつながりを作りたいから。特に演出家・脚本家は横のつながりを作る場が少ないので。それでお互いに刺激を受けたとか話が弾んで飲みに行ったとか聞くと、やってよかったって思いますね」

――― 市川さんは総合演出としてどうですか?

市川「小劇場の界隈で6団体が15分の短編作品を上演する『15 Minutes Made』(Mrs.fictions主催)という企画があるんですけど、それをお客として観に行くとカタログを見るように楽しめるんですよね。『エンテナPLAY UNION』もそういう風に楽しんでもらって、ここで気に入った人の別作品を観に行ってくれるといいなと思っています」

――― 演出家のみなさんはこの30分×4本という企画に参加されることはどう感じていますか?

冨江「まず単純に、同じ舞台で他の演出家さんの作品を観られるのが良いですよね。僕はまだまだ未熟ですが、ほかの演出家さんたちがどういう風にまとめてお客さんを楽しませるのか、というのは楽しみだし、プラス勉強をさせてもらおうと思います」

高島「僕は文化祭かなって思っていて。チーム分けがあって、ほーって思いながら楽しめたらいいかなって思ってます。プレッシャーはあまりなくて、みんなで楽しんでやって、お客さんに楽しんでもらえたらいいんじゃないかなって」

大村「私、自分が出演をしないで脚本と演出をやるのが実は初めてというのもあって、完全に作り手に徹するっていうこととキャリアのある皆さんと一緒にやるというので、緊張してメンタルが不安なんですけど(笑)。でも単純に座組のみんなと一つの作品を愛して進んでいけたらって思ってます」

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――― 出演者としてもなかなかない作品だと思いますが、今回が3回目の出演となる影山さんはいかがでしょうか?

影山「30分の作品を4本やると、お客さんの感情がすごく変わっていくのがわかります。それにお客さんの声として『4本の中でこれが好きだった』というのが聞こえてくるので、それもいい刺激になったり。学校のクラス対抗みたいな感じになるのもすごく面白いし、ほかでは味わえない楽しさがありますね」

――― 今回初出演の益満さんと三浦さんはどうですか?

益満「僕、共演者の役の真似をしてみるのが好きで…共演者の芝居をやってみることで『こういう風に演じているのかな』とイメージして、自分にプラスしていくのが好きなんです。なので今回4つの話があっていろんな役が見られると思うので、勉強しながら楽しみたいと思います。」

――― 三浦さんはどうですか?

三浦「私は舞台を観るのも好きでよく行くんですけど、30分のオムニバス作品って観たことがないので楽しみです。短いお話が4つあるのはお客さんとしても観やすいんじゃないかなって思うのですが、やる方はギュッとして演じなきゃいけないので難しいのかもしれない。でも今は楽しみの方が大きいですね!」



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――― 組み合わせごとに、作品でやってみたいことやそれを受けての感想を聞かせてください。

<演出・高島紀彦×主演・益満洸輝『雨の中の紫陽花』>
高島「この作品は再演なんですけど、もう一回しっかりやってみたいなと思って決めました。内容としては、順風満帆な会社員が結婚して1年足らずで奥さんが亡くなり、その悲しみをどう表現できるかなっていうところで。益満さんがフレッシュなので、そこも活かしつつやっていければなと思ってます」
益満「再演と聞いて、僕としては『今までで一番良かった』と言われるようにやっていきたいなと思います。今まで僕はチャラめの役が多かったのですが、今回は初めて演じるような役柄なので、新たな道が開けるのではないかというのも期待しつつ、楽しんで演じられたらと思います」


<演出・冨江洋平×主演・三浦奈々子『記憶ダイバー・シュリ』>
冨江「今回は会話劇。僕は“トーキング・エンターテインメント”というジャンルを作りたいんですけど、2時間のハリウッド映画みたいな内容をマシンガントークの会話劇でギュッと30分で見せられたら楽しいだろうなって。それを若い三浦さんにすべてやってもらおうと(笑)。せっかくチャンスをいただいたので!」
三浦「話を聞くと難しそうですよね。でも今回演じる“情に厚いが故に失敗ばかりする新人の女性”という役は、今までも明るくてちょっと抜けてるような役が多かったので、得意だと思います(笑)。殺陣は初めてなのでそこだけ不安かな。楽しみです!」


<演出・大村仁望×主演・影山靖奈『恋の快速急行』>
大村「渋谷0時52分発の終電が、なんらかの理由で止まってしまうところからスタートするお話です。その電車に乗ってる人たちの悲喜こもごもを影山さん中心に描いていって、彼女がそこに巻き込まれる中で能動的に動き出す、その流れを演じていただけたらと思っています。私が女性主演の作品しか書いたことがないのですが、今回も彼女のギャップなどを見つけながら作っていきたいです。脚本は当て書きしたいので稽古場でいろいろ変わってくるかもしれませんが、今日お会いして芯が強そうだと感じたので、逆の弱さとか儚い部分を描きたいなと考えています」
影山「武道ばかりやっていてアクション系の方に呼ばれることが多かったので、こういう恋愛系の作品も初めてです。話を聞いてて30分で私が演じる女の子の成長をどう描けるんだろうって楽しみと不安が生まれましたね」

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<演出・市川大貴×主演・大崎捺希『渡る夜空は星ばかり』>
市川「僕は『渡る世間は鬼ばかり』が好きなんです。人が喧嘩してるのを見るのが好きなんですよ(笑)。見てると面白くないですか? 特に女性が喧嘩してると、なんでそれ今言うの?みたいなとこあるじゃないですか。引っ張ってきたな〜みたいな(笑)。そういうのが好きで、その辺りもやりたいと考えています。今回、大崎くんには小学5年生を演じてもらいます。彼はイケメンなのですが、僕のお話に出てくる人物は性格的にイケメンじゃない。なのでそのあたりもファンの方には新しい一面として見ていただけたらなと思います」

――― 市川さんは4回目ですが、何か挑戦はありますか?
市川「舞台の転換のタイミングを見るのがすごく好きなんです。暗転ってすごいかっこいいじゃないですか? しばらくやってない転換の仕方があるのでそれをやろうと思ってます」

――― 最後に竹田さんから一言お願いします。
竹田「毎度言ってることではあるんですけど、普段は30分の作品でおさまらないようなスケールの人たちがこうやって参加してくれて、本当にいつも感謝しています。その皆さんが、逆に言うと30分しか出れないし演出できない状況下になって、役者は特にそうなんですけど、頭からトップギア入れてくるんですよ。2時間の舞台だとそれは不可能なことなので、頭から全開の主演面子を見られるのは『エンテナPLAY UNION』だけだと思います。そこを楽しんでほしいです!是非劇場でお会いしましょう!!」


(取材・文&撮影:中川實穗)


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