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神山演劇企画

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見えるはずのない幽霊の想いは届くのか…

豪華絢爛なキャストで贈る、暖かいラブストーリー

役者から脚本演出、はたまた企画等も行っている神山正和が主宰する演劇企画『神山演劇企画』。演劇界のみにとどまらず幅広く活躍しているメンバーをキャスティングし、演劇に触れたことのない人々に刺激を与え続ける手腕が話題となっている。今回は、新年初めに舞台『この時が終わる前に』を上演する。笑いも涙もあるラブストーリーに挑むのは、キャリアも話題もある森本亮治・森高愛、そして舞台初挑戦となる田中真琴・涼本奈緒。この4名と主宰の神山で、今回の舞台への意気込み、またキャスティングに至った経緯を語ってくれた。

PROFILE

森本 亮治(もりもと・りょうじ)のプロフィール画像

● 森本 亮治(もりもと・りょうじ)
1982年7月11日生まれ。大阪府出身。第14回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで審査員特別賞を受賞、その後、ドラマ『ごくせん』でデビューし、ドラマ『仮面ライダー剣』等に出演している。舞台では『ミュージカル・テニスの王子様』、『ミュージカル 忍たま乱太郎』に出演している。

森高 愛(もりたか・あい)のプロフィール画像

● 森高 愛(もりたか・あい)
1998年1月14日生まれ。埼玉県出身。人気ティーン雑誌の専属モデルを務め、ドラマ『ビギナーズ!』で女優デビュー。スーパー戦隊シリーズ『烈車戦隊トッキュウジャー』、映画『俺物語!!』、『人狼ゲーム ラヴァーズ』(2017年1月28日公開)、『兄に愛されすぎて困ってます』(2017年夏公開予定)など話題作に出演、活躍が期待されている。

田中 真琴(たなか・まこと)のプロフィール画像

● 田中 真琴(たなか・まこと)
1995年1月30日生まれ。京都府出身。モデルとして活動中で雑誌『Soup.』、『mer』、『haco!』、『NYLON.jp』などで掲載されている。また、感覚ピエロのMV『A-Han!!』、『拝啓、いつかの君へ』に出演している。本作が初舞台となる。

涼本 奈緒(すずもと・なお)のプロフィール画像

● 涼本 奈緒(すずもと・なお)
2月27日生まれ。2016年4月よりアイドルグループ「時代加速装置@’mE」のメンバーとして活動中。今年の12月16日にはグループの3rdワンマンライブを恵比寿CreAtoにて控えている。本作が初舞台となる。

神山 正和(かみやま・まさかず)のプロフィール画像

● 神山 正和(かみやま・まさかず)
5月30日生まれ。役者、舞台企画、脚本、構成、演出、音響を手がける。舞台『検察側の証人〜麻布広尾町殺人事件〜』(青山劇場)にて役者デビュー、その後、演出家鈴木裕美演出の舞台出演時に演出家を志す。神山演劇企画の母体となる個人プロデュースで『RE:IAM』、『戯曲乙女』にて脚本・演出家としてデビューする。

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演劇に触れてもらうきっかけ

――― 神山自身が企画をするのは3回目だが、神山演劇企画という名前でうつ公演は初めてと語る。

神山「あまり舞台を見たことのない方に見てほしいという想いがあり、今までの公演はモデル・声優・アイドルといった別ジャンルの方々を起用していました。今回は俳優の芝居という部分をそういった方々に見せたく、本格的にやろうと思っていました。以前と同様に演劇を知らない方にも演劇に触れてもらいたいという点と、役者の生き様を見ていただきたいという点で、舞台を作ることになりました。」

――― その結果、キャリアを積んでいる役者や初舞台を踏む人など、様々ではありながらも豪華なキャスト陣となった。各々、依頼段階で台本に目を通していたという。

森本「まず、ストーリーの概要を聞いて、高校生役をやることに困惑して、教師の間違えかなと思っていました(笑)大学生とかはあるんですけど、なかなか高校生まではないので、そのプレッシャーはありますね。」

神山「森本さんが出演されていた仮面ライダーや、映画『ウォーターズ』などを拝見していて一緒にお仕事をしてみたいと思っていたのがきっかけです。あと、自分が演出家に転向するきっかけとなったのが鈴木裕美さんの演出舞台『宝塚BOYS』にも出演されていて、その当時からいつか作りたいって思っていました。役としてはコメディチックな役をやってもらいたいというのもありました。」

森本「あ、そういうの好きですね。」

神山「笑いも取れるけど、イケメンも崩さない部分。イケメンな役なんだけども、それをやりすぎても嫌味にならないという線引き感があって、ぴったりかなと。」

インタビュー写真

森高「今回の台本を読んだ時にお嬢様な役だったのでビックリしました。初めてのお嬢様なので、語尾とかも「〜ですわ」みたいな感じです(笑)これから、試行錯誤しながら演じていきたいと思います。」

神山「森高さんが出演されていたトッキュウジャーを見ていて、「絶対に育ちがいいぞ」っていう印象を持ったんですよ。物語中盤あたりでは、ケーキまで作っちゃうんですよね。」

森高「よく覚えていますね(笑)」

神山「それで、プロフィールを見た時に趣味お菓子作りで資格も取っている。この子は絶対にお嬢様だって確信を持ったんです。ブログも拝見すると、お父さんとジョギングしましたみたいなことが書かれていて、絶対にパパって呼んでそうなんですよ。」

森高「あ、パパっ子なので。」

森本「あたってる!」

田中「私は、ちょうど演技をしてみたいとマネージャーさんと相談した何週間後ぐらいにお話がきたんですよ。ただ、踏み切る勇気がでなくて、どうしようと悩んでいた時に、お姉ちゃんに後押しをしてもらって受けました。意気込みとしてはすごくあるんですけど、初めての舞台なので不安はあります。私の役は男子高校生で、最初聞いたときは演技未経験なのに男子って、「嘘やろ!?」ってなりました(笑)」

神山「田中さんの場合は、写真での第一印象は肖像性が強いなと思い、初めてお会いした時にはボーイッシュで少年性が見え隠れしていて、「この子が男の子を演じたら面白い」と感じたんですよ。アンニュイな感じの中で、冴えなくてオドオドしている役は面白いだろうなって、遊び心で決めました。」

涼本「私は、アイドルをやっている中で、お芝居もずっとやってみたいなと思っていたので、今回お話を頂いて、すごくびっくりしています。」

神山「涼本さんがやっている、時代加速装置@'mE というアイドルを見つけて、明るいイメージと華やかなイメージを一番に受けて、この子に激しく明るい天真爛漫な役をやらせたら、絶対に面白いぞと感じていました。アイドルとして人を笑顔にする仕事をやっていて、役でも明るくて常に前向きなので、ぴったりなのかなって。」

涼本「演じる役が、クラスにいる強めな元気いっぱいの女の子なので、普段の私とは違うタイプですが、正義感の強い女の子に憧れていたので、やりがいのある役を頂けて、すごく嬉しいです。」

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強気に言うと、泣けます。

――― 物語は美男子高校生である音無日向(森本亮治)が冴えない高校生、影山優(田中真琴)の前に現れるが、音無は事故死ですでに亡くなっていて、幽霊として現れる。幽霊として存在しながらも想い人である逢坂桜(森高愛)に想いを届けるというラブコメディだ。

森本「企画・演出・脚本・出演もされて、なおかつ台本に、すごい熱を感じました。物語後半はずっと嗚咽するぐらい泣いちゃうぐらいで、人を想うことの誠実で真っすぐな気持ちというのは、心強いなっていうのを純粋に感じました。フレッシュな感じで、真っすぐに演じれればと思います。本当にいい挑戦で、頑張りたいなと思いました。」

神山「強気に言うと、ラストシーンで泣ける。泣かしたいという気持ちはあります。」

森本「ちなみに、台本を書く時って、閃いて書くんですか?」

神山「その時によりますね…書き換えとかは、その場でやることが多々あります。稽古場で、みんなの性格を見ながら書き直したりしています。」

森高「ますます、ドキドキです(笑)」

森本「神山さんの人間性、人の良さがにじみ出ている台本で真っすぐ響きますね。」

森高「本を読んでいて、私は笑うことが多かったです。台本だけで笑えるということは、舞台上で演じたら、もっと面白くなるという、ワクワク感をすごく感じました。私が演じる逢坂桜は、真面目すぎる子で、その不器用な真面目さに共感していただけることもきっとあると思います。自分と役をリンクさせて、真っすぐに桜を演じたいと思っています。」


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田中「台本の後半から最後までの流れですごく感動しちゃって、この作品に携われるっていうことに、ありがたさを感じました。初めての舞台である作品を本当に頑張ろうって思いました。まずはセリフ量も多いので大きな声を出すために、腹筋を頑張ろうと思っています。」

涼本「私は、大切な人との時間って当たり前じゃないんだなというメッセージを感じました。現実では、1回死んでしまったら、現世に戻ることはできずに、現世の人とも話せない。でも、この作品はその寂しさを感じさせないほど面白くて、登場人物の些細な心情の揺れ動きが鮮明で胸に刺さり、改めて、この瞬間を大切にしていかなきゃいけないと思いました。私も初めての演技でこの作品に携われて幸せだなと思いました。」

神山「初舞台の方々にそう言って頂けるとありがたいです。自分がキャスティング・演出をするにあたって、厳しく接しますし、泣いちゃう子もいるんですけど、出演者の方にも、芝居って楽しいというのを伝えて、内側からでも楽しませたいなって思っています。自分が単純に育てるのが好きなんでしょうね(笑)」

森本「ぜひ、僕も育ててください!今回、実年齢とは離れた高校生役なので、普段の食生活なり過ごし方を改善して、若々しい肌になるようにしていきたいです。「あれ、若く見える、あの人34歳でしょ!?」、そんな驚きにもっていくように、まずはそこから。」

森高「私の役作りとしては、親と育ちの良さそうな地域に行こうって話しています(笑)とりあえず、奥沢あたりで、良い空気を吸い行こうねっていう計画を立てています。」

田中「私は腹筋をしています。会場が大きくて、絶対に声が届かへんと思って、決まってからずっと腹筋をしています。」

涼本「私も初めての舞台なので、大きい声を出したくて腹筋をしています。」


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見えない人への恋の辛さ

――― 色んな役作りプランや今回の舞台の経緯を聞くことで、役者同士で共通認識・共感性が生まれたようであった。最後に今回の舞台の意気込みを聞いた。

森本「僕にとっても、ハードルが多々ありますが、そこを乗り越えつつ、ハンカチがぐちゃぐちゃするぐらい泣けて感動する愛の物語、そこにプラスアルファでお笑い要素を入れて、素晴らしいお芝居になるように頑張りたいと思います。」

森高「お話自体、私の役は死んでしまった音無のことを想い想われ続けている子で、でもそれに自覚がなく、見えない人に恋をしているってすごい辛いと思うんです。舞台上では、私には彼が見えないという現実を桜を通して感じていただけたらと思いますし、愛や好きという気持ちが伝わるように頑張れたらなと思います。」

田中「モデルでは単発で終わる仕事が多い中、演劇は稽古から本番まで継続して行うので、未知の体験なんです。なので、自分の力を出しきりたいと思うのと、みんなが舞台のことに興味を持ち、私もこの初めての舞台をきっかけに色々とできるように努力しようと思います。」

涼本「お芝居も舞台も初めての経験で、今回の作品は大きな挑戦でもあり、これから活動や人生において糧になると思うので、アイドルとして今まで経験して得たものを、すべてお芝居にも活かしたいなと思います。」

神山「まずは、泣いてほしいですね。日常生活の中で、味わえない経験を体現させてくれたり、泣きたいときに泣かせてくれるというものがお芝居・演劇の力だと思うので、今回は、普段嫌なことに直面している方が笑って泣いてくれれば、嬉しいなと思います。」


(取材・文:熊谷洋幸/撮影:安藤史紘)

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